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【ポケモンユナイト】サポートメダルについて
はじめに
サポートメダル関連のツイートが少し広まりました、昆布です。
あれから多くの発見、ビルド論の変化が生じたため、現時点でのメダル構築について一度まとめることにします。説明が冗長ですので、しゃらくせぇ!とっとと最強ビルド見せやがれ!!という方は最後まですっ飛ばして見てください。
2022/9/8追記
計算式間違ってたんで話変わるかもです。
2023/6/2追記
2022/9/2のアップデートによってステータスの計算式が変化したため、本記事内の数値が現在と少し異なります。アップデートの詳細はこちら。
https://note.com/seaweed_comboo/n/n08423e1ae612?s=09
メダルのステータスについて
各メダルにはHPや攻撃、防御などの補正値がそれぞれ存在し、初めは物理キャラには特攻を下げるメダルはノーデメリットで強い、といった考えを持ち、そういったメダルをまとめたところ、少し広まりました。
シナジーのあるサポートメダルをまとめました
— 昆布 (@seaweed_komboo) July 22, 2022
・魅力的な赤色メダルはADCと軒並み相性が悪いため、サンドパンぶっぱで攻撃を上げるほうが何となく強そう
・ピカチュウのようなスキルアタッカーはズバット、ラフレシア、モルフォンのような優秀なCD効果を持つメダルが多い#ポケモンユナイト pic.twitter.com/qrSka5o4Sx
その後、上記に示したようなメダルは必ずしも有用ではなく、とにかくHPが上がるメダルが一番強いという結論に至りました。攻撃や防御が何故弱いか、詳しく説明していきます。
攻撃、特攻補正について
カイリキーに代表される攻撃補正のメダルですが、この攻撃力+2が実際のダメージにどれだけ影響するかを考えます。
アマージョの技であるふみつけ+は、攻撃力が1増えると技の威力が2.08増えます。実際のダメージは後述しますが、およそ20~30%カットされるので、攻撃力2の増加はじゃくてんほけんを加味しても実ダメージ3.4程度の増加に留まります。ちなみに、6猛攻は実ダメージが150増加します。以上から、攻撃が2上がろうが下がろうがほとんど影響が無いことが分かると思います。
特殊タイプの多くは特攻の1増加は技威力0.75~1.5程度の増加に繋がりますが、この先の説明は不要だと思います。
防御、特防補正について
ダメージカット率は一律1-600÷(600+防御)で計算されます。Lv12のピカチュウは防御128で、気合いのハチマキを持たせていれば158になります。ここに防御メダルの補正5を加えると、カット率はメダルの有無でそれぞれ21.4%、20.8%になります。Lv13アマージョのふみつけ+の技威力は1524ですので、実ダメージはそれぞれ1198、1207になります。防御を5上げてもダメージはたったの9しか抑えられないことが分かります(ちなみに、Lv12ピカチュウのHPは5280)。特防についても計算は同じ。
HPについて
ここまでの内容を理解していれば、HP50の補正がいかに大きいかが分かると思います。防御5で9ダメージしか防げないことを考えると、メダル1枚でHPが50増えるのは破格だと分かります。同時に、HPを下げるメダルがいかに弱いかも分かると思います。ダメージ3の増加と9のカットとHP50、ビルドはこれらを考慮して行うようにしましょう。
急所率について
ついでに補正値の話に関連して、急所率についてもここで説明します。以下の計算において、ちからのハチマキの割合ダメージは比較に影響しないため無視します。
ちからのハチマキ、ピントレンズを持ったLv13エースバーンを考えると、AAのダメージが攻撃力を直接参照することから、1発の威力は354です。また、急所ダメージは攻撃力の2.12倍、更に急所が発生するとピントレンズの効果によって攻撃力の0.75倍のダメージが加算されます。
ここで、急所率を規格化するために期待値を導入します。これはリターンの確率に重みを掛けたもので、1発のダメージの見込みを判断するのに役立ちます。具体的な式は
(急所時のダメージ)×(急所率)+(非急所時のダメージ)×(1-急所率)
となります。
分かりにくいと思うので、具体例を用いて説明します。1発100ダメージが99%の確率で2倍になるとき、それはほぼ200ダメージが毎回通るのと同じです。これを期待値で表すと200×0.99+100×0.01=199、つまり1発の見込みダメージは199となり、〝ほぼ毎回200ダメージ〟を〝毎回199ダメージ出す見込み〟と数学的に表せます。よく分からない方は、この式に当てはめればダメージが上手く見積もれるんだなくらいに思っておいてください。
