『太平洋序曲』feat.海宝直人
Mの娘です☺︎
ちょうど大阪公演が始まったタイミングで、3月に観劇したミュージカル『太平洋序曲』をレポートいたします!
(ミュージカルというより、音楽劇といった方が適切な気もしますが…🙄)
これからこの作品をご覧になる方は、ネタバレしておりますのでご注意くださいませ!
推しが出ていなければ出会えなかった作品
完全に、海宝くん演じる香山弥左衛門目当てで観に行きました。
前衛的な匂いがすごいな…と解禁時から思っていて、現代アートにあまり興味がないので(ブリスベンの近代美術館で虚無になった思い出がある)海宝くんが出るなら観るかぁ、というテンションでした。
観てみると、やはりストーリーがどうこうというよりは、現代アート×日本史の授業に音楽が加わったような作品でした。でも、予想していたよりも世界観に入り込めて、それは海宝くんの丁寧なお芝居が、作品をぐっと深いものにしてくれたからだと、贔屓目ながらに思います。
アンサンブルさん大活躍の舞台ですが、ストーリー上の主役は、まさに香山弥左衛門でした。
海宝香山の見どころ
香山弥左衛門は、妻たまてと釣りをしながら穏やかに日々を暮らす、いわゆる一般人。
だったのですが、ある日、将軍の領地に間違って(漁をするための)網を張ってしまうという、まさかの失態。
やらかした香山は、罰として、日本に上陸した黒船を追い返す役目を負わされるハメになります。
冒頭の楽観的でのほほーんとした雰囲気から一変、たまての元へ生きて帰ってこれるかわからないと嘆き悲しむ様を、一連の流れの中で丁寧にお芝居してくださったので、一気に物語へ引き込まれていきました。
運良く生き延びた香山でしたが、文を長らく出せなかったこともあり、勘違いしたたまては自害(;´Д`(←初見では何が起きたのかさっぱりわからず、他殺なのか自殺なのかも判断つかず…もうちょっとわかりやすい描写にしてもよかったのでは…?後を追おうとするたまての気持ちを表すシーンを足すとか…?)
これを契機に、外国の人を追い払う立場だった香山が、どんどん西洋化していってしまう。
趣味が変わり、服装が変わり、キリスト教信者になっていく…その様子を一曲の中で表現するのですが、これがまた繊細で素晴らしかった。
人が変わってしまったように、西洋文化に夢中になっていく様を見て、可哀想になりました。
ひょんなことから壮絶な人生を歩むことになる香山を、丁寧に丁寧に演じてくださって感謝です。やはり私は海宝くんのお芝居がとても好きです!!
アリージャンスと似て非なるものがある
『アリージャンス』と『太平洋序曲』は、
どちらも外国の作家から見た日本を描いているので、つい比べてしまったのですが…
アリージャンスは違和感なくストーリーが伝わるように、描写を日本人にフィットする形に調整しながら日本版が作られていたのに対して、太平洋序曲は、海外から見た日本というある種の違和感や皮肉そのものを楽しむように作られているな、と。
一方共通点もありました。アリージャンスではもろ第二次世界大戦が描かれていましたが、太平洋序曲でも、きな臭い感じがありました。
ラストシーンです。
開国したはいいけれど、次は満州をはじめ、アメリカが日本にしたことと同じことをアジア諸国にもして差し上げよう!と、侵略へ突き進んでしまうことを予感させる終わり方でした。
…かなり印象に残っています。
海宝くんはこういった類いの作品に縁があるのかしら🤔(どちらも主演)
なかなか自分では選ぶことのない作品に出会えるのが、キャスト優先でチケットを取ることの良さだなー、と思ったりしました。
ありがとうございました。
では!