南スペインの旅⑦~違っているから面白い コルドバのメスキータ
さあ旅の連載も、南スペインでとっても印象的だった
「Córdoba(コルドバ)」を紹介して終わりにしたいと思います。
ここ コルドバには、スペインに現存する唯一の
巨大モスク(Mezquita メスキータ) があります。
約1500年の歴史を持つこのメスキータは、785年に建設が始まりました。
きっかけは711年に7000人ものイスラム軍がアフリカからコルドバに侵入し、イスラム教が布教したことによります。
この頃、巨大な建物の天井を支える技術がなかったので1000本以上もの柱で天井を支えていました。
その数と言ったら相当です。
柱や台座部分はローマ時代の神殿やキリスト教の教会から再利用したのでサイズがバラバラ。それをカバーするために二重のアーチになっていて、古代ローマの水道橋のデザインを参考にしたともいわれています。
一度見たら忘れることのない独特な赤と白のデザインの世界に引き込まれます。
すーーーーーーーーーーーーーーっ.......
さて、モスクには欠かせない重要な場所があります。
それが、「ミフラーブ」です。
「ミフラーブ」とは、メッカの方向(キブラ)を示す場所であり、
ここの位置がメッカへと向いているのです。
なんとも、不思議。。
全世界のイスラム教徒は1日5回このメッカの方向に向かって礼拝をします。
10世紀末には 2万5千人もの人が先ほどのアーチのある広場から一度に礼拝してたというから、想像しただけで相当な迫力を感じます。
四角い枠の中には、コーランの一説が書かれており、天井は・・・というとご覧の通り。
このミフラーブの前で礼拝を先導する人の声が後ろまで響き渡るようにと設計されているそうです。
昔の人の技術ってすごいですね。。
さて、時代は移り変わり 1236年 キリスト教国になったコルドバ。
16世紀、メスキータを取り壊して大聖堂を建立するという計画が持ち上がり元々あった柱は850本まで減らされ、そこに教会が増設されました。
このすばらしき歴史的、芸術的価値のあるメスキータがすべて取り壊されることがなかったのが不幸中の幸いで、
よって
「モスクの中にあるキリスト教会」
として、独特な建造物となりました。
いかがでしたか?
南スペインの旅について、ジュエリーの歴史について、まだまだ話したりないことは沢山ありますが、連載はここまで。
旅をすると、その土地の文化に、宗教に、それに関連する物事の成り立ちに興味が湧いてきます。
ぜひ空いた時間を見つけて色んな所を旅してみてください。
それではまた!アディオース!
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