話を戻します。
Lv13エースバーンの急所率はピントレンズ込み36%であるため、そのダメージ期待値は592です。一方、急所率を1%高めたとき、そのダメージ期待値は599です。攻撃力2の恩恵がダメージ3.4だったことを踏まえると破格の効果であることが分かります。これが急所メダルが強いと言われる理由です。
セットボーナスについて
これまでメダル1枚毎の効果について考えてきましたが、実際は色を揃えるセットボーナスの方が影響が大きいです。各セットボーナスの具体的な効果を説明していきます。
青、紫セットについて
防御力を高めようとして青メダルを6枚(青6)積んだとき、実際にどれだけ効果があるかを考えます。
気合いのハチマキを持ったLv12ピカチュウの防御力は158、メダルでなるべく防御力を上げたとして198であることを想定します。セットボーナスは8%ですので防御力は16貰え、214になります。防御メダルの項で行ったように計算すると、Lv13アマージョのふみつけ+のダメージは1207から1123まで抑えられます。メダル10枚でHPは500増やせることを考えると、ふみつけ+を6回受けると防御特化にした価値が出ます。ちなみに、ふみつけ+を6回受けたピカチュウは死にます。以上から、青セットの効果が非常に弱いことが分かります。紫も同様です。
茶、緑セットについて
茶6を発動させた攻撃特化アマージョについて考えます。もうこうダンベル6回、じゃくてんほけん3スタックのLv13アマージョの攻撃力は504であり、ここに攻撃特化メダルを搭載すると542になります。攻撃メダルの項で行ったように計算すると、実ダメージは59増加します。比較的変化が大きいことが分かり、物理アタッカーには茶6は非常に有効であることが分かりました。
一方、こだわりメガネを持ったLv13サーナイトのみらいよち+を考えると、特攻特化により特攻は32増加、実ダメージは36増加します。ここから物理アタッカーほどではないにしても、特殊アタッカーもそこそこ緑6が有効であることが分かりました。
白セットについて
これもHPメダルの項で説明したのと同じ理由で強いです。大体のポケモンはLv7でHP4000、Lv13でHP5000程度、タンクはLv7でHP5000、Lv12でHP7500程度あります。したがって、白2のHP1%はおそよHP50程度の増加に繋がります。これはメダル1枚と同じ効果ですので、攻撃や防御の影響が小さいことを考えると、例えばわざわざオニドリルなんかを積んで攻撃もHPも上げに行くことは弱いと思います。しかし、ポッポ・ピジョン・ピジョットについては例外で、これらを2枚採用することでHPは150程度増加します。明らかに破格の性能であるため、私は黒7白2や茶6白2を評価しています。
黒セットについて
セットボーナスの中で一番壊れと言われている黒セットですが、その理由を説明します。
技威力をk、クールタイムをtとすると、黒7による技のDPSはk/0.92t、通常のDPSはk/tとなります。つまり、黒7によって技のDPSは(k/0.92t)÷(k/t)=1.087倍になります。壁打ちをするゲームじゃないので何とも言いにくいですが、比較的ずっとスキルを打ち続けるマフォクシーを想定すると、例えば緑6によってマジカルフレイムの威力が1914から1956に増加し、そのDPSは832から850に増加します。一方、黒7によるDPSは957であり、黒7のヤバさの片鱗が見えた気がしますね。また、ダメージのみならず、CCやサポートスキルの回転も目に見えて早くなるため、私も黒セットは最も評価しています。近接に浅いので何とも言えませんが、スキル主体で戦うアマージョやカイリキーなんかも、実は茶6よりも黒7の方が強いなんてこともあるんじゃないかと考えています。
赤セットについて
散々ツイートでも述べましたが、赤7の効果はAAの速度を1.08倍するというものではありません。各ポケモンの各レベルごとに攻撃速度が定められており、それらがある所定の値に達したときに初めて実際のAA速度が増加します。つまり、赤7を積んでも一切効果が発動していない場合があるということです。後日具体的に測定を行う予定ですが、計算上はエースバーンにはLv11, 13, 15以外の段階で赤7の効果は発動しません(ちなみに、赤3はLv11時点のブレイズキックの効果発動中の数秒間だけにしか効果がなく、赤5はLv11, 15時点のみ効果があります)。検証したところ以下の表のようになり、確かに赤7は後半戦においてLv11, 13, 15時点でしか効果が発動していないことが分かりました。
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効果がしっかり発動しているときは確かに強力なセット効果ですが、少なくとも何も考えないで適当につけるにはあまりにも弱いセット効果と言えます。
