保湿クリーム『ブールュイル』
つむじから爪先まで全身使いできるクリーム。
∥油脂選びのポイント
① 皮脂を参考に
コスト0・備え付けの天然クリームである皮脂に倣え、というアプローチ。
これまた一筋縄では語れない世界、かいつまむと脂肪酸 (特にパルミトレイン、オレイン) やワックスエステルがカギっぽい…
② 酸化しにくい
酸化した脂は肌老化を招く。
もともと酸化しやすいリノール酸と、リターンよりもリスクが大きそうなスクワレンは特段の補給は不要と決めた。
③ グレード
食用油脂だと皮膚にとってはむしろ不純物まじりとなるため、化粧品グレードを推奨。
精製と未精製があるのは好みで。
精製はサラッとクセがなく、未精製は滋養豊富な分、人によっては肌に重く/キツく感じることも。
③ 美容効果
ヒアルロン酸やフラーレンなどの高機能成分を頼りたいところだけど、脂溶性のものが圧倒的に少ないため基本、油脂のみ勝負となる。
まずは圧搾製法のバターやオイルで濃厚パワフルな保湿力を確保。
ついでにビタミンEやオリザノールなど脂肪酸外の成分でアンチエイジングや美白をねらう算段。
∥材料 (およそ20g分)
◆植物バター:15g前後
クリームの芯となる部分。
定番はシアバターで、使用者も組み合わせも選ばず扱いやすい。
オレイン酸がステアリン酸の結晶性を防ぐからか、滑らかな手触り。
似た構成のマンゴーもよさそう。
カカオバターはバランス型。
やや固いのは、飽和脂肪酸 (常温固体) が多いから?
オレイン酸でステアリン結晶化を抑えつつ、パルミトレインまで補給するマカダミアナッツとは理想のコンビかも。ナッツチョコ…
ムルムルバターはさっさと浸透してしまい、ベタつきが苦手な人でも使えそう。
ヤシ科特有の中鎖脂肪酸であるラウリン酸の起泡性ゆえか、ふんわりめに仕上がる。
さしずめ、塗るM C Tオイルかな…
◆液状オイル:大さじ1〜2
クリームに滑らかさを与える。
使用量はバターの固さによりきで、シアやムルムルなら大1、カカオで大2くらい。
肌質を選ばないのは、ワックスエステルを補給できるホホバ。
万人向けではアルガンも。
パルミトレイン強化にはマカダミアナッツの他、サジー(シーバックソーン) 果実が含有40%台でトップクラス。
オレイン補強するなら米、オリーブ、椿あたりが使いやすい。
体質や好みに合うものを一覧より探しては。ニッチなオイルもあって面白い。
◆精油など:5滴ほど
香りのみなら合成香料で十分だし、効能を求むなら精油を。
∥作り方
① バターを完全に融かす。
湯煎でも電子レンジでも。
② 加熱から外し、あら熱が取れてからオイルや精油を合わせる。
③ (任意) 容器ごと氷水や保冷剤で冷やしながら泡立てる。
ふんわり仕立てには、空気を送れ送れ。
ある瞬間にいきなり固まりだすので、すぐに冷却から外し、泡立て器でかき削りながら少しゆるんでくるまでひたすら撹拌する。
∥ほんに途方なき…
バター (仏:beurre) とオイル (huile) のシンプル構成。
精油も含めた組み合わせ次第で、美肌作りだったり、塗るかぜ薬みたいに体内へ働きかけたり、いろいろできる。
素材の選び方というのは押さえたし、ここらで一つ腕試しをば…
それでも無限のバリエーションに目まいしてきたなら、最後の最後は好みで。
「肚から好く」が、最適解を知っていたりする。
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