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第6回 荒井オープンダイアローグのつどい(2024.05.25)

海辺の図書館での開催は、3回目となる「 荒井オープンダイアローグのつどい」。
私は2回目の参加となります。荒浜にしては珍しく、柔らかい初夏の日差しに、風も穏やかで、心地よい日になりました。

前回は漠然と、なんだか良い雰囲気の空間だなぁとという感想だったのですが、今回は圧巻でした。
参加者全員、自分が話すだけでなく、それぞれの話への意識の向け方、その熱量の高さが感じられました。

この「荒井オープンダイアローグのつどい」は、いわゆる「精神科医療の包括的アプローチ」として行われているものとは異なります。オープンダイアローグの手法を用いた対話イベントという感じでしょうか。
会場として海辺の図書館をお貸しする相談を受けた際、主催者の高橋さんから『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』斎藤環, 水谷緑(医学書院)をお借りして読んでみましたが、本来は精神科に通院している方向けに実施しているようです。
主催者の髙橋さんは、いずれそうした精神科医療の現場でも実践したいと考えているそうです。

では、「荒井オープンダイアローグ」とは、どのようなものか?
会の流れは以下の通りです。
①主催者からの趣旨説明
②参加者の自己紹介
③1人目が主催者が準備したくじを引き、そこに書いてあるお題について話す。
お題は『谷川俊太郎の33の質問』という本から引用しています。
④①について聞き手から質問
⑤リフレクティング(これがオープンダイアローグの特徴で、話し手は対話の輪から少し離れたところに座り
聞き手が話しているのを聞くプロセス)
⑥話し手が、リフレクティングを聞いた感想等を述べる。

今回、ああ、そうか、自分はこうした「対話」を求めていたのかもしれない、と思いました。
というのも、これまで対話というと、私にとっては行政との対話で、震災後、住民として地域活動者として参加を呼びかけられるものの、そこで話されたことが何かに反映されるわけでもなく、いわゆるガス抜き的、アリバイ的なものばかりで、そうしたやり取りに疲弊していたからかもしれません。

オープンダイアローグは、私なりの解釈だと、真面目な話を茶化されたり、無知をバカにされたりすることがない安全な場という感じです。うまく言語化できないこと、言葉が詰まってしまうことは、良いこととして歓迎されます。流暢で淀みない理路整然とした技術が求められる、ディベート、ディスカッションとは異なります。
また、対話の場が主催者(専門知識を持った進行役)によってしっかりコントロールされているので、声が大きな人だけがしゃべることなく、その場にいる全員が、それぞれに敬意をもって対峙しているように感じました。

参加者は、5名(進行役を除く)で、10時から12時まで2時間でしたが、このぐらいの規模感がちょうど良いと感じました。最近聞いているラジオで「哲学対話」という取り組みを実践している哲学者の永井玲衣さんという方を知ったのですが、その「哲学対話」にも近い感じがしました。

主催者の髙橋さんは、これからもこの「荒井オープンダイアローグ」を続けていくそうです。
また海辺の図書館が会場になることもあると思いますので、興味のある方はぜひご参加ください。

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