しあわせちゃん的TOP5MOVIE2020
こんにちは。しあわせちゃんです。
実はわたくし、映画がとても好きです。
昨年は年間100本を目指してこつこつと映画を見ていたのですが、70本というところでタイムアップとなってしまいました。
そんな70本の中から、しあわせちゃんが選ぶ2020年のTOP5 MOVIEをご紹介したいと思います。
※多少のネタバレを含みますのでご注意ください。
※完全にしあわせちゃんの主観によるご紹介となることをお許しください。
5 Call me by your name/君の名前で僕を呼んで(2017年)
舞台は1983年のイタリア。17歳のエリオと父親の研究の手伝いでやってきたアメリカ人オリヴァーの甘く切ない6週間を描いた物語。
原題も邦題もとても好きなこの作品。
北イタリアの映像の美しさやエリオの服装がいちいち可愛いというのもこの映画の素晴らしいところではあるのですが、一番はエリオ役のティモシーシャラメくん。エリオはとても賢く、同年代の中ではどこか落ち着いた雰囲気を持っている男の子です。だけれど、オリヴァーの前では、気持ちを抑えることができない17歳の男の子になる。若さゆえの真っ直ぐさと綺麗なお顔からポロポロとこぼれ落ちる涙に釘付けになりました。
ラストの方で、父親がエリオにこんなことを言います。
「今はまだ、ひたすら悲しく苦しいだろう。痛みを葬るな。感じた喜びも忘れずに。」
私はこの言葉をお守りにしています。
とても好きな人がいたとして、その人がいなくなってしまった時、その人に傷つけられたと感じた時、多くの人は「そんな人忘れなよ」と言うことでしょう。けれど私は忘れたくなかった。どんなに小さな思い出もしっかり記憶に残しておきたかった。だから、「痛みを葬るな」というセリフを聞いた時に、「あ、痛みをなかったことにしなくていいんだ。」と思ったことを覚えています。また、傷つけられてその関係が終わると、それまでの楽しかったことが全て嘘だったように思えることがあります。だけど、そんな関係の中にも確かに楽しかったこと、嬉しかったことはあったのです。それらを全て肯定してもらえたような気がしました。
エリオの家族は、エリオとオリヴァーに何があったのか、なんとなく気づいていて、それでも暖かくエリオを包んでいた。1983年という時代設定でしたが、エリオの家族には様々なことに対する理解とそして懐の深さがあったのだろうと思います。
ラストシーンも素晴らしく、エリオと一緒にポロポロと泣いてしまいました。
4 ニューシネマパラダイス(1988年)
名作というのはきっと、いつの時代に作られても、どんな人が見ても、名作と呼ばれるのだと思います。
ニューシネマパラダイスはまさにそんな作品だと思いました。
主人公のトトはシチリア島に住む少年。彼は村のシネマが大好きで、映写技師のアルフレードの作業場に忍び込んでは、アルフレードに怒られていました。トトとアルフレードとシネマ。トトはこの村で大きくなっていきます。
事故により目が見えなくなったアルフレードに代わり、映写技師として働き始めたトト。青年トトの魅力は、言葉には言い表せない。若く、無垢で、真っ直ぐ。青年トトの目はとっても美しいのです。
ラストシーンは、思わず泣き笑いしてしまいました。
アルフレードの愛を感じたから。この村の、あの時代に、シネマに集っていた人々の熱気が、笑い声が、そのまま聞こえてきたような気がしたから。
時代が進むと、置いて行かれたような気持ちになることがあります。
あの時はよかった、となんとなく思ってしまう。それがノスタルジーというものでしょうか。
だけど、アルフレードが遺したものの中に、ちゃんとみんながここにいたことが残っている。それが嬉しく、そして切なく感じたのです。
きっと、これから先も何度も見返したくなる映画だと思いました。
心の中に、じんわり暖かい余韻が残る映画。間違いなく名作でした。
3 怒り(2016年)
八王子市の住宅街で殺人事件があり、犯人は逃亡中。
渡辺謙と宮崎あおい親子のそばで黙々と働く松山ケンイチ。妻夫木聡が拾った男は綾野剛。広瀬すずは沖縄の孤島で森山未來と出会う。
信じている人が、好きな人が、犯罪者かもしれない。
自分を騙しているのかもしれない。だけど。
信じたい。疑いたくない。だから、否定して欲しい。
だから優馬は直人に「今日、昼間出かけたの?お前に似たやつ見たんだよね」「どこで?」「銀座」とジャブを入れる。
愛子は「田代くん、全部話してくれた。愛子、田代くんのこと知っているもん」と言いながら、警察に電話をしてしまう。
目の前にいる大切な人は、とても自分を騙しているようには見えない。
