ミュージカル『マチルダ』を絶賛したい!
Mの娘です☺︎
渋谷はシアターオーブにて、
ロアルド・ダール原作、ロイヤルシェイクスピアカンパニー制作のミュージカル『マチルダ』を観劇してきました!
※ネタバレしてます!!ご注意を!
キャスト違いで計3回!
とんでもなく素晴らしい舞台なのですが、3月問題でオタクのお財布が疲弊していることに加えて、海外ものの日本初演ということで、すこぶるチケットの売れ行きが悪いです、、、。
なんてことだ…!!!
このレポで一枚でも多くチケットが捌けることを祈って…いざスタート!(でもレポ後半でネタバレするという矛盾)
ロイヤルシェイクスピアカンパニーがすごすぎる
まず、何より英国の最高峰が創る演劇の力に打ちのめされました。
この作品、版権が厳しいという噂を聞いていて、英語圏以外での上演は難しいかも、と言われていたようなのですが、演劇大国韓国が、非英語圏で初めて版権を獲得。
ならば日本でも、もしかしたら!と思っていたところ、ホリプロさんが実現させてくださいました🥺感謝🥲👏
今回、本国とほぼ全く同じ演出での上演。
海外チームが来日してクリエイションしたとのこと。日本版は、キダルトといって、子どもの役の大半を大人が演じるスタイルではありましたが、全然気になりませんでした!
一番驚いたポイントは、「場面転換」です。
ただ暗転するのではなく、舞台のどこかしらで芝居が継続して行われていて、そちらに目を奪われている間にセットがいつのまにか切り替わっている。音楽もすごく効果的な使い方。
それによって、テンポ良くシーンが進んでいき、観客はどんどん物語に引き込まれていく👏👏
照明の使い方もすごかったぁ…!
例えば、舞台手前の床を照らしただけで、一瞬で廊下だとわかる…照明もセットの一部になっていました!感動🥺
あえてアナログな影絵を使う演出も大好物🤤
演劇の醍醐味を存分に味わうことができました。
子役がすごすぎる
小見出しがすでに語彙を失っていて申し訳ないのですが、マチルダ役、ブルース役などを演じる子役ちゃんたちが、まぁすごいのなんの。
特にマチルダ役は、4人中3人見ることができまして、それぞれ役作りの解釈が違ってとても面白かったです!膨大な台詞量、ほぼ出ずっぱりで、小学生なのになんて立派なのでしょう…🥺
役作りにつきまして、どう違うかといいますとですね、
●嘉村咲良さん…人生5周目達観マチルダ
●熊野みのりさん…魅惑の不思議さんマチルダ
●三上野乃花さん…見た目と心は子ども、頭脳は大人、その名もマチルダ
それぞれ、こんな感じの印象を受けました。
人生5周目達観マチルダ
嘉村咲良さんのマチルダは、もはや悟りの境地におり、お父さんから「クソ坊主!」と言われても、棒読み感満載の超早口で「私は女の子よ。」と冷静にツッコミ。多分普段から言われすぎて、もはやそんなに気にしてない、流れ作業。空気のような会話に早速ツボる私。
親の言動全てが基本的に頭悪すぎて、もはや親とも思っていない素振りのマチルダ😅
なので、ラストの展開にも納得がいくというか、きっともうあの両親の元には戻らないんだろうな、と思いました。冒頭から、生まれるべき家はここじゃなかったよね、という感じがすごい咲良ちゃんマチルダでした🤭
咲良ちゃんの強みは超早口でも全て聞き取れる滑舌の良さ、人生5周目のような悟った無表情、そして何より歌の安定感…!!
音程の正確さに加えて、高音域にはちゃんとビブラートをかけられる。波形が見える。
大人でもできていない人(震えちゃってるだけのように聞こえる人)いるのに…恐ろしい子(*_*)
1回目で咲良ちゃんのマチルダに当たってしまったものだから、マチルダに対する基準が爆上がってしまったのでした。
魅惑の不思議さんマチルダ
続いて熊野みのりさんのマチルダは、なんとも言えない不思議な雰囲気があり、天才は変わり者が多いとも言いますから、説得力がありました。
…が、長台詞をかなり細かく文節で区切ってしゃべってしまう癖があり、長台詞でも立板に水で一息に言い切る咲良マチルダを見た直後だったこともあり、頭の回転が速い子はこんなに途切れ途切れにしゃべらないよなぁ…となってしまった自分がおりました。
習い事でミュージカルに出てた小学生の頃の私なんて、声量ないわ、台詞はどのシーンも一本調子だわで、こんな偉そうなこと言える身分じゃないんですけどね( ;∀;)すんません…
見た目と心は子ども、頭脳は大人、その名もマチルダ
そして最後に、三上野乃花さんのマチルダ。
実は咲良ちゃんのマチルダをおかわり、と思ってとったチケットでしたが、コロナ感染の影響か、キャスト変更となりました。
ですが、このご縁にとても感謝しています!
素晴らしいマチルダでした!!
