アイドル嫌いの私がSixTONESに落ちた話

私はアイドルが嫌いでした。

『キラキラの衣装と笑顔で「君が好きさ」「愛を誓うよ」などと上っ面だけの甘い言葉をカメラ目線で歌いかけている男性アイドルと、短いスカートの男性受けしそうな格好で難しくもないダンスをしながらただ口パクしている女性アイドル』
『音楽の良さではなくジャケ写や封入されている握手券でCDを売って稼いでいる人たち。異性のファンの疑似恋愛の対象になることで叶いもしない無駄な夢を見せて、お金や時間を吸い上げるシステム』

10歳を超えたあたりから周囲がさまざまなアイドルを好きになっていく中で、アイドルというのは全員大なり小なりこういうものだと、私はいつの間にか思うようになりました。

今になってみれば、
中学受験が終わるまでは民放を私に見せない教育方針のもと育ったため民放の歌番組やバラエティを見たことがなく、当時一世を風靡していた嵐やAKBの話題でもちきりなクラスメイトの会話に着いていけず悲しかった、
ということがアイドルに対してマイナスなイメージを持ち始めたきっかけだったと思います。

小学2年の時に校庭の竹馬をモップに見立てて一緒にミュージカル"アニー"ごっこをしてた友達は、今はAKBの"あっちゃん"と嵐の“相葉くん”のことをいつも話しているし、1年生の時一緒に大塚愛の『さくらんぼ』を大声で歌っていたクラスメイトたちはみんなで『Love so sweet』を振り付きで歌い出す。少数派である中学受験組の私たち抜きで。

それに加えて「人と違う趣味の自分が好き」「私は人を見た目だけで好きになったりしない」「安易に他人に流されたり流行りに乗ったりせず、本当の価値を見極めて好きになりたいし、そういう自分でいたい」というような少々面倒な性格も大いに影響していました。

だからずっと、アイドル自体も、アイドルのファンも、アイドル関連のビジネスも全てにマイナスのイメージを持ったまま、「“アイドル”は全員大なり小なりそういうもので、自分は関わりがないまま一生を終えるのだろう」と思ってずっと生きてきました。2年4ヶ月前までは。



※お断り

  • 私は常に斜に構えていて疑り深く、変化を好まず、人にも物にも一目惚れはしたことがない、とても熱しにくく冷めにくいタイプです。そのため何事も気になり出してからハマるまでに時間がかかり、SixTONESを好きになるのも比較的長い期間と大きな心境の変化を要したため、このブログもとても長いですが何卒ご了承・お付き合いください。

  • アイドルへの思い込みがひどかった時の気持ちを敢えてそのまま書いています。不快な思いをされる方も多いかと思いますが、どうかご容赦ください。



邂逅

私が初めて「SixTONES」を見たのは、多分2019年の秋頃。朝のワイドショーでRAM-PAM-PAMのパフォーマンスが紹介されているのをたまたま見た時でした。

確か「赤いパンツを見せる振り付けが、ジャニーズの先輩グループのファンから『下品じゃないか?』などと物議を醸しているとかいないとか」みたいな紹介のされ方で、
「ジャニーズみんな同じようなものだと思ってたけどそんな論争なんて起きたりするんだなあ」
「先輩グループが言うならまだしも、先輩グループのファンが苦言を呈するって不思議な世界だなあ、知らんけど」
「にしてもどうしてパンツを見せようと思ったんだろう」
などと思ってました。

でもジャニーズやそのファンが好きではなかったので、そのジャニーズの中で“尖ったことしてる”っていうイメージは逆にプラスになり、今振り返ればSixTONESの第一印象は悪くなかったと思います。
そして何しろパンツをたくさん出してる(たくさん出してる)ので、視覚的なインパクトも強く記憶に残りました。

でも所詮ジャニーズなので「ふうん」くらいで過ぎ去っていきました。


💎

そのうち2020年に入りSixTONESはデビュー。
当時の私にとってジャニーズのどこかがデビューしたニュースは正直気象予報よりもどうでもよかったので、何というグループがデビューしたかさえ全く印象に残っていませんでした。なのでもちろん、デビューしたのがかつて見た“赤パンツ見せグループ”だということも認識していませんでした。

