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SIGMA EVF-11がやってきた「物欲しか勝たん」クリスマス
今年のクリスマスはどうしたって自分の物欲を満たす最後のチャンスだった。
人は生きているだけで金が掛かる。だからこそ日々労働して給料を得る。
宝くじで1等当たらないかな。
労働の対価として得られる金額は決して多くはないけれど、幸いなことにカメラ遊びをするくらいの余裕を持つことができている。
ごく僅かな可処分所得の中でカメラやレンズを売ったり買ったり。新宿方面には足を向けて寝られない。
僕は元来買い物下手なので欲しいものがあっても勢いがなければ買うことができない。
ネットショッピングで数万円するものをサクッと買うこともあれば、千円ちょっとのものを実店舗まで見に行ったものの迷いに迷って結局買わなかったり。
要するに優柔不断で貧乏性。
最近気になっていたのがSIGMA fpに着ける電子ビューファインダーであるEVF-11。賛否両論あるSIGMAらしいプロダクトだ。
以前マッ〇カメラでfpLに行って装着されたEVF-11の実物を持ったとき、あまりの違和感に固まってしまった。この時に感じたのは間違いなく「これじゃない感」だった。
fpのミニマリズムを破壊する公式による暴挙。「いや、大きいでしょ?」と世界中のfpユーザーが総ツッコミを入れる無理やりくっつけた感。
僕もそんな否定的な意見を持つ一人だった。
しかし人は変わるものだ。
否、積極的に変わったと言っても良いだろう。人は変化を拒んだ時、考えることを止めた時、成長することを放棄することになる。
だから僕は変化を恐れず、考えることを止めなかった。
SIGMAがEVF-11を発売した。
そこにはメーカーのフィロソフィーがあり、fpにEVFがあることによって体験できる世界と表現できる世界観があるはずだ。
僕にはSBOOIやSBLOOといったガラスの塊にすぎないLeicaの光学ファインダー(とっても高価!)を手に入れてきた経験がある。
例えその経験の教訓が「あったらあったで便利だけど無くても特に支障はない」というものだったとして、一体何を恐れることがあろうか。
欲しいと思ったから買うんだ。
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着弾。
レンズよりも一回り小さな箱。この箱のデザインも見慣れてきた。
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セミハードケースが付属する。
出先で着けたり外したりすることは想定していないので、高い確率でクローゼットの肥やしになるだろう。
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EVF本体。
剥き出しの端子類がガジェット味あり過ぎで良い。
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装着。
大きい。fpが大きくなってしまった。
でもよく見るとレンズの位置がセンターに来ている。元々ボディ中央から正面右寄りにマウント部があるから、EVFを装着したことでマウントの位置が中央付近に来ることになった。これはこれでバランスが良いんじゃないか?
ちなみにアイカップの脱着が難儀という噂があったけどそんなことはなかったし、本体の装着方法にもコツがいるとのことだったけど難なく取り付けることができた。
極端に不器用でもない限り装着に手間取ることはないだろう。多分。
EVF-11を装着して部屋の中を撮ってみる。
楽しい。
レンジファインダーやレフ機ばかり使っていたからEVFは久しぶりだった。
楽しい。
特にウェストレベルとは言わないけれど、アイカップを真上に向けてファインダーを真下に覗くように撮るスタイルは新鮮だった。
楽しい。
しばらくいじっている内に何となく手にも馴染んできた。
そもそもfpはSIGMAのカメラなんだから使いやすいわけがないじゃないか。
不便なカメラほど使っていて楽しいなんてね。カメラ任せで上手く撮れないからこそ工夫や技術の習得が必要で、それを身につけていくことは自身の成長そのものだ。
その感覚が楽しい。
効き目は右目だけどfpのEVFは左目で見てみよう。ボディが横に伸びた分だけカメラの構え方を変えてみよう。ピントピークが見やすくなったからもう少し丁寧に撮ってみよう。剛性に不安があるからストラップの着け方を変えてみよう。
色々考える。考えるだけで楽しい。
僕らは新しいカメラやレンズを求める。
それは新しいガジェットに夢中になる子どもと変わらないけれど、大人の視点で語るなら「成長を止めないための投資」と言いたい!
僕はまだまだ成長を止めるつもりはない。
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