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免許の話し
ずいぶん昔の話なんだけれど、免許を取った。本当は車を運転するのが好きとは思えなかったので、取ってもとらなくてもよかったんだけれど、取った。
父は車が命みたいな人だったので、わたしが車の免許を取りたいと勝手に解釈していたんだと思う。
今思うと、「免許欲しくないから要らないわ」と言えなかったわたしもどうかしている。
というか、完全なる他人軸のわたしだったので、そうなって当然だろう。
とにかく免許を取りに教習所に行く段になり、最も厄介だったのが、わたしは免許を取れる自信がない事だった。
大体最初から、免許を取ろうなんて気がないんだから当たり前とも言える。
そんな時、1人の友達に会った。その子が言うのに、「○○ちゃん。免許証取って、車でこの前遊びに来たんだ…」
えっ○○ちゃんが?
わたしに取っては、彼女は、あまり、運動神経のなさそうなタイプ。車を運転するなんて想像もできなかった。
更に彼女の言うには、「○○ちゃんに取れたんだから、わたしにも取れると思って、実は免許証取りに行ったんだ!」
えーっぇーっ な、な、なんて言った。いま!
○○ちゃんに取れて、あなたにも取れた!
頭の霧がぱーっと晴れた瞬間だ!
それって、わたしにも絶対取れるんじゃね。
その時には、もう完全に免許証は手の中に見えた。
注⚠️投資能力ではありません。
とにかく、小さく彼女に気づかれないように、ガッツポーズをした。
この友の一言で、わたしは免許を取りに行くのが憂鬱じゃーの気持ちから一変。
るんるん🎵多分楽勝と、多少運転には苦労したものの、晴れて、免許証を手に入れたんだ。
父は大喜びで、中古ではあったけれど、直ぐに車を
買ってくれた。
今だからはっきり言うけれど、わたしは車になどこれっぽっちの興味もなく、車買うならブランド物のバックの方がずっと嬉しかったんだよ。
もう、とうに亡くなった父にこれから悪態をつくことにする。
いつもわたしが望むものと反対のものを選んでくれた父よ。
それは、本当はあなたが欲しいものであって、わたしが欲しいものじゃなかったんだよ。
でも、もう、いいや。あなたはとうに亡くなってしまったし、わたしも決してあなたが望んだことの半分もできなかったんだろうしね。
決していい娘じゃなかった。認めます。
ほんと分かってますよ。
でも、そう言うこともきっとみんなみんな忘れてしまうんだろうな。
思ったんだ。
あなたが免許を取りなさいと言ってくれたお陰で、わたしは、人に出来ることは、わたしにもできると言う知恵を得たんだ。
決して友達をディスっているのではないので、許せ。トモよ。
読んでくれてありがとう。
また、読んでね!❤️