そのうちデビュー曲をYOSHIKIが提供したことくらいは何かで見聞きした気がしますが、所詮ジャニーズ。事務所の力で有名な人に曲を書いてもらって、「虎の威を借る狐ね〜」くらいに思ってました。(完っっっっっっ全に過去形です各方面にめちゃくちゃ失礼)(まずあのYOSHIKIが楽曲を提供しようと決めたということがどういうことなのか考えたまえ当時の私)


認知

そして数ヶ月が経ちGWにステイホームでテレビを見ていた頃、私はたまたまTBSのバナナサンドを見ていました。その回のゲストがJ2でした。
ここでついに、やっと、私はSixTONESを認識します!!やったね!!!

番組の企画で確かSixTONES自体をがっつり扱っていて、ひとりひとりメンバーの特徴などもわかりやすく紹介してくれた記憶があります。J2は話すの上手いし、バナナマンとサンドイッチマンの合いの手も面白くて、バラエティとして素直に楽しく見てました。

ここで私と母(←一緒に見ていた)はあることに気付きます。
“このふたり、Rの法則に出てたあのふたりでは!?”

高校生の頃毎晩Eテレで2355という5分番組を見るのが日課だった私は、確かその後に再放送されてたRの法則も流れで見ていました。当時は芸能人ともはっきりわかっていなかった、スタジオにいる有象無象の高校生の中で“ジェシー”と“じゅり”と“たいちゃん”という子たちが一際輝いていたのが記憶に残っていました。

その暗い髪だった“ジェシー”と“じゅり”が、今喋っている赤髪の”ジェシー”とピンク髪の”田中樹”とそれぞれ同一人物じゃないか!!と急に一致したので大層驚きました。
当時ふたりがジャニーズだということは全く知らず、ただの「同世代のなんだかイケてる男の子たち」として認識していたので、そのふたりがまだ芸能界で頑張っていたことになんだか嬉しくなり、俄然“ストーンズ”も頑張っていってほしいなあという気持ちになりました。
ちなみに “たいちゃん” は平祐奈ちゃんです。

その後の番組内でRAM-PAM-PAMのパンツ見せダンスの企画もやって、SixTONESは「いつかのWSに出てきたあの赤パンツ見せジュニアだった人たちだ!!」とも判明しました。

ザコシとコウメ太夫の出てきたコーナーも面白くて、アイドルグループとしては異例なほどSixTONESは好意的な印象を私に残して番組は終わりました。がそれっきり、それ以上何かSixTONESに関して調べたりは全くしませんでした。まあジャニーズなので

参考文献:https://natalie.mu/music/news/377611

💎

あとこの時期は確かジョアのCMがテレビでたくさん流れていた気がします。「ジェシーが真ん中にいる〜センターなんだ〜〜」「樹は端っこなんだな〜私は樹良いと思うのにな(端にいくほど人気がない人だと思っていた人)首にリボンの付いた衣装でかわいいな〜」などと思っていた記憶がありますね。他のメンバーはまだ認識していませんというかする気がありませんでした。

💎

また時は流れ、次に私がSixTONESに触れたのは7月24日放送のMステです。おそらくToshIが視聴者投票で女性アーティストの夏うたを歌う企画とディズニーメドレー目当てで、録画を再生していました。

参考文献:
https://www.tv-asahi.co.jp/music/contents/m_lineup/1377/index.html

興味のないところは1.4倍速で録画再生していたのですが、その早送り中にSixTONESの出番が来ました。よく見てもいなかったのですが、曲が始まると「おや??」と画面に目がいってしまったことを覚えています。今思えば、画面越し&リアルタイムじゃない&1.4倍速という状況でも伝わるSixTONESの圧や気迫に無意識に吸い寄せられたんだと思います。

披露していたNAVIGATORはジャニーズでよくあるラブソングや応援ソングやトンチキソングでは無いところは新鮮だったし、ダンスを含めてパフォーマンス全体がなんとなくかっこいいなと思った記憶があります。あのおふざけしてるところしか見たことがないジェシーと樹が「こんな曲でこんなパフォーマンスしているのか」とギャップを感じたことも確かです。

