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TSSS直後から年末までのエネルギー充電期間

皆さん、こんにちは。
シーフードレガシー創立者CEOの花岡和佳男です。

東京サステナブルシーフード・サミット(TSSS)の10回目の節目開催について記した前回のポストから、随分と時間が経ってしまいました。

毎年TSSSの後は、自分でも驚くほど、体は深海に沈み脳は天空に舞って、なかなか戻ってこない時があります。完全燃焼した炭のような状態。

そこから、皆様からTSSSの反響をいただきながら、徐々にまた心に炎がくべられていく……毎年10月から12月はそんな感じです。

ということで今回のポストでは、昨年のTSSSから年末までを振り返りました。たくさんの皆様に炎をくべていただいていることに感謝します!


スコットランドでイベント登壇

TSSS2024直後、シーフードレガシーの仲間達が中国やメキシコに飛ぶ中、私は人生で初めてスコットランドの地に立ちました。

エディンバラの街を歩いていると、2024年はじめにメキシコシティを訪れた際のイベント主催者である、メキシコ・コメペスカのチトラリ・ゴメス・レペと遭遇!こういう偶然、嬉しいですよね。

スコットランド訪問の目的は、GSA(Global Seafood Alliance)が主催するResponsible Seafood Summitというイベントで、魚食文化や水産業界の地域ごとの特徴についてのセッションで登壇すること。TSSSの10年史にも紐付けながら楽しくトークできました。

事前に準備されたシナリオがなくて、登壇者間の自然なディスカッションにオーディエンスも積極的に参加してきます。壇上にいてテンションが上がるし、TSSSにももっと取り入れたいスタイル。

イベント終了後は今度はスコッチ好きの血が騒ぎ、スペイサイド*にある蒸留所を巡り、雨と地と時の恵を堪能してきました。「雨が降ってきたね」「3年後にいいウイスキーになるさ」ってかっこいい会話!

*ウイスキーの蒸溜所が50以上集まるスペイ川沿いの呼称。ウイスキーの聖地とも言われる

酉の市で神頼み

帰国してすぐに、家族や職場の有志と毎年恒例の酉の市に行って来ました。開運や商売繁盛を祝うお祭りですが、海に関わる全ての人が笑顔に包まれる社会の実現を願い、そのための精進を続けることを誓い、今年も威勢の良い手締めと共に縁起熊手をいただきました。よく「意外だ」と言われますが、神頼みというか、自分に「できる!」と信じ込ませるこういうノリ、大好きです。

セイラーズ フォー ザ シーによる、ブルーシーフードガイド*・チャリティレセプション

セイラーズ フォー ザ シーさんのチャリティーレセプションに今年も参加させていただきました。ブルガリホテル東京で、アメリカのドラマのようなオシャレな盛り上がり!その中心の井植美奈子さん*、光り輝いていますね!

*セイラーズ フォー ザ シー 日本支局理事長

シーフードレガシーのキャパシティ・ビルディング

1ヶ月ぶりにシーフードレガシー全員集合。この日は年内最後の社内キャパビルで、テーマはバックキャスティングでした。今のシーフードレガシーは、TSSS2024での緻密な共同作業と目標達成体験の共有を経て、強みを磨き合い弱みを補い合う良いチーム。ホント頼もしい!夕方からは打ち上げ&二次会。

対馬でリーダー訪問

小規模沿岸漁業における自主的な資源管理システムの理想モデルを描きたくて、対馬の銭本さんを訪れました。久々の再会です。ビジョンや課題意識や解決策としての革新的なビジネスモデルを伺い、漁業体験もさせていただきました。デザイン力と実行力。それと周囲を巻き込む力も。エネルギー溢れるご活動を目の当たりにして、また新たにインスパイアされました。

2024年は、他にも幾つかの生産現場を視察する機会に恵まれました。TSSS2024でも公言しましたが、シーフードレガシーがセオリーオブチェンジに描くマーケットトランスフォーメーションやポリシーシフトの先にあるのは、津々浦々の水産地域に後継希望者が列をなす活気に満ちた社会。

生産現場からしばらく遠ざかってしまっていましたが、優しくまた引き入れ迎え入れてくださった皆さんに感謝し、気持ちを新たにした1年でした。

シーフードレガシータイムズ新春対談

国際労働機関(ILO)でプログラムオフィサーを務める田中竜介さんと、日本の水産業界における人権課題の現状と展望について、対談しました*。

「透明性を高めることが企業価値につながる」「透明性が低い企業はやましいことがあると捉えられる」ってその通りだと思うし、
「私達が貧困を終わらせる最初の世代、地球を救える最後の世代」の言葉は刺さりました。

【2025年新春対談】 ILOと考える人権課題:企業だからこそできる サプライチェーンへのアプローチ(前編はこちら)(後編はこちら

シーフードレガシー年末リトリート

年末リトリートとは、スタッフ全員で缶詰状態となり、その年の活動や事業の成果を振り返り、次の年の計画を作り上げる、シーフードレガシー恒例の年末行事です。

日本の水産業界とグローバルシステムとの接点を増やすことが重要と考え、コアメンバーのバードビューを養うべく、毎年海外で開催しています。
今年の開催地はバンコク。

東南アジア地域で小規模沿岸漁業の管理に取り組むSEAFDECとの情報交換

シーフードレガシーの2030年に向けたアジア展開の輪郭も徐々に明確になってきました。アカウンタビリティーやトランスペアレンシーを軸に、二つの歯車を回す構想です。

一つは、これまで日本で進めてきたマーケットトランスフォーメーションを、アジアの主要振興水産市場に展開するというもの。

朝一の漁港にて。

そしてもう一つは、国内外のサステナブルシーフード市場のバイイングパワーを、日本産水産物のサステナビリティおよびエクイティ向上のインセンティブとするというものです。

現地では戦略会議だけでなく、労働者の人権侵害問題に取り組むOxfamやDIWA(Dignity in Work‭ for All)、東南アジア地域で小規模沿岸漁業の管理に取り組むSEAFDEC、サステナブルシーフードにおける世界のリーディング企業と評されるタイ・ユニオン社などと、充実した現地視察や意見交換もさせていただきました。
また、ASCジャパンの山本さんと松井さんにも現地で大変お世話になりました!

モチベーションの泉

バンコクでスタッフのみんなと合流する前の週、プライベートの時間をいただき、シミラン諸島で2年ぶりのダイビングをして来ました。

世界中から集まったダイビング好きと潜食住を共にし、海の豊かさと共にありたい気持ちや、そのために活動するモチベーションで、心をヒタヒタに浸してきました。

多様な生物が相互関係を持って生き生きと生きる海の中で、人間は道具を使わないと息もできず、意思疎通もほぼできず、動くことすらままならない、極めて小さくて未熟な存在です。

そんな大きな自然のシステムの小さな一部として生かされていることを感じることで、地球上に存在する自分の座り心地が少し良くなる気がします。

TSSS直後から年末を振り返ると……

こうやって振り返ると、バーンアウトしている暇がないくらい、皆様からたくさんのインスピレーションやモチベーションをいただいていますね!幸せに思います。皆様ありがとうございます!!


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