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グローバルな水産の潮流を追って:新年アメリカ出張記
みなさんこんにちは。
シーフードレガシー創立者CEOの花岡和佳男です。
海洋系CSO*にとって2025年はイベントの年ですね。私もこれまで以上に国内外を飛び回る一年になりそうです。たくさんの皆様とお会いしてビジョンを共有し、インスパイアし合えることを楽しみにしています。
早速、アメリカ西海岸に出張してきました。2週間の出張期間中、今回も収穫がたくさんありましたよ。今朝、午前3時半頃に羽田着の便で帰ってきました。
*Civil Society Organization(市民社会組織)の略
大日本水産会の新年賀詞交換会
まずは出張前、東京で大日本水産会の新年賀詞交換会に初めてご招待いただき、日本の水産システムの中枢でご活躍される皆様に、ご挨拶をさせていただきました。錚々たる重鎮の皆様が一堂に会する、すごい会でした。
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大変有難いことに、このような場にご招待いただく機会が、徐々に増えてきました。その度に、まだ濃淡や時間軸やアプローチに違いこそあれ、同じ方向を向いてきていらっしゃるキーステークホルダーが増えていることに、未来への希望を感じます。
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モントレーベイ水族館で初心に帰る
今年最初の海外訪問先はカリフォルニアのモントレーベイ水族館。ここは、私が10年ちょっと前に前組織からの独立と新組織の創立を決めた場所であり、私にとっての世界最強のパワースポットです。
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シーフードレガシーは今年7月7日に創立10周年を迎えますが、その節目の年始にこの場所で初心に帰り、自信と抱負で心を満たすことができる運命に、表現し難い想いが込み上げてきました。
今回も大いに背中を押してくれました!
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欧米日CSO合同戦略会議
その足で同じくカリフォルニア州のパロアルトに移動し、水産サプライチェーンにおける労働者の人権侵害とIUU漁業の撲滅に取り組む欧・米・日のCSO*が集う合同戦略会議に、IUUフォーラム・ジャパンの一員として参加しました。
また、複数のパートナー組織と、シーフードレガシーの2030年アジア展開戦略について、連携の話をしてきました。
やがて国際潮流となる最初の一かき、このダイナミズムは間違いなくこの仕事の醍醐味の一つです。こういうところでの議論から、TSSS2025のプログラムのイメージも、少しずつ固まってきます。
*Civil Society Organization(市民社会組織)の略
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最終日、サンフランシスコで自動運転タクシー、Waymoをトライ。最初は少し不安でしたが、私の運転よりよっぽど安定していて、安心して乗っていられました。「未来ってきっと良い世界なんだろうな」と漠然とでも思わせてくれた、胸踊る体験でした。
水産業はいま、監視、報告、トレサ等あらゆる面でDXが急がれていますが、それを遅らせるよう動くステークホルダーも日本にはまだ一定数いらっしゃいます。未来への歩で取り残されることが不安な方こそ、ぜひ一度Waymoに乗ってみると良いと思います。乗り方は簡単。考え方がきっと変わりますよ。
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SFI GSMCの分科会で登壇
さらにその足でスプリングデザートに移動し、NFI(National Fisheries Institute・全米水産協会)が主催するGSMC(Global Seafood Market Conference)に、ご招待を受けて初めて参加しました。参加者約500人、参加費約1,500ドル……この組織とイベントの力の大きさです。
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開幕日は偶然にも、トランプ大統領就任式の日。国内で消費される水産物の8割強を輸入に依存する米国の水産業界にとって、現在の最大の関心ごとはまさに、第二次トランプ政権による関税の大幅引き上げとその影響です。
また、2026年1月から施行が始まるFSMA(トレサの電子化を含む食品安全強化法)についても、「海外の輸出側企業がふるいにかけられる」「対応できないところは淘汰されていく」と会場のあちこちで話題になっていました。
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私は日本から水産物を米国に輸入する企業が名を連ねる「Sushi Council」という分科会から、ゲストスピーカーとしてお招きいただきました。皆様に話を伺うと、認証を取得した日本産の水産物はひと通り抑えた上で、「コンテナを埋められない、全然足らない」と口を揃えます。日本としては依然としてチャンスロスを続けているのが実態のようです。
それにしても、「アメリカ全体、どのスーパーマーケットでも365日当たり前に売られているSushiは今や、ある意味メキシカンよりもチャイニーズよりもアメリカンだ」の言葉は衝撃的でした。
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一人での参加は最初は心細さもありましたが、ホールを歩くと懐かしい再会がたくさんありました。結局、毎食誰かが声をかけてくれて、いろんな人を紹介してくれて、アウェー感を覚えることが全くなかった有意義な数日間でした。
CASS運営理事に就任
今回のアメリカ出張の最後の仕事は、水産関連のCSOと企業が協働するグローバルプラットフォーム CASS(Conservation Alliance for Seafood Solutions)事務局とのオンライン会議でした。この度、僭越ながら私、CASSの運営理事に就任する運びとなりました。
シーフードレガシーが米国以外を拠点とする初の組織としてCASSのメンバーになったのは2017年のこと。当時、私達が日本でマーケットトランスフォーメーションやポリシーシフトを加速させていくその裏で、CASSメンバーは米国での成功経験や各種ツールや国際情報を私達に惜しみなく共有してくれました。
また最近では、ツール作成への貢献やTSSSへの参加などでも、交流を深めていました。
そんな育ての親とも言えるCASSの運営理事に選任され、光栄に思います。アジア展開の成果を持って、親孝行や恩返しをしたい気持ちです。
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