見出し画像

房総半島を一周できない路線図

駅。自動券売機の上には大抵の場合「運賃表」が掲げられている。首都圏を走るJR東日本の運賃表では、昔から大変興味深い事象が発生している。

画像1

外房線鎌取駅 運賃表

お気づきだろうか。

内房線~外房線と一周するはずの路線が、省略されているのである!

遠く離れた場所でなく、房総半島の域内ですらこうなってしまう!


画像2

外房線三門駅 運賃表

他の駅でも同様の有様である。上記の例では「(竹岡~)上総湊~佐貫町(~大貫)」と2駅だけ省略されている。ここまで来ると全部載せてしまえばいいのに! とは当然の感情である。

画像3

京葉線東京駅 運賃表

JR東日本の駅掲出運賃表は「1,690円を上限とする」基準で掲載されている。距離で言えば「当駅から100.0kmの範囲内」で、要するに「乗車券の有効日数が1日」の範囲内である。

昨今はSuicaが普及してしまったので、もはやこの基準を気にする人がどれほど居るのか・・・という話ではあるが、現状、そうなっている。

さて、冒頭の運賃表に戻ると

・外房線の蘇我~安房鴨川は「89.5km」

・内房線の蘇我~安房鴨川は「119.4km」

(合計208.9km)

・最長の駅間距離は「7.0km」(木更津~君津)


となり、掲載基準と照らし合わせると「房総半島域内のどの駅だろうと、運賃表に省略駅が必ず発生する」事となる。では、最も省略駅数が少ないのはどの駅なのだろうか?という事になるが・・・

画像4

外房線勝浦駅 運賃表

答えとして「勝浦」「君津」等の「1駅省略」が挙げられる。上記は勝浦駅の運賃表であるが、省略駅数は「(青堀~)君津(~木更津)」で1駅に留まっている。

「君津~鵜原、君津~御宿」が何れも99.9kmである事を考えると、君津駅の運賃表では「房総半島の域内で勝浦駅だけ省略されている運賃表」が拝めるはずなのだが、残念ながら写真を所持していない。近い機会に訪問しようと思う。

同様に掲載基準を考えていくと「ある路線で、1駅だけ無かったことにされる運賃表」が多数存在していると思われる。Twitterでご教授頂いたのが「伊豆多賀駅の運賃表では、長津田駅だけ省略される」もので、「伊豆多賀~相模線経由~成瀬(98.9km)」と「伊豆多賀~横浜経由~十日市場(99.5km)」に挟まれることから発生していると推測される。

画像5

(平塚駅の運賃表では、越谷レイクタウン駅がなかったことにされている)

このようにJR東日本の運賃表は杓子定規的な掲載方法が目立つ。膨大な駅数の掲示物を管理しようとすると、やむを得ないものだろうとは推察するが、あと1駅、どうにかならなかったのだろうか? と思うのは避け得ぬ心情である。運賃表観察はこのように面白いので、勧める次第である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?