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【ボウケンジャー】第31話~第35話
Task.31「亡国の炎」
ボウケン31話見た 映士とさくら姐さんの回。腹に溜め込む(合理的に判断して無駄な議論はしない)さくらと、腹に溜め込む(やせ我慢)映士。互いに腹を立てていた二人だが、二人での冒険の道中、さくらが腹を割って話したことにより、映士は彼女のバックボーンを腹落ち。腹を切られるが無事生還とな。
— 望戸 (@seamoon15) July 9, 2022
さて何回「腹」という字を使ったでしょうか。腹は人体の中央に位置する重要な部分である。腹の底まで見せ合うとまでは行かずとも、各人を形成する大切な核について知ることが出来れば、相手への理解はぐっと深まる。もちろんむやみに暴くのはよくないが、自ら腹を決めて少しずつ差し出せば、案外相手も素直に腹に納めてくれるものだ。
世俗に疎そうな映士でも当然のように知っている「世界で何番目かの金持ち」、西堀財閥。跡取り娘が出奔するためには、やはり自衛官くらい厳しくて大義名分のある仕事に就かねばならぬのか……。わざわざ映士に「高丘流の跡取り」と言わせたのもさくらとの対比のためか。映士は家名を大事にしている。
— 望戸 (@seamoon15) July 9, 2022
世界有数の財閥の跡取り娘ともなれば、将来のレールは決まったも同然。仕事にいくらか腕を振るうことが出来るとしても、さきざきには利害関係を調整しながら婿など取り、一族を絶やさぬようその礎の一部とならねばならない。逆にレールに乗ってさえいれば大方安泰な一生を送ることは出来ただろうが、さくらはあえて別の道を選んだ。ただ、逃げ出した先もだいぶ体育会系な感じがするので、完全な自由を得るには明石による勧誘を待たねばならなかっただろうが。
一方の映士は高丘の家名をずっと守って生きてきた。父も母もいない現状、彼が守らねば家が潰えてしまうという義務感もあろう。大財閥一家のさくらと違って、高丘家には名前と法術しかないのだ。
結界を越える際、術者の身体は少なからぬダメージを負う。連れのさくらは無傷だったから、映士は幼少時に父に連れられて結界破りをしたことがあるのかも(同伴者にダメージがないと知っていなければさくらを連れて行こうとはしないだろう) 木札と縄で結界を破るのとさくらが陣を壊す動作が同じでよき
— 望戸 (@seamoon15) July 9, 2022
さくらの過去を映士が受け入れたように、映士の過去~現在を象徴する法術のわざをさくらも受け入れている。
ズバーンでも結界は壊せなかったが、落ち込むズバーンを慰める蒼太の姿にほっこり。/さくらにとってパフェを食べるのは心をフラットに戻す儀式か。2回の食事シーンが違った意味を持っていて、お手本みたいな構図だなあと思うなどする
— 望戸 (@seamoon15) July 9, 2022
パフェは心の栄養なので、どんなに食べても腹に溜まりすぎるということはないのである。羨ましい……。町場の喫茶店で、自分の給料で好きな様にパフェやスイーツを食べることが出来るというのも、今のさくらの立ち位置だからこそできる贅沢だ。
Task.32「ボウケン学校の秘密」
ボウケン32話見た 学校へ行こう! の巻。不合格の明石を真墨と映士が煽る煽る さくら姐さんも一応止めはするが、明石から冒険を取ったら「何が残るんでしょうか……」と呟いてしまうあたり同じ穴の狢。ところでその古式ゆかしいオタクファッションは何ゆえ??? 冒険オタクに扮しているのか???