でもジャニーズだから口パクだと思ってたし(←SixTONES歌上手すぎて口パクだと思われちゃう現象)、1倍速に戻して見ることも無く、「ジェシーと樹とその他大勢が頑張っているんだな〜」という感想のまま終わりました。


驚愕

さらに時は流れ、次のSixTONESの記憶は11月25日に放送されたベストアーティストでたまたま見たジャニーズシャッフルメドレーに飛びます。

参考文献:https://realsound.jp/2020/11/post-663065_2.html

記憶を辿るために検索してシャッフルメドレーだったと判明しましたが、メドレーだった記憶がなくて、まじでSixTONESのパフォーマンスの部分だけ切り取ったようにはっきり記憶に残ってます。

歌い出し(語り出し)のジェシーで、夏のMステのNAVIGATORで感じたあの帝王みたいなオーラと圧を目の当たりにして引き込まれた次の瞬間、私は初めて金髪のあの人の歌声に出逢います。

そう、京本大我さんです。

「ハイヤ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」

これが俗に言う(言わない)““ビブラートD.D.””です。
これ自分のグループの曲じゃないから口パクじゃないし、なんだこの人、ジャニーズだよね??こんなビブラートかけるジャニーズは未だかつてみたことないが?普通に上手くてびっくりしたんだけどどうした???

軽いパニック状態で見ているともう何回かビブラートかましてくるし、樹もなんかかっこ良かったし、全員尋常じゃない雰囲気を纏っているし、なんかよくわからんがまあとにかく簡潔に言うとびっくりしました。そしてグループ全体のこの“ジャニーズアイドル”らしからぬギラギラ・オラオラ感、嫌いじゃない。

ここでやっと私は気付きます。
SixTONES、もしかして只者ではないのでは?金髪の”京本大我”とやら、歌上手いのでは?

でもこの時はまだ半信半疑でした。


💎

次の記憶はそのすぐ1週間後、12月2日のFNS歌謡祭です。
FNS名物といえばスペシャルコラボ企画。私は山崎育三郎×宮野真守の「君は薔薇より美しい」はしっかり見る予定で、その直後が尾上松也×京本大我の「じれったい」だったので、『ついでに見ておくか〜あの金髪の京本大我だしな〜お手並み拝見』くらいのつもりでした。『にしてもこの歌うまお化けの二人の後に歌うなんて、比べられちゃうし気の毒だな〜』なんて思いながら。

いっくんたちの視覚的にはただただ騒がしく(笑)、聴覚的には素晴らしい歌唱が終わり、満足感の中私はめちゃくちゃ批判的な耳で「じれったい」を聴き始めました。ジャニーズの彼は歌が本当にうまいのかどうか確かめたかったのです。粗を見つけて、『やっぱりジャニーズはこんなもんだよな〜』と安心したかったのかもしれません。

松也さんから歌い始め、2フレーズ目から京本大我が歌い始めました。

……………………………

………………?

……やっぱりうまいが??

私はこれまで受けてきた音感教育のおかげで耳と音感が無駄に良い反面、ピッチが少しでも外れるとすぐに歌が上手くない認定をする(「音程が外れた時点でそれは音楽ですらない」と教育されてきたため)のですが、一度もそのアンテナに引っかかることなく歌唱が終わってしまいました(しまいました)。

「ふぅん………なんか、歌い方は尾上松也の方が玉置浩二に寄せてるね!(早口)」とか母親に言いつつ、京本大我が普通に歌が上手いことを知り焦りました。裏を返せば京本大我は本人の歌い方をコピーしている訳ではないのにも関わらず自然に嫌味なく、音程も外さず自分の歌い方を活かしながら玉置浩二を歌っていたということ。
あのメンツの中で誰にも引けを取らず、玉置浩二を自分流に歌いこなせる京本大我、只者ではないぞ……


