見出し画像

【Covid Quarantine Birding <チュウヒ>】

飛ぶ姿が最もかっこいい鳥は何?と聞かれたら、僕は「チュウヒ!」と答えます。
翼がV字型になって低空飛行でヨシ原を飛ぶ「V-shape Flight」は、本当にかっこいい。

チュウヒは夏はユーラシア大陸北部で繁殖し、冬は越冬のために日本にやってきます。
英語名は「Eastern Marsh Harrier」(東洋の湿地に棲むチュウヒ)で、Harrier(ハリアー)はチュウヒのことです。戦闘機やトヨタ自動車の車の名前にもなっています。
ドイツ語名は、Mangroveweiheで「マングローブのチュウヒ」という意味。尚、ドイツ語でチュウヒを意味するweihe(ヴァイエ)は「神に奉仕する」という意味です。
どっちにしろ"湿地のチュウヒ"というニュアンス。

以前来日したヨーロッパのバーダーと話をする機会がありました。僕らの感覚ではハイイロチュウヒの方がカッコいいイメージがあるのですが、彼らは「ハイイロチュウヒ(Hen Harrier)?そんなもん見たくない。チュウヒ(Marsh Harrier)の方を見たい。」と言ってました。ハイイロチュウヒは彼らからすると普通に見れるからレア感無しなんだそうです。むしろチュウヒの方が希少で、日本で見たい鳥なんだそう。

飛翔がかっこいいチュウヒですが、実は絶滅危惧種。猛禽類の国内におけるペア(つがい)の数は以下のとおり。(種レベルで少ない順)

1位 チュウヒ   136つがい
2位 オジロワシ  150つがい
3位 イヌワシ   241つがい
4位 クマタカ   900つがい

最も少ないのがチュウヒ。このままだとまずい。
生息地であるヨシ原や湿地で小動物・昆虫を捕まえて食べるのですが、ヨシ原の極端な減少によりその生存が脅かされています。

実は僕がフィールドにしている東京湾岸でも秋になると毎年安定的にチュウヒが来てくれます。そして僕などは、"夢の国のお城"を背景にチュウヒのフライングVを撮影してみたいとも思うのですが、ちゃんと撮れたためしがないw
写真は撮れなくても、希少なチュウヒが毎年東京湾岸に来てくれることと、チュウヒが生きていける環境が東京にも残されていることがまずは嬉しい。
まもなくチュウヒは故郷に帰ってしまうけど、また来シーズン会えますように!と東京湾岸のバーダーは皆同じ思いなのです。

#野鳥 #バードウォッチング #チュウヒ

いいなと思ったら応援しよう!