— 望戸 (@seamoon15) July 10, 2022
明石殿は冒険スクールをオフ会か何かと勘違いしているのでござるか? なお、結構カジュアルに生徒募集をしていたし、ガチ勢は今更学校になど通わないだろうし、集まる生徒候補はライト層が主だと推測される。
何をやっても上手くいかない島田と、昔の自分を重ね合わせて世話を焼く菜月。大事なココアをみんなに作ってあげるように、自分がしてもらったことをそのまま他人にも施そうとする、菜月の素直な性格がまぶしい。真墨に冒険のイロハを叩き込まれた日々は彼女にとって最初の、かけがえのない思い出である
— 望戸 (@seamoon15) July 10, 2022
菜月がこんなに素直ないい子に育ったのも真墨の教育方針がよかったからか。他人に親切にすることに対して何のてらいもないということは、そういう成功体験を積み重ねてきたからであろう。真墨は菜月を裏切らない。菜月の笑顔がその証拠だ。
光の船を浮上させるには冒険者たちの魂が必要、大量の冒険者を集めるのは大変なので、素人を冒険者に育て上げて利用してしまおう……というダークシャドウのTOKIO的転回。確かに効率的ではあるが、一日授業の付け焼き刃で大丈夫なのか? 駄目なら第二弾をすればいいだけか……
— 望戸 (@seamoon15) July 10, 2022
これぞ地産地消の極み。輸送コストもかからず必要な分だけ収穫できて合理的! 光の船側の判定基準が気になるところだが、ただの自称・冒険者ではなく、「冒険スクールお墨付きの冒険者」という肩書があれば一応格好はつくのか?
投げ捨てられたアクセルラーを探しに海に入る島田。ちゃんと服を脱いでから潜るあたり、やっぱりあまり冒険者的ではなさそうな雰囲気だが、幼い頃映画に憧れたその心は、紛れもなく「果てなき冒険スピリッツ」である。明日からの無職生活も多分結構冒険だろう。頑張れ頑張れ。
— 望戸 (@seamoon15) July 10, 2022
冒険者であるためにはやはり思い切りの良さや常識から外れてみる勇気が必要かと思うのだが、島田はその観点から行くとだいぶ「らしくない」タイプだ。でも、明石が冒険小説に心をときめかせていたように、かつてから冒険映画に憧れて、ついには今までの生活を変えようと決心したその心意気は、きっとなかなか冒険だ。ある意味では冒険学校に通うことにより、正しく人生の冒険の第一歩を踏み出したとも言える。ダークシャドウもたまには結果オーライ。
Task.33「レムリアの太陽」
ボウケン33話見た 再び登場唐物屋さん。ご先祖が海から引き揚げたという、菜月そっくりの腕輪をしてズバーンを持った女性の像。どこかしら神聖な雰囲気を感じるのは、クエスター曰くその腕輪が高貴なレムリア人にのみ着用を許されたものだからだろう。王族か、もしくは女神を象っているのかも。
— 望戸 (@seamoon15) July 16, 2022
レムリアの女性像、観音様やマリア像的な雰囲気がある。偉い人と神様が近しい王権神授は古代文明のならいか。
最初から菜月の正体に気づいていたクエスターは、リュウオーンと結託して巨大メカを動かす動力源のため、「レムリアの太陽」を見つけ出そうとする。9割の真実と1割の洗脳により、菜月は人類を滅ぼすレムリアの尖兵に。真墨は自分が口を割ったことを責めるが、あんな菜月の顔を見たら仕方ないよな……
— 望戸 (@seamoon15) July 16, 2022
クエスターのお二人、アシュ時代に初めて菜月を見た時からなんだか含みのある反応をしていたが、こんな裏があったとは。それにしても明石に元チームメイトの幻影を見せた時といい、人心操作がお上手である。
レムリアの遺物であるズバーンはレムリア人である菜月に味方する。明石に懐いていたこととはまた別で、より上位の命令系統としてプログラミングされているのだろう。現に持ち主を選ぶはずのズバーンを、菜月は易々と引き抜いて扱っている。/しかし、遺跡を彩る美しい菜の花が伏線だったとは……
— 望戸 (@seamoon15) July 16, 2022
拾った女の子の名前にするほど印象深く、美しく真墨の目に映った菜の花の群れは、プレシャスによる異常な植生であり、彼女の孤独な出自を示す手掛かりでもあった。真墨的にも結構複雑な気分なのでは。
Task.34「遼かなる記憶」