💎

次にびっくりしたのは、12月15日放送の「この差ってなんですか?」にジェシーがゲスト出演していた時。着ていた白と水色のお洋服が可愛かった記憶があります。MCに振られてジェシーが玉置浩二のモノマネをしたときでした。

スタジオの皆さんはただ面白がって笑ってたけど、うちでは「え、上手くない?歌上手くない??普通に上手いし似てるしすごい」とざわめきが起こりました(大袈裟)(私と母がざわめいただけです)

モノマネは一瞬だったんだけど、あんな似た声を出せるのもすごいし、伴奏も何もなしに安定した音程でアカペラし出したことが衝撃でした。ジェシーって何、めちゃ歌上手いじゃん。何で今まで隠してたの。(別に隠してはないよ)

京本大我だけじゃなくジェシーもこんな歌上手いとか、SixTONES何者……?


そしてもう一つ、歌が上手いだけじゃなく興味を惹かれたのが、ふたりとも玉置浩二の曲を歌っていた、という点です。

SixTONES世代の皆様に問いたい。同年代でカラオケ行って玉置浩二歌う人なんて、そういませんよね?ましてや好きな人なんてそうそう見かけませんよね??

私は6歳上の兄の影響で小学生の時からヴィジュアル系などのロックが流れる家で育ち、玉置浩二や安全地帯の曲もその中のうちのひとつだったのですが、同級生に同じようなレパートリーの人は当然いなくて、だからもう「玉置浩二をとびきり上手に歌ってしまう同年代」というだけでかなり興味が湧いちゃうわけです。

もうこの頃にはすっかりSixTONESが気になり出しています。


購入

そして訪れた12月25日。私は朝から家でオンライン授業の1限を受けていましたが、10時過ぎには飽きてきてTwitterをだらだらと見ていました。(授業に集中してくれたまえ)

TLをスクロールしながら、なんだか興味を惹かれる映像が視界の隅に入ってきて、指を止めました。

SixTONESの1stアルバム「1ST」の広告でした。SixTONESじゃん!なんだろ!とそのままその動画を再生したところ、

(ティザー映像は見つからなかったので代わりにdigeST貼りました)

………………………………………???

たった15秒でこの情報量はなんだ、デビュー曲以外知らなかったけど全部かっこいいのでは???

TLにたまたま出てきた広告、曲聴きたくても無いサブスク。(韻を踏むな)
好きなアーティストでもYouTubeでMVやライブ映像を見る習慣が無く専ら曲ばかり聴いて生きてきた私は「もうちょっと試聴してみてから買おう」みたいな考えには至らず、「このかっこいい曲をもっと聴いてみたい。別にアイドルを好きになるわけじゃない、曲を聴きたいだけだ」と自分に言い聞かせながら広告の「購入」ボタンからそのまま楽天ブックスに飛び10時14分、予約完了。衝動買いでした。


注文履歴が残ってた

「ユニット曲が入っていて6人の音楽性を楽しめる」みたいに謳われていた音色盤を予約しました。アルバムならシングルより一曲あたりの値段が安くてコスパいいし。ちなみに、「アイドルの顔に興味があるわけではないからグッズは必要ない」(当時自分に言い聞かせていたものの原文ママ)ので、特典のファイルが付いてなくてその分ちょっと安くなってるやつを買いました。勿体無い。

ジャニーズ興味ない自分がCDを買ってよかったのかという不安が消えずに、購入直後に「ジャニーズ 興味 SixTONES」とかTwitterで検索しては同士がたくさんいることを見て自分を安心させていました。数時間おきに「ジャニーズ興味ないけどSixTONESはすごいかも!アルバムを初めて買ってみた!」的なツイートしてる人がいたから、アイドルにそれまで興味はなかったけど1ST前後にSixTONESに初めてハマった人って本当にたくさんいたんだろうなと思います。私のFFさんにも多い気がするし。


ここで自分も自分に驚いているのは、この時私はまだSixTONESのパフォーマンスをろくに見たことがなく、曲すら一曲もまともに聴いたことが無いということです。性格診断すると必ず「慎重性」の度合いがMAXになるこの私が、ただ直感でCDを予約していました。

