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【マジレンジャー】45~46話

Stage.45「二人はともだち 〜ジー・ゴル・マジュナ~」

 先入観を持たず、その場の直観で物事を判断する芳香。彼女にとっては粗大ごみの椅子もおしゃれなアンティークチェアだし、子犬を邪険にしない冥府神は「いいひと」なのである。今までさんざん痛めつけられ、ひどい目にも合ってきたのに(先日などソフビにされてしまった)、芳香は冥府神を一様に断罪したりはしない。子犬をいつくしむ気持ちが命の大切さの理解につながっていることをティターンに気づかせ、握手をして友達になり、時には身体を張って彼を守る。ティターンもまた芳香のまっすぐな気持ちを受け、執行しかけていた神罰を取りやめる。
 冥府十神が必ずしも一枚岩でないのは今まで語られてきたとおりだが、まさか重要儀式である神罰執行を中断してしまうとは。ン・マの依り代として選ばれたティターンはそれを拒否し、芳香に連れられて逃走するが、神罰の光球を自ら消した時点で、もうダゴンらのところへ戻るつもりは無かったのかもしれない。

 晴れて家族の元に戻った母は、楽しい朝食ののち一人隠し部屋へ姿を消す。肉体から心だけをインフェルシアへ飛ばし、父を探すのだという。父の背中を見上げる子どもたちではなく、父の隣に並び立つ母にしかできない大仕事だ。


Stage.46「湖へ向かえ 〜ゴール・ゴル・ゴル・ゴルディーロ〜」

  友人との永遠の別れを乗せて走る、銀河鉄道ならぬトラベリオン。自らの体内に宿ったン・マを復活させないため、ティターンはマルデヨーナ世界「永遠の樹海」へ針路をとる。ン・マは彼の命が失われる時、それと引き換えに顕現する。となれば、復活を阻止するためにはティターンは永遠の命を生きながらえなければならない。目的地であるところの「眠りの湖」にその身を沈めれば、ティターンに流れる時は止まる。ン・マと共に深い眠りにつく道を彼は選択したのだ。
「芳香」と「お兄ちゃん」がなんだかんだ言いながら互いを思いやっている様子を目の当たりにし、ティターンは自らも「支え合いたい」と願う。芳香たちの優しい心をスポンジのように吸収し、ティターンは蒔人に握手を求める。握手をすれば友達になれる、と芳香に教えられたことをすぐに実践しているわけだ。微笑ましい光景だが、この後必ず訪れる別離を思うと少し寂しい。そういえば、芳香は初対面でティターンへ自己紹介をしていたが、蒔人は結局そこまでの会話をすることができなかった。ティターンが蒔人の事を「お兄ちゃん」と呼ぶのは、ティターンの新しい視界が芳香の影響によるものであることを象徴しているかのようだ。

 一方ほかのきょうだいたちは、スフィンクスによって彼女のマルデヨーナ世界へとらわれてしまう。今まで頑なに神罰執行中の介入を強く否定していた彼女だが、ティターンが神罰を放棄し、ン・マの転生が目前となった今、もはや闇の戒律で定められた範疇は越えたということか。
 知識神らしく好奇心を発揮して、きょうだいに力の源を尋ねるスフィンクス。尋問されるきょうだいたちが包帯で吊るされているのはミイラをイメージしたものか。スフィンクスの望む答えを返さなかったばかりに奈落の底へ落とされかける魁だが、翼とヒカル先生のナイス口キャッチにより何とか危機を免れる。男子高校生一人分の荷重を二人の咬筋で支えるのは相当つらかろうが、包帯を噛みしめながらなんとか啖呵をたたきつけ、スフィンクスを納得させることに成功。晴れて「永遠の樹海」へ転送される。逆にこのスフィンクスクイズがなければ、トラベリオンもない魁たちは「永遠の樹海」へはどうやったって行けなかったはずなので、ある意味結果オーライである。

 芳香と蒔人の策により、追っ手のワイバーンを撒いて湖へたどり着いたティターン。だが、そこに現れたダゴンの一撃により、とうとうティターンの命は捧げられてしまう。
 互いに支え合い、絆で結ばれた芳香たち。一方、自ら送り出したワイバーンすら信頼せず、最後は自らの手でティターンを葬ったダゴン。正反対の態度は決して相容れることがない。だが、今回についてはダゴンの采配に軍配が上がってしまった。父ことウルザードファイヤーの登場に沸くきょうだいたちの視線の先、ティターンの身体を内側から食い破るようにして、禍々しいン・マの姿が現れる。

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