だけど、過去の経歴や自分の前に現れた経緯を考えると、「あれ?」と思うような疑わしい部分が見えてくる。そうすると、自分の中で「疑い」ばかりがクローズアップされてしまって、その人を直視することができなくなる。
彼らを愛する人々の気持ちが痛いほど分かったから、私は目が離せませんでした。信じている人が自分を裏切っているかもしれない。この映画を見る少し前に、私にもそんなことがあったから。
「怒り」って長続きしないのです。
人間が怒り続けられるのは、せいぜい2時間程度だと言われているそうです。
一方、「悲しみ」は深くて終わりが見えない。
じわじわと染み出して、気がついたら自分の周りが悲しさで溢れかえっていて、息ができなくなる。
怒りは遅かれ早かれ、別の感情に変わる。それは悔しさだったり、虚しさだったり、途方もない悲しみだったり、絶望だったりする。
この映画は、「怒り」そのものを描いた単純な物語ではなく、人が持つ怒りと、その怒りがどのように変化していくのか。怒りを持った人間に対峙する人々はどのような感情を持って相手にぶつかるのか。怒りとそれに連なる感情を描いた物語だと思いました。
犯人は、長続きしない「怒り」という感情を、日常の色々なところに小さな「怒り」を見つけて、ずっと「怒り」を保ち続けていました。それって、どれだけ疲れることなんでしょうね。なんだか、意地のようにも感じて、悲しい人だと思いました。
俳優陣も素晴らしく、サスペンスとしての側面も非常に良くできた映画でした。
2 WAVES(2020年)
沈んでいく兄と光に向かって解放されていく妹とその家族のおはなし。
プレイリストムービーと称されるこちらの映画ですが、その名の通り、まずは彩度とコントラスが強めの色彩で映し出される鮮やかなフロリダの景色に目を奪われました。
主人公の心情に合わせて流れる音楽も、変わるアスペクト比も。
途中から兄のタイラーがどんどん落ちていくに連れて、視野が狭くなるように画面が狭まっているのに気がついて興奮しました。
その後の妹のエミリーパートで、兄が閉ざした世界をぐんぐん開いて、光の方へ向かっていく、開いていく世界に涙が止まりませんでした。
水の中にいるかのような音の使い方や、音楽の使い方、映像美、なんとも、「今」っぽい感じがして、心を掴まれました。
言葉で語るよりもまずは見てほしい。
できれば、大画面で、いい音響で!
RedioheadのTrue love waitsで涙を流したのは私だけではないはず。
1 愛を読むひと(2008年)
大雨の中、体調を崩した15歳のマイケルを助けたのは、36歳のハンナだった。それをきっかけにマイケルとハンナは関係を持つようになった。必ずハンナはマイケルに本を朗読させた。マイケルはハンナに夢中になる。だけど、ある日突然ハンナは姿を消し、数年後、2人は法廷で再会する。ハンナは犯罪者として、裁かれていた。
この映画にはたくさんの要素が詰まっているので、どの角度から切り取って良さを伝えたらいいのでしょう。
第二次世界大戦後のドイツで、ナチス、アウシュビッツといった社会的側面。
至る所で描かれるマイケルとハンナの文化レベルの差。
36歳と15歳という年齢の差。
私は、ハンナがマイケルにとっての「女性」というものを決定づけた、ハンナによってマイケルの人生が変わってしまったということが、心に染み付いて頭から離れませんでした。
あの一夏が、あの時のハンナが、あれからずっとマイケルにとって特別だった。マイケルはあの夏から一歩も動けていないように見えた。だから、奥さんとも娘ともうまく関係性を築くことができない。
あのラストが、マイケルとハンナにとって救いだったのか、私にはわかりません。だけど、ようやくマイケルはハンナとの一夏から前に進めたのではないかと思います。
忘れられない人というのは厄介なものです。
そのややこしさが大きくても小さくても。
まとめ
2020年TOP5は、振り返ってみると、全て「関係性の再構築」に尽きるなと思います。
きっと私が求めているものが、「自分の気持ちを清算して前に進むこと」だったり、「誰かと向き合うこと」だったりしたのでしょう。
2020年の振り返りでも書きましたが、色々な出会いと別れのあった1年大たので、今年は飛躍的な年になれると思います。
だからかな、去年は映画の登場人物たちと一緒にぐずぐず泣きたかったのですが、今はけらけら笑いたい気分なのです!
今年はどんな映画に出会えるかな。
2021/01/03
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