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光る少年

熱々の、西日に向かって歩く少年を見た。顔の表情が険しかった。真夏の西日に照らされているのだから当然だ。しかも、少年の背中には彼よりもっと幼い子がいた。おんぶしていたのだ。

夕刻スーパーへ行った。お盆週間の今、いつもよりか家族連れが多いような気がした。店頭にはお供え用の豪華で立派な果物が沢山並んでいた。買い物している人達を見ているとなんとなく気忙しい。まさしくこれ、お盆準備真っ只中という感じか。

そんな中、私はいつもとあまり変わらない買い物を終え自転車に乗る。背中に当たる西日が熱い。2つ目の信号を渡ったその時、少年とすれ違った。

少年の前には大人がいて、きっと身内なのだろうとは思ったが実際はわからない。すれ違いのほんの一瞬、なぜかその少年の顔だけが物凄く印象に残った。西日のせいもあるだろう、少年の顔は汗で光っていた。

人を背負って歩くこと、、自分はしたことあったっけな。あるとは思うけど全然覚えてないな。落としてはいけない!から必死になるよね、だから、あんな表情だったんだねと今ならわかる。目元もキリッと超真剣だった。

光る少年、凛々しくてカッコよかったな。