💎

紅白歌合戦のImitation Rainはどんなだったか正直あまり覚えていないのですが、YOSHIKIの企画でEndless Rainを歌っている中にSixTONESがいたことははっきりと覚えています。
今思えばあれはSony music祭りだったんだろうなと納得がいくのですが、名だたるアーティストたちと一緒に、しかもステージのど真ん中で堂々と歌っているSixTONESにびっくり。特にジェシーがメンバー中でもど真ん中で一人だけ一歩前に出て他の人は視界に入らない位置で堂々と歌っている姿に、「やはりSixTONES只者ではない」の予感は更に強まりました。


鑑賞

そして訪れた2021年1月4日!1STフラゲ日!

かっこいいジャケ写といえど、6人それぞれのお顔が\どーん/と乗っているのはやはりアイドルなんだなという感じでなかなか照れ臭くて、母親からも「なにこれどうしたの〜(笑)(ちょっと引いてる)」とか言われ「曲をね!!曲を聴きたいんだけどね!!サブスクがないからCD買うしかないからね!!(大声)」と返しつつ、またオンライン授業を受けるのもそこそこに割とすぐにデータを取り込みました。

この期間に曲を聴いた感想を書き留めておかなかったことが今になって本当に悔やまれます。1発目にSTを、何の予備知識も無くフルで聴いた当時の私が羨ましすぎる。その感動をちゃんと後世の私(?)に伝えてくれ!!

ざっくり当時抱いていたけれど言語化はされていなかったであろう感想をまとめると、
とにかく1曲目のSTが、中高時代主にロックのその中でも偏ったジャンルばかり聴いてきた私にはどどどドストライクだったのです。「人は思春期に聴いていた音楽を一生聴き続ける」とよく聴くけれど、まさにSTの曲調は私にとってのそれでした。

他の曲もジャンルはバラバラで馴染みのない曲調のものも多かったけど、なんか知らんけど全部良かった。特に抵抗なくすっと入ってきた。

多分これをいきなり「最近デビューしたジャニーズの1stアルバムですよ!」って聴かされても、斜に構えて聴いてしまうから刺さらなかったと思うけど、数ヶ月間かけて少しずつ何度もSixTONESに偶然触れてきた単純接触効果に加えて、その全てでプラスのイメージが積み重なってきたおかげで “ジャニーズに所属するアイドルであるSixTONES” を忌憚することなく、とてもすんなり吸収している自分がいました。

そういうわけで、ちょうど1月は大学のテスト期間で頭が忙しかっただろうに登校日の行き帰りの道中でずっと1STを聴いていました。というか聴いてしまっていました。毎回、音楽を聴こうとした時に手が伸びてしまうというような状態でした。当時自覚はなかったですが振り返ってみれば、もうこの時沼に足を踏み入れていたのでしょう。


テスト科目が山場を越えてきた1月下旬にはどの声が誰なのかということが気になってきて、歌割りブログなんかも検索して聴いていました。
そこで初めて気付いたのは、SixTONESは全員歌が上手いぞ!!ということです。今になってみれば何をそんな当たり前のことに驚いているのか、我ながら鼻白んでしまいますが。

安定していて甘くて気持ちのいいジェシーの歌声、色っぽくてビブラートが効いててとにかく表情豊かなきょもの歌声、唯一無二の豊かな声質で低音から高音まで網羅する北斗の歌声、個性豊かなメンバーの歌声の中で逆に目立つ髙地のフラットな歌声、調べて知った「キャラメルボイス」という呼び名がぴったりのきゅるきゅるした慎太郎の歌声、エッジが効いていてラップから歌までいつも一本筋が通っているような樹の歌声。

すぐにある程度聴き分けられるようになり、だんだんと気が付いてきます。
「ここの歌い方刺さるなあ」って思っていたところがほぼほぼ京本大我の歌声だということに……(ex.ナビゲ”Hey, you!”など)


聴取

時を少し遡り絶賛テスト勉強中だった1月16日(土)の深夜、トレンド1位になっているハッシュタグの意味を私は初めて認識します。
「#SixTONESANN……ストーンさんん?(読み間違い方のクセ)(小文字発音しないところはなぜか一度も間違えない)なんそれ?まあいいや」とそれまで視界には入っていても気にも留めていなかったそのハッシュタグは、SixTONESと関連するものだったことにようやく気付きまして。

