【マジレンジャー】31~32話

Stage.31「凄まじき魔神 〜マージ・ジルマ・ゴル・ジンガジン〜」

 ヒカル先生の持ってる紙の大きさに対して伝えられた情報量が少なすぎる件。1センテンス1枚で紙を排出するタイプのやぎさん、あるいは巻紙のように続けて排出しようとしたところで魁たちにより中断されてしまったという可能性もある。

 レジェンドの力を手に入れた小津家のきょうだいたちだが、その強すぎる力は次第に制御を外れ、彼らを天空聖者の高みにまで押し上げようとする。一度は喜びかけるきょうだいたち。だが、その真の意味を知って彼らは愕然とする。天空聖者になるということはすなわち、人間としてのすべての記憶・経験を失ってしまうということなのだ。魔法と純粋に向き合うためには、それ以外の一切のしがらみは不要ということか。『アギト』の翔一くんを彷彿とさせる。もっとも、一度天空聖者になってしまえば、その後どんな感情を抱こうともその地位を剥奪されることはなさそうだが……。
 ところで、マジトピアにあまたいる天空聖者たちは、みな後天的に天空聖者になったのだろうか。生まれつきの天空聖者はいないのか、と考えた時、一番その素質がありそうなのは小津家のきょうだいなのだが(なんといっても天空聖者と天空聖者の間に生まれた子どもである)、彼らが普通の人間として人間界に生を受けている以上、やはり「天空聖者」とは鍛錬によって獲得されるべき地位であり、生来のポテンシャルで決まるものとは違うのではないかと推察される。

 限りある冥獣人を資源として有効活用。メーミィが本当にやりたいのは「指導者」ではなく「支配者」であることがうかがい知れる。インフェルシアの民衆(民衆?)を導く気などさらさらなく、自らの目的のため芯まで利用するおつもりなのだ。

 シチジューローとの一戦が予行演習のように効いてくる。過去が無くなり、絆が無くなるとはどういうことなのか、彼らはすでにまざまざと見せつけられている。それでもなお、きょうだいは自分たちの運命を信じることに決めたのだ。覚悟を決めた彼らの表情に悲愴感はない。自分自身を、そしてきょうだいたちを、誰よりも信頼しているからだ。
 そこに下賜された、ヒカル先生の新しい呪文。これにより、きょうだいは天空聖者になるリスクを回避しつつレジェンドの力を使うことができるようになる。
 呪文を下賜されるのは駆け出し魔法使いであるマジレンジャーだけなのかと思っていたが、ヒカル先生にもそのシステムは有効の様子。特に驚いた様子もなかったので、別に珍しい事態というわけでもなさそうだ。ますますマジトピアの呪文管理システムが気になるところ。

 ルナジェル(リンのすがた)を知っていればこその魁の態度。記憶が戻って若干性格がキツくなったようにも見えるが、戦場にあって気を張っているだけで、本当のルナジェルはリンのようなタイプの女性なのだろう。
「いけない」は完全に小津家に浸透しているようなので、おそらく
「いけない、育ち盛りに野菜ばかりでは……(自分の皿へ唐揚げを多めによそう魁)」とか、
「いけない、おいしいものを独り占めしては……(その唐揚げをつまみ食いする芳香)」とか、
そんな感じの会話が日常的に交わされている可能性がある。あるのか?


Stage.32「父の言葉 〜マージ・ジルマ・ゴル・ゴジカ〜」

 冥菌獣モールドに侵され、全身をカビに覆われそうになりながらも、劣勢に陥ったきょうだいたちの応援に駆け付ける蒔人。その脳裏には、亡き父からの教えが息づいている。
「強くなれ」
「お前にはまだ、できることがあるはずだろう?」
 蒔人の常々の一生懸命さ、パワフルで前向きな性格は、この父の言葉から養われてきたのだろう。お父さん、アニキはこんなに立派に成長しました。
 その大切な言葉を、こともあろうに母の仇であるウルザードが口にする。常日頃から強敵とのバトルが生きがいみたいな雰囲気を出しているウルザードなので、「強くなれ」というセリフにも違和感はあまり無いが、タイミングがタイミングだけに魁も蒔人も動揺する。ハイモールドの胞子を自ら吸収することでこちらから除去してくれたのは、なんやかんや言い訳しても助けてくれたことに他ならないし、そういえば翼が時間魔法に手を出して死にかけた時にも、ヒカル先生を助けることで間接的に翼の命を救ってくれたのだった。ナイメアからウーザフォンを取り戻し、完全な魔法の力を取り戻したウルザード。彼の正体に一抹の疑念を抱きつつ、その背中を見送るしかないマジレンジャーたち。

 EDの呪文紹介コーナーにて、スモーキーがマンドラ坊やからスモちんと呼ばれていることが明らかに。案外仲良しかと思いきや、マンドラ坊やは根に持つタイプ(植物だけに)。毛虫をつけられたことをちっとも忘れていないし、なんならこれからも折に触れ仕返ししていきそうな気配さえある。さすがはマンドラゴラ、泣き声で人を死に至らしめる恐ろしい魔法植物よ……。

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