【マジレンジャー】21~26話

Stage.21「魔法特急で行こう 〜ゴー・ゴー・ゴルディーロ〜」

 魔法のセンスというより、使いこなせる魔法をどうやって活用していくかのセンスが問われる局面。マッチョ化に繊細な心配りなどいらないので、アニキも思うさま暴れることができて重畳である。

 自らの奉ずる闇の力を、自らが認めた力ある魔法使いに伝えたいというウルザードの望み。倫理のベクトルが逆回転しているだけで、わりとまっとうに指導者のスタンスである。口ではン・マ様のためと言いつつも、実際には闇に染まることで手に入れた大いなる力にのみ信仰を置いていそう。


Stage.22「京都でデート? 〜ルーマ・ゴルド〜」

 不勉強で分からなかったが、ほかにもいろいろ小ネタが仕込まれているらしい。そして当の「赤影」は公式が絶賛配信中。いい時代である。

 キリカゲのでんでん太鼓、てっきりマジレンジャーを赤子扱いして煽るための小道具だと思っていたのだが、れっきとしたマジックアイテムだったので驚いた。芳香ちんもよく気付いたものだ。ヒカル先生の教えが早くも活きている。

 魔法の力は勇気より出で、次の世代へと受け継がれていく。母の秘密のお参りも、自分で自分にかける魔法の一種だ。父から始まったこの魔法は母と娘を経由し、いま家族みんなの共有財産となった。プラセボと言ってしまえばそれまでだが、信じる者にとっては確かに効き目のある魔法なのである。


Stage.23「禁断の魔法 〜ロージ・マネージ・マジ・ママルジ〜」

 インキュバスというと真っ先に連想するのが伊藤・健児@境ホラなのだがそれはさておき。
 どこかアダルティな雰囲気をまとうベルビレジさん、日曜朝にぬるりと登場。男女の見境なしにちょっかいをかけていく姿は絵にかいたようなインキュバスっぷりである。

 インフェルシアの実権を握りたいメーミィとしてはウルザードの存在は目の上の瘤でしかないので、マジシャインと共倒れになってくれたら御の字くらいに思っている可能性は否定できない。
 きょうだいは日中何してるんだろう問題、アニキの農業・魁の学校に続き翼のボクシングジム通いが明らかに。ただしマジレンジャーとして活動するため、ジムへ行くのはやめてしまっていたらしい。四六時中冥獣が現れているわけでもなし、余暇の時間はスパーリングで汗を流してもよかろうとは思うが、ああ見えて真面目な翼は二足の草鞋を自らに許さなかったようだ。

 操縦者の頭数が足りない状態で巨大ロボを操るシーンは色んな戦隊ものでしばしば見かけるが、マジレンジャーの場合はロボではなく自分自身が巨大変身・合体するがゆえに、誰かひとりでも肉体に不調を抱えているとマジキングになることすらできないのであった。やむなし。


Stage.24「先生として 〜ゴル・ゴル・ゴジカ〜」

 翼の呪いを解くため、ヒカル先生は身命を賭してマジックアイテム「許しの杖」を獲得しに向かう。ただしこのアイテム、使用したものにもペナルティが課せられる曰くつきの一品である。罪人を救おうとする者もまた同罪だとクロノジェル様はおっしゃるが、確かにそこまでしないと簡単に悪用されてしまうだろうなあとも思う。リバースの魔法はそれほどに強力なのだ。
 自らと引き換えに翼を助けようとするヒカル先生を止めたのは、その場に居合わせたウルザードであった。ウルザードは闇の力でクロノジェルの魔法をねじ伏せ、ペナルティなしに翼の呪いを解いて見せる。力の強大さを見せつけることには成功しているが、敵に塩を送る結果にもなってしまった。というか今までのウルザードの行動からすると、力を見せるというのはあくまでも名目で、実際には失うに惜しい好敵手を原状復帰させにきた可能性の方が高い。ウルザードの五色の魔法使いへの執着は、時にインフェルシアへの忠誠心をも凌駕する。

 新たな呪文の獲得はどちらかというと託宣に近いような形で行われている。マージフォンに固有の意思があるのでもない限り、「新しい呪文を託そう」と意思決定している何者かがマジトピアにはいるはずなのである。


Stage.25「盗まれた勇気 〜ジルマ・マジ・マジーロ〜」

 魁ちんヘタレと化すの回。強面のお兄さんに注意するのは勇気ではなく無謀ではないかと思いつつも、きちんと話を聞いてもらえたことに安堵する。問題は話の通じないほうで、二人組のマナーの悪いギャルはあろうことか山崎さんの手作りマジレッドぬいぐるみを持ち去ってしまうのであった。ぬいぐるみはギャルに「カワイイ」と評価されていたが、確かに頭の丸みなどちゃんとしていて、山崎さんはなかなか手先が器用なご様子。
 カツラだったり飼い犬だったり勇気だったり、一番大事なものは人それぞれだが、マジシャインからガストンがかすめ取ったのはトラベリオンの乗車チケットであった。戦闘中に手癖で盗んだので、何も考えず持ち物を適当に奪ったとも考えられなくはないが、散々「一番大事なもの」ばかりを盗みまくってきた彼の輝かしい業績を考えるに、やっぱりそのチケットこそがマジシャインにとって一番大事なものだったのだろう。魁が魔法の根源たる勇気を大事に思っていたのとは少し感覚が違うようだ。
 魁が魔法を使うようになったのはマジレンジャーとして戦うためであり、魔法は母の仇を取るため後天的に手に入れた代えがたい武器である。だから魔力を生み出す勇気は、魁にとってなくてはならないものだ。
 引き換え、ヒカル先生の正体はマジトピアの天空聖者サンジェルである。想像でしかないが、天空聖者にとって魔力を持つということは、息をするのと同じく当然のことなのではなかろうか。それゆえに魔力が無くなるなどとはつゆも心配したことがなく、貴重な魔道具の方に重きを置いているのかもしれない。
 それにしても、デストラクションファイヤーは何度見てもなかなかえげつない。相対した敵を吸い込んで塵も残さず燃やし尽くすという、後顧の憂いを断ち切るにはぴったりの必殺技だ。生きながら焼かれる敵の方々に合掌。


Stage.26「信じろよ! 〜ジルマ・ジー・マジカ〜」

(2021.12.24追記)

 小津家のきょうだいにおいては、芳香は奔放な長女、麗は母性溢れる二女というキャラ付けが自然となされている。とはいえ、いくら麗が母の志を引き継ぎ、きょうだいのお母さんたらんとしても、生まれ持った二女というステータスは変えられない。
 いじけたスモーキーに対して麗ができるのは、「私が信じているから他の人は関係ない」などとお母さんのような絶対的な愛情で包み込むことではなく、「私も一緒に言ってあげる」ことだけである。ここには、上にも下にもきょうだいがいて、その間でバランスを取りながら育ってきた麗の「ちぃ姉」的な性格が出ている。

 そして呼び名は最終的に「ママ」へ行きつく……が、さすがにそれは定着しなさそう。

 普段ランプの中にしまわれているから忘れがちだが、そういえばスモーキーは猫の一種なのであった。猫じゃらしについつい反応してしまうのは、猫一族の悲しいサガである。火山の煙から生まれたとしてもそれは変わりないらしい。

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