そのトレンドを開いてみたところ、SixTONESが深夜ラジオをやっていること、その日はジェシーと樹回だったこと、ジェシーはラジオでもAHAHAHA!!と笑うこと、何だかよくわからないけどめちゃくちゃ面白そうなことを知り、「今度テスト終わったら聴いてみようかな〜(←聴き逃しの存在を知らない人)」と思っていました。

そしてテストが残すところ2科目だけになり訪れた週末、1月23日(土)の23時40分頃、勉強の合間に開いたTwitterでトレンド一位になっている#SixTONESANNを見て、勉強も余裕があったのでradikoで追っかけ再生を始めてみました。

まだきょもと樹の話し声の聞き分けさえまともにできない状態でしたが、それでも2人の軽妙な掛け合いの面白さと京本大我さんのぶっ飛び方はすぐにわかりました。
ちょうど私はこの前日(1月22日)にたまたまSixTONESのインスタのアカウントをフォローして、その時にSixTONESがデビュー1周年だということを知ったのですが、そのことには何故かあまり触れずに進んでいく2人の会話は、アイドルとしてのSixTONESをよく知らない自分でも聴きやすかったし、面白くて勉強の手もそこそこにしっかり聴いてしまいました。

特に「京本大我のオールナイトニッポン」という謎のコーナーが始まった時は混乱を極めました。無駄に色っぽい声で謎の新年の挨拶をしたと思ったら、急にまともな「筑波大の研究チームがゲノム編集技術を用いたトマトを作った」というニュースを読み、そこからなぜかまた訳のわからない「右から天使の翼、左からは悪魔の翼」だの「リスナーはみんな京本大我のゲノム」だの厨二病チックなことを言い出す京本大我さん。

当時から聴いていた方はピンと来たでしょうか?この回があの伝説の、京本大我様が「チ○トレ」とご発しになり7週間干されるきっかけとなった回であり、「あけおめ ことにょろ」と一言言っただけで「ことにょろ」がトレンド入りし、トマトニュースでゲノム編集のトマトを扱ったことできょも担が「ゲノム🧬」と名乗り始めるきっかけになったであろうあの回です。

「きょも回は新規に厳しい初見殺しラジオ」というのは度々ネタになりますが、私はまさにその時「初見で殺された新規」だったようで。事前情報が歌唱中の優雅で高嶺の花みたいなイメージのお姿以外ほぼ皆無だった京本大我初心者にとってはとにかく刺激が強い、強すぎる回でした。
当時はradikoを使いこなせておらずタイムフリーもしていなければ、ツイートもメモも何もせず、何ならテスト勉強しながら1回きり聴いただけですが、それでも鮮明に記憶に残っています。

またリアルタイムで聴く時のTwitterの実況の面白さも知りました。だいたい10分遅れで追っかけ再生していたので、そのくだりが出てくる頃にはTwitterではもうトレンド入りしていたり、#SixTONESANN タグを見ると素敵なファンアートがあったりと、聴いているだけでも楽しいラジオの面白さがTwitterで増幅していることを知りました。

京本大我のギャップの魅力に飲み込まれた私はその好奇心のままに3時過ぎまでTwitterを見て「勉強」していたようです。そしてSixTONESのオールナイトニッポンは普通に面白かったので、その回から毎週欠かさず聴くようになりました。


視聴

テストが終わって長い春休みに突入し、私は本格的にSixTONESを追い始めます。その頃はちょうど4thシングル「僕が僕じゃないみたいだ」のプロモーションが始まっており、2021年1月29日、Mステで初めて能動的にSixTONESのパフォーマンスを視聴しました。

MVもろくに見ていない状態で初めてちゃんと見るSixTONESのパフォーマンスであり、生放送であるというのも相まってものすごくどきどきわくわくしたのをよく覚えています。上に書いたように「刺さる歌声はきょもだ」ということを認識した頃だったので、きょもに注目しつつも、全員の生歌に興味津々、といった具合でした。

