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【ニンニンジャー】第13話~第14話

忍びの13「燃えよ!ニンジャ運動会」

「自分の力を侮り」という言い回しにずっともやもやしている。「敵の力を侮り(低く見積もってバカにして)」だったらすっと意味が通るのだが、自らの力量を侮るとは? 行き過ぎた謙遜ということか? 九衛門は謙遜というより慇懃無礼な感じがするが……。そして、ただ低く見積もるだけならまだしも、「侮る」という字には「バカにする」のイメージがついて回る(「侮辱」の「侮」だ)。九衛門、自らをけなすような言動をしていたのだろうか。
 敵の力を侮った後に生じるのは大抵油断と相場が決まっているが、九衛門が自分の力を侮った後には、「悩み、恐れ、いつしか道を誤」るというネガティブな三段跳びが待ち受けていた。自らの力不足(自称)による劣等感と自己否定が九衛門の根本にあるのだとすれば、なんとなくそれぞれのステップに至る気持ちもわからないではない。

 蛾眉殿は却ってそのまっすぐさが牙鬼に気に入られたのかもしれぬ。晦のような魑魅魍魎ばかりでは本陣でも気が休まらなかろう。

 伊賀崎流が一子相伝の小さな流派であるように、小規模な忍者の家系は案外身近に潜んでいる物なのかもしれない。チラシにつられて運動会に出ようなどと考えるアクティブな流派はおそらく少数派であろうから、その母数はいかほどの物か計り知れない。

 自分の希薄な「家族の絆」を確かにするために、がっつり家族経営な伊賀崎流へ乗り込まねばならないキンジ。辛くなったりしないだろうか。
 ともあれ中途半端に距離を置くのは諦め、臨機応変に協力することも是としたキンジ。御命頂戴を抜きにすればどうせ同じ妖怪を追って出場していくことになるので、その判断は合理的である。そして合理的とか非合理とか特に関係なく、みんな揃っての名乗りはテンションぶち上げである。

 似たような大きさとデザインの人型ロボであるシノビマルとロデオマル、色だけでなくバトルスタイルでも個性が打ち出されていてどちらも大変かわいい、みんな違ってみんないい。


忍びの14「助けてサギにご用心!」

 妖怪ヤマビコが企てたのは、偽風花からの振り込め詐欺ならぬ持ってきて詐欺。丸呑みに信じる天晴も天晴だが、それだけ動揺していたのと同時に、風花の言うことなら間違いないという信頼が根底にあるのだろうなと思う。受け子のジュッカラゲに頭を下げて手裏剣を渡している姿が印象的だ。いつか悪い人に本当に騙されないよう、風花たちにおいてはしっかり天晴を見張っておいてほしい。

 視界に入らなければドタバタしていてもよい、という風花の魂胆がふんわり透けて見えるような時間設定である。大きなお屋敷のように見えたし、隣近所への騒音は気にしなくても大丈夫だろう。

 ただの人と言うにはあまりにも個性的な伊賀崎の面々である。しいて言うなら高校生コンビは一般寄りの価値観を持っていそうだ。

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