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【ニンニンジャー】第34話~第36話

忍びの34「伝説の世界忍者、ジライヤ参上!」

 有明の方に言わせれば年中すべてアンチエイジングの季節となってしまいそうだが、確かに美容に休みは無いので正しいと言えば正しい。やり方は大いに傍迷惑であるが……。

 というわけで、戸隠流からジライヤ先輩が推参。ジライヤといえば『キュウレンジャーVSスペーススクワッド』でなんだかえらく大変な目にあっていたような記憶があるのだが、映画館で見たはずなのにどうも記憶があやふやなので、機会があれば観なおしたいところである。

 山地氏は1970年7月生まれ、1988年の『世界宇宙戦ジライヤ』時点で18歳だそうだから(wiki調べ)、この話が放送された2015年10月には45歳の計算になる。なるほど。

「忍者の名誉を守る委員会」の監視対象となってしまったニンニンジャーは、常に委員会の目にさらされて、思うように戦うことが出来ない。忍者のための委員会を組織しているのは当然忍者の方々なので、ニンニンジャーを監視している皆さんも忍術の素養があるはずなのだが、妖怪との戦闘はこちらに任せきりである。あくまでも自らの職務だけを全うし、伊賀崎流と牙鬼の私闘には手を出さないというおつもりだろうか。ドライでストイックな感じは忍者らしいと言えば忍者らしい気もする。
 結局ジライヤとニンニンジャーの共闘により妖怪は退けられる。伊賀崎流が忍者一番刀だのガマガマ銃だのポップな武器を使っているのと対照的に、ジライヤ先輩は刀一本でさすがの迫力である。これが世界と相対した実力か。

 委員会、あくまでも真っ当であり、それゆえにぶっちゃけ面倒。型破りなヒーローには辛いところである。


忍びの35「キンジ、妖怪への迷路!」

 隠したり貴重品扱いしたりしている気配は全くなく、持ち主不明のビニール傘くらいの扱いでオフィスビルの物置につったたっている妖刀浦鮫。刀で鮫なんて聞くとドンムラサメを連想してしまう2022年である。ともあれ、すべてが九衛門の仕込みであるならば、このぞんざいな扱いも納得である。彼の計画のためには、キンジが間違いなく浦鮫を手に取ってくれることが必要不可欠だからだ。

 技の威力が増したのは超絶モードのおかげだが、それを使いこなすことが出来たのは凪が獅子王に認められたからだ。迷いを捨てたことで、まっすぐに突き進むという道が示された。そして努力の子である凪は、一度決めたら最後までやり抜く力をちゃんと持っている。その思いを刀に乗せた時、黄忍斬は彼の力を十二分に引き出し、発揮したのだ。

×他社 → 〇他者

 細やかに気を遣える凪も偉いが、それにちゃんと気が付いている天晴もまた偉い。「年長者だから当然」ではなく、これもまた天晴の美点なのだろう。


忍びの36「キンジ、栄光のスーパースター!」

 凪に続いて、今度はキンジが自らの弱さと向き合うターン。牙鬼軍団が使役している妖怪たちは、付喪神的な自然発生ではなく、色んな有名妖怪のプロフィールを「封印の手裏剣」を通じて現代の物質に組み込んだものである。キンジの妖怪化もそれと似ていて、オオカミオトコからの受傷や九衛門からの妖力注入により、人間であるはずのキンジの身体に妖怪としての新たな生き方を組み込むようなやり方のようだ。ただ、物言わぬ家電は封印の手裏剣に抗う術を持たないが、キンジは自らの心と言葉で、「妖怪としての自分」に抵抗することができる。そしてその瞬間、彼は一人ではない。好天や他の仲間たちが、彼の心の中にはもうずっと一緒にあって離れないのだ。
 かくてキンジはフリンジ付きのポンチョも眩しいスーパースターニンジャーへと成長した。保安官みが増して、今までよりもさらに西部の似合う男となった姿は、ド派手なれども頼れそう。九衛門が撒き餌代わりに使った妖刀浦鮫は、忍者激熱刀に変化し、キンジの新しい力となる。悔しいのは敵に塩を送る形になった九衛門である。

 九衛門、よっぽど己の作戦に自信があったのだろう。去り際はどこかコミカルだ。

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