その他のセット効果
正直何も考えたことがなく、現状は黄7も桃7も実現不可能とかいうふざけた状態なので、現状は日の目を見ることがなさそう。どちらも書いてあることは強いので、特に桃については後々化ける可能性が高いです。
具体的なビルドについて
ようやく具体的なビルド案を提示していきます。それぞれの型の特徴も説明しますので、自分のプレイスタイルに合った型を選択してください。
エースバーン
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1つ目は茶6を出しつつ最大限に急所を盛った火力型構築です。基本的に茶6は左の6枚が優秀ですが、無い場合は他のものを採用して構わないので、とにかく茶6を出しましょう。ニャース・ペルシアンで白2を出せるのでお得ですが、無いからってカモネギを採用しないようにしましょう。現状これが一番強いと思います。
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2つ目は急所を少しHPに回した安定型構築です。生存力は一番の火力なので、これも非常に強いと思います。私はこっちが好きです。ちなみに、白枠にはポッポ・ピジョン・ピジョット以外の枠はありませんので、持っていなくて耐久に振りたい場合はこの枠を適宜HPの上がるメダルに入れ替えましょう。
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3つ目はAS構築です。Lv11, 13, 15時点でのみこの構築が継続火力において1つ目を上回ります。しかし、それ以外のレベルで腐る、バーストに欠けるといった欠点があります。理論上のスペックは高いので、試して見る価値は大いにあります。
特殊アタッカー
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黒7を採用しつつ緑6で特攻を上げた火力型構築です。黒7と緑6を両立するにはスピアー・ラフレシア・モルフォン・ウツボットのうち3枚が必須です。無い場合は緑6を諦めて黒7は確実に出しましょう。 緑6によるダメージ増加は所詮知れているため、フシギバナ・クサイハナの枠をピジョン・ピジョットに替えた安定型構築も強いと思います。
物理アタッカー
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茶6で攻撃力を盛りつつ白4でHPも底上げした汎用構築です。茶6さえ出していれば最低限大丈夫なので、火力ジャンキーは白セットの枠に攻撃を盛ったり、黒3でスキルの回転率を上げても面白いかも知れません。ちなみに、ゲッコウガはどちらの型もこのビルドで良さそう。
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本当に強いかどうかは分からない黒7型の構築です。先述の通り黒7のDPS増加は著しいため、スキルをバンバン打って前に出るポケモンには相性が良いかもしれません。多分弱いです。
サポタン
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1つ目はシンプルにHPに特化した構築です。カビゴンやハピナスといった高HPのポケモンは最終的に驚異のHP+650の補正を受けられます。また、自然に黒3も発動させることができたので、重要なスキルの回転を早めることもできます。
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2つ目はスキルの回転に特化した黒7構築です。中身は実は物理アタッカーのところで紹介したものと同じです。ハピナスのしんぴのまもりやカビゴンのとおせんぼうなど、サポタンはスキルが本体であり、その回転を上げることはシンプルに強いと思います。個人的にはこっちの方が強いと思います。なお、細かいところですがこれは物理用の構築なので、特殊はアーボ・アーボックをズバット・ゲンガーに交換したり、ジュゴンをパウワウに交換するなどしてください。
おわりに
ここまでお読み頂きありがとうございます。
何が強いのか、どのビルドが良いのか分からない方が多いと思われますので、そのような方々の一助足り得たら幸いでございます。
また、新たな発見やミス、指摘によって情報は常に変化します。ぜひ、最新で正確な信頼性のあるデータを探し、ご自身で判断した内容を元に自分なりのビルドを組んで頂けたらと思います。
ご意見、ご指摘等はTwitter (@seaweed_komboo) に頂けるとお互い見つけやすいと思います。
参考文献
・各ステータス、ダメージ計算について
・カット率について