ボウケン34話見た レムリアの太陽編・後編。菜月を連れ戻すため単身ジャリュウの基地へ乗り込んでいく真墨。立ちふさがるリュウオーンの放った実弾でアクセルラーのジャイロを回し、変身する姿が何ともかっこいい! ていうかその銃実弾だったんですね! てっきりエネルギー弾的な何かかと……
— 望戸 (@seamoon15) July 16, 2022
特殊変身はいつ見ても良い物だ。銃弾の軌道を見切り、ジャイロをブレなく添わせる動体視力、さすがである。
レムリアの太陽は生命エネルギーを注ぎこまれることでその力を発揮する。菜月の放った炎の壁を飛び越えて、真墨は彼女を後ろからかき抱く。「菜月は菜月だ。俺の、俺たちのパートナーだ。ボウケンイエローだ!」俺たちの、と言い直すのは、自分とだけでなく、皆との思い出を想起させるためか。
— 望戸 (@seamoon15) July 16, 2022
「間宮菜月」をかつて真墨は独占していたが、いま「ボウケンイエロー」としての居場所を得た菜月はもう真墨だけのものではなく、他のメンバーや牧野博士、唐物屋、その他さまざまな人と関わりながら自分だけの思い出を作っている。だから、「俺の」ではなく「俺たちの」菜月なのだ。だが、「仲間」ではなく「パートナー」という言葉を無意識に選んでいるのは、やはり自分と菜月の二人で過ごした時間が真墨の心の中で大きなウエイトを占めているからだろう。
かくて菜月は「間宮菜月」を取り戻す。映像の両親は彼女をリリーナと呼ぶが、彼女は遼か彼方の両親へ「菜月は元気だよ」と呼びかける。過去も未来も関係なく、いまここにいる菜月こそが彼女自身なのである/超絶巨艦・ゴーゴーボイジャーは別チームによる開発。だから最初から5機合体しているのか?
— 望戸 (@seamoon15) July 16, 2022
レムリア人の末裔・リリーナとしての人生を、菜月は選ばない。彼女にはリリーナとしての記憶はないからだ。だから遠く離れた両親にも、菜月は菜月として思いを馳せる。真墨や他の皆が彼女を菜月と呼ぶ、だから菜月は笑顔で返事をして、自分が間宮菜月であることをそのたびに確かめる。記憶を取り戻すまでのかりそめの姿であった「間宮菜月」は、すっかり彼女に馴染んで、彼女そのものになったのだ。
サージェスほどの組織であれば、技術チームが複数いるのも確かに納得。共通規格と共通設計思想さえ定めておけば、いざというときも安心である。規格違いの開発競争でなくて本当によかった。
Task.35「神の頭」
ボウケン35話見た \メカニック牧野!/ 敵を騙すにはまず味方から回。年長組のしたたかさと新入り組の無鉄砲さが大変良き。システムが乗っ取られていても、クラクション連打したらボイジャーフォーメーションになれるのか……。チーフ役の牧野先生もだいぶうきうきしてらっしゃってかわいい
— 望戸 (@seamoon15) July 23, 2022
ゴーゴーボイジャー、結構力業で何とかなるタイプ。技術チーム同士の間で「奴ら結構無茶苦茶するから気を付けて」とか情報共有されている恐れがある。
古代のCPU・神の頭の取引阻止ミッション。かつて蒼太とさくらがやらかした「失敗」については深く語られないが、さくらが蒼太を信じ切れなかったのが原因のようだ。見事に汚名返上でグッジョブである。PDAを有線接続してセキュリティハックする蒼太に時代を感じる/今更だが映士、肉も普通に食べるのか
— 望戸 (@seamoon15) July 23, 2022
第一話でボウケンジャーとサージェスに加入した真墨と菜月はいわば同期だが、二人が加わる前、三人態勢だったころのボウケンジャーについて、作中で多くは語られていない。今でこそ真墨たちの良い先輩のようなポジションだが、当然蒼太とさくらにも新人時代があったわけだ。ゴードム文明が本格復活する前とはいえ、プレシャスを回収するミッションはいくつもこなしただろうし、中には死線をくぐるようなこともあったのだろう。自衛官とスパイではバックボーンがだいぶ違っているので、理解し合うのも一苦労。さくらが映士に早々と自分の生い立ちを話したのも、蒼太との二人ミッションで苦汁をなめた経験があったからかもしれない。
映士は生野菜ばかりを齧るものの菜食主義者とまでは言われていないように思ったが、どうだっただろう。焼肉屋でも焼き野菜だけをもりもり食べまくる可能性もある。高丘流にも精進料理系の縛りがあるとすれば、ワンチャンうさぎ肉ならイケるか。