ここで改めて、生歌唱でもグループ全体の歌がうまいことを知ります。踊りを封印してスタンドマイクでパフォーマンスというのも刺さりましたが、この時いちばん印象に残ったのは、そう。パフォーマンス中の京本大我さんの圧倒的なヴィジュアルの美しさです。

それまで金髪だった髪を暗い茶色 × オレンジメッシュに染めたばかりの状態に加え、ご自分で引かれた跳ね上げアイライン。ポップな歌で敢えてやっているロックっぽい歌い方とそれに伴う表情や動作。「笑えるな君のせいさ」でカメラに抜かれた瞬間の皮肉っぽく笑う口元と目に光のない真っ暗で吸い込まれそうな眼差し。

「顔がいい」の概念を初めて理解した瞬間でした。私の中にずっとあった「アイドルの見た目には興味がない」という大前提が音を立てて崩れ始めます


貪食

急に貪食って何??って感じですねすみません。生物用語ですが、とにかくいろいろ摂取してる感じがまさに「貪り食ってたみたいだったな」と思ったので。

つまりはとにかくいろいろ追うようになりました。

YouTubeを見たりTwitterで調べたり、テレビの出演情報も認識すればちゃんと録画もして見るようになりました。音楽番組だけでなくワイドショーやバラエティに出る時も自力で終える限りは追うようになりました。
以下詳細ですがまあ読み飛ばしてください。

2021.1.30
バイト帰りにふらっと寄った本屋さんで、雑誌という媒体もあることを認識

2021.2.3
きょもがエリザベートに出ていたことを知る。観に行ったことはなかったけど帝劇でやってた花總さんやら芳雄さんやらが出てるすごいミュージカル(簡略)だということは認識していたので、とてもびっくりする。

2021.2.6
ANNでミセスキョモーンズアップルジングルを聴く。がっつりロックに振り切った歌い方を初めて聴いて電撃が走る。ロックばかり聴いてきた身としては考えるより前に好きな歌声だったので刺さりすぎてめちゃくちゃ聴く。また「ミュージカルの人だからこそのビブラートや抑揚のある歌い方なんだ」と理解して数日だったので「え、ミュージカルだけじゃなくロックもできちゃうの???」と歌い方の引き出しの多さに気付き始める。

2021.2月まとめ
SHOWチャンネルとかCDTVとかさんま御殿とか金スマとか古市さんのインタビューとかMステ2回目とかスッキリとかオトラクションとか沸騰ワードとか、全部リアタイして見る。全部しっかり覚えてる。沸騰ワードできょもが着てたユニクロのロンTを似合わないことがわかってるのに買う。YouTubeは着実に毎回+遡って見る。2/20発売のゆんきょも東京カレンダーとかMgirlとか、雑誌を買って手元に残すようになる。SixTONESカレンダーも買う。

2021.3月まとめ
少クラの存在を知り見始める。SixTONESカレンダーが届く。引き続きテレビはコンスタントに情報をチェックしてメンバーが出てるのは録画もして全て見るようになる。CDは過去のシングルもちょっとずつ買い足して集める。


………とまあこんな感じ。自覚はなかったけどやってることとしてはもう完全に「オタク」の域に足を踏み入れていますよね。


入会

3月中旬に大学の成績発表があり無事進級。自分への進級祝いにしようと決めていたので、やっと満を辞して3月13日、SixTONESのファンクラブに入会しました。

また、ファンクラブと混同していてまだ登録していなかったJohnnys webにも同じ日に入会。やっとブログが読めるようになります。

そしてこの日の夜のANNはあの日以来のきょもじゅり回でした。「ホワイトデーのホワイトは何のホワイトなのか」という問題発言や、めざましじゃんけんの話で改めて様々な方向にぶっ飛んでいることを認識したり、湘南乃風替え歌や新宝島で歌のうまさと才能の底知れ無さを実感したりします。


総括

………と底なし沼への沼落ちは続いていきますがFCに入会したここで一区切り!「アイドルらしからぬSixTONES」と「京本大我の底知れない魅力」にハマるまでのお話でした。まとめるとこうなります。