これまた全くアプローチが違って。
子どもらしさ全開で、何を言われてもご両親のことは基本的に好き。あんな両親だけど、本当は愛してもらいたくて、だからこそ強がって外では愛されてるんだなんて嘘を言ってしまう様子に、胸が締め付けられました…🥲
ラストシーンも、もしかしたら時が経って、また一緒に両親と暮らす日が来るのかもな、と思わせられました。
頭の回転の速さに、口が追いついていないように見えるのもキュート😂次から次へと言葉が降ってきて口が回っていない😂
台詞に緩急があって、パワフルで、応援したくなるようなマチルダでした!!👏
トランチブル校長とハニー先生
マチルダと並ぶ存在感の、
トランチブル校長とハニー先生!
私、この二人大好きです。
ハニー先生は昆ちゃんでしか見られなかったのですが、それはそれは繊細で優しくてか弱い、でも強い意志を持った正義感の強い人物を、昆ちゃんが丁寧に作り上げていて、たくさん涙してしまいました。
(本来は出るのでしょうが)全然お腹から出ていない、か細い声がたまらなく可愛くて😂👏
猫背な姿勢、か弱い話し方、優しい笑顔、怖がって震えてても子どもを守ろうとする強さ、全てがハニー先生そのものでした。
あ、テンションぶち上がりハニー先生も良かったなぁ🤤笑
昆ちゃんのハニー先生に出会えて幸せです。
トランチブル校長は、小野田くんと大貫さんで観劇。これまたぜんっぜん違って面白い!
小野田トランチブルは、やかましい面白おばさんという感じで、全体的にリアクションが大きくて愉快。意地悪だけど、そこまで怖くない。
"叔母に人が●せるとは誰も思わないわ…"というハニー先生の発言も納得。前半で会場がウケればウケるほど、マチルダが"トランチブル先生だっっ!!"と叫ぶシーンの衝撃がすごい。
大貫トランチブルは、超真面目が故に拗らせてしまって、ハンマー投げで成功した過去の栄光、規則、契約に取り憑かれた可哀想な人、という印象。基本ローテンションで突然怒鳴ったりするので、緩急がすごくてシンプルに怖い。あと目がいっちゃってる。人●せそうな感じが最初からすごい。でもなぜか同情してしまう…。作品全体に重みが出ていたように思いました。
間の取り方やテンションが両者まるで違うので、同じ台詞やシーンでも、全く解釈が違って見えるところが多々!
例えば、
"規則はどうなるの、ハニー先生"という台詞。
小野田トランチブルは、子どもたちがいい思いをするのをやめさせたくて意地悪言ってるように聞こえる。
対して大貫トランチブルは、校長自身が本当に規則に囚われまくっているように見える。その後のソロで、規則を曲げるなんてこと、過去に一度たりともしたことはない…ない…ないないないないっ!と超ヒステリックになっていて、本当に可哀想な人だと思いました。
それから、マチルダに罵倒されるシーン。小野田トランチブルは、罵倒されたことに対して悔しいと思ってぐっとチャックを締めたように見えましたが、大貫トランチブルは、"デブ"というワードが相当突き刺さったように見えて、身体を押さえて急いでチャックを締めたように見えました。乙女なのね…?🥺となりました😂
これだから演劇は面白い…!
ちなみに、台詞の間合い、身体の使い方、動きの緩急など、私が200%解釈一致したのは、大貫トランチブルでした!👏
まさに頭の中で思い描いていたトランチブル校長がそこにいました。感謝。
子どもが見て良い作品なのだろうか
散々褒めてまいりましたが、私は終演後、子どもたちの姿を観て不安になるのです。
今どんな気持ちですか…?🥺と聞きたくなる。
この作品、ブラックユーモアがすぎるのです!!笑笑
親バカを皮肉った一曲目からなかなかインパクトがありますが、その直後せっかくできた子どもを軽い理由でおろしたいと平気で言うマチルダの母親が登場。からの、なんで男じゃないんだ、今からでも男に取り替えろと札束出し始めるマチルダの父親が登場。そして、私は虫けらなんだって、と親バカソングと同じメロディーで真逆の歌詞を歌いながらマチルダ登場。
プロローグだけで、すでにこちら満身創痍。
その後も、虐待や体罰の描写がかなり誇張されていて、衝撃衝撃。
閉じ込める、放り投げる、何十人前かのホールケーキを生徒一人で食べさせる…など。
まあ確かにありますけども…昔は体罰は普通でしたし、私が小学生の時も、給食残してる人は6時間目が始まってもお皿を下げさせない、全部食べるまで遊ばせないという先生に当たったことがあります。
でもさすがに誇張しすぎですっ!笑笑
2幕冒頭の、うっとりするようなメロディと、ブランコを使った美しい演出のシーン。
歌詞の内容はというと、
"いつか大人になったら、ママがつまんないふりしてやってることを全部やりたい"
こんなに美しい曲なのになんという皮肉😂
ブラックなこの感じ、イギリスの演劇らしいなとも思いましたが😅教育上やや心配になってしまいました笑笑
でもやっぱり、色々な年代の人に観てほしい。(どっちやねん)
この作品を観て、ミュージカルって凄い…!ってなる人は必ずいると思うからです。
この作品が日本で上演されたこと、本当に嬉しいです!!ありがとうございました!
では☺︎