この後私は2021年5月のスペシャル月間を経て「アイドルとしてのSixTONES」が大好きになるのだけど、それはまた別のお話。



また私があの2021年1〜3月にあんなにもまっすぐSixTONESを好きになれた理由を考えて3つにまとめてみました。

①おもしれぇアイドル
②自分たちと勝手に重ねた
③答え合わせチャンスが何度も訪れる

①おもしれぇアイドル
最初の方で散々書いた通り、私は「アイドル」というだけで「自分の実力で勝負していない」「生まれ持ったビジュアルに頼ってる」みたいな思い込みがあったせいで、そもそもしっかり目に入れることもなく、目に入ってもアイドルな時点で足切り!みたいな感じでした。
そんな偏見の高い壁を乗り越えてくるというか、ぶち壊して飛び込んできた時点で私にとっては「へぇー……おもしれぇ女」ならぬ「おもしれぇアイドル」であり、さらに魅力を知っていく度に「アイドルなのに」といく枕詞が私の中でついてくるため、アイドルであることで逆に全部に下駄を履かせた状態みたいになるのです。

その「アイドルなのに」が「アイドルだからこそ」に変わって今に至ります。一言じゃまとまらないけど、音楽面でいうとこういうこととかね↓

②自分たちと勝手に重ねた
私は大学で体育会系のオーケストラサークルに入っていて、他の趣味には特に興味も持たず(ついでに勉強にも興味を持てず)4年間がむしゃらに頑張ってましたが、そこで同じパートの大好きな同期たちがいました。
全員楽器が上手い精鋭で、みんな個性が人間的にも音楽的にも爆発してて、なんかそれぞれ騒がしくて、みんな集まって喋るともっと騒がしくて、最初はお互い人見知りしてたのにおかしいくらい仲良くて、全員で集まったり話し合ったりするのが大好きで、自分たちだけで盛り上がって、周りからはちょっと怖がられたり疎まれたりする、みたいな。でも「それって嫉妬でしょ〜私たちのことが羨ましいんでしょ??」って心のどこかで思ってて、同期で一緒に演奏するのが楽しくて仕方なくて、お互いのことが大好きで、それ以上にそんな自分たちが大好き、みたいな。

サークルはSixTONESがデビューした2ヶ月後に引退したのでずっとその余韻で生きているみたいなところがあったのが当時の私。そんな私の隙間に飛び込んできたSixTONESは、なんかあの頃の自分たちとめちゃくちゃ似てる気がして、SixTONESの6人自身が誰よりもSixTONESのことが大好きなのが伝わってくるところが本当に大好きで。
そういう「青春の続き」とか「叶わなかった夢」みたいなものを背負って体現してくれてるような気がして、勝手に思いが強くなってしまう。

③答え合わせチャンスが何度も訪れる
「だから私はSixTONESが好きになったんだ」「何ならSixTONESを好きになるために私はこういう道を辿ってきたのかも」って鳥肌が立つ瞬間が何度も何度もあること。
SixTONESを好きになるまで私はこの感覚は味わったことがなかったのに、SixTONESを好きになって以降は数え切れないほどそれがあるもんだから、その度に思いが倍増していくし、過去の自分に感謝したり未来の自分へのおまじないみたいになったり、とにかく感情が忙しい。

これは「自分とSixTONESとの共通点やタイミングから運命を感じる」みたいなものだから、自分だけのものかと思いきや、どうやらそうではないらしく、ファンの数だけそれぞれ自分とSixTONESとの“答え合わせ”があると考えると、本当に途方もなくて、「アイドル」ってそういうことなのかもしれないな、と思ったり思わなかったりする。




そんな私は明後日2023年4月23日(日)、初めてSixTONESのライブに行きます。直接見なくても大きく感情を揺さぶってくるSixTONESの6人が何も介さず直接視界に入ってくるなんて、6人の歌声が同じ空間で聴けるなんて、本当にどうなることやら!不安しかない!









嘘だよー!!楽しみで仕方ない!!!!!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?