北米獣医師、資格取得への道 #15 CPE Day3: anesthesia & surgery
3日目は、みんなが特に心配してるanesthesia と避妊手術の日。
勉強する事は限られているけど、麻酔はけっこう落とされる人がいるので、みんな緊張してた。
テストの形態としては午前中surgeryの人は午後麻酔をするっていう2つのグループ総入れ替え的な感じです。
私は午前がsurgery, 午後が麻酔でした。
surgeryは5-25kgの未避妊の犬の避妊手術をします。時間制限はあるけど、普段手術をしてる人からしたら余裕の時間。ただ、毛刈りからprepまで全部自分でやって、そのあとscrub in (手洗い)して、surgeryの器具やテーブルをセットアップして、滅菌手技に気をつけながらガウン着てってやってると余裕で最初の30-40分は過ぎていく。しかも滅菌操作がかなり細かいうえに、周りにたくさん人がいるからだいぶ厄介。
あと、もしどこかを触ってしまったりして、それを自分で気づかず試験官やvet techに指摘されると最終的にはキックアウトされるというペナルティ付きです。
私はそこはとりあえずクリアして、無事手術を始めるところまで漕ぎつけ、手を震わせながら避妊手術開始。お腹開けて卵巣取り出してみると発情中のためか、卵巣が5倍くらいに腫れていて、しかも浮腫でプルンプルン。ちなみに25kgの胸の深い犬で、ついてないなって思いながらも右の卵巣、左の卵巣、子宮体と順番に縛って切っていって、さぁもう終わるかなって思い、最終の出血確認をしたところ…of course... どこからか出血してる。最初、子宮体のround ligamentかなって思ったけど違って結局は左の卵巣のところからの出血。何とか止めようとするんだけど、1人でやっていると、どうしても結紮がキツくできなくて、何度も繰り返したけど出血は止まらず。
そこで、もしかしたらと思い、”do i have an option to have an assistant to hold the pedicle?” とリクエストしてみたところ、なんと1人助手をつけてもらえた。
こんな事ってあるんだね。多分、試験官が私がやってる事見ていて “she knows what she’s doing” って思ったからつけてもらえたんだと思う。案の定、助手がついた途端、結紮しっかりできて出血は治りました。でもこの時点で制限時間まであと10分。まだ腹壁も閉じてないし、切開は出血してたから大きめだし、という事で時間に間に合わず、surgeryは失格、受け直さないといけない事になりました😢
悲しい…けど、見てた試験官が “well done control bleeding”って最後に言ってくれたし、時間ないって思っても諦めなかったから、これは Winと思う事にしています。
少なくともsurgeryは何も勉強しなくてもすむし。もうね、とにかく勉強したくないのよ。
あとは日本では小型犬の避妊がほとんどだったから、大型犬の避妊はやっぱり弱いなって実感しました。
でも悲しくて、待合室に戻った時に泣いていて、他のcandidatesがいっぱい慰めてくれた。
まぁ、こんな事があっても次の科目に影響させられないって思い気持ちを立て直し、午後の麻酔に挑みました。
私の犬は9.6kgの小型犬で、麻酔のテストはまず問診、身体検査から始まり、麻酔前投与薬を注射。それが効くのを待っている間、麻酔の機械の準備をして、それを試験官に説明。気管挿管の準備ができたら担当のvet techに犬を連れてきてもらい静脈留置を設置、そしていよいよ麻酔導入からの気管挿管です。このセクションで厄介なのは導入薬投与の開始から、挿管、酸素開始、気管チューブのhiss test, そして吸入麻酔の開始まで5分っていうタイムリミットがある事。ここでかなり落とされる人がいるようです。
ここは何とか乗り越えて、あとはsurgeryのcandidtateを呼ぶだけという時点で時間制限残り3分でした。(問診からここの時点まで100分あるんだけど、しっかりいろんな事ダブルチェックしながらやってると意外に100分なんてあっという間だった…)
この後、surgeryの人が犬のprepを終えて、手術室に運びモニターリンクの機械に繋いで、さぁ、後はモニターするだけ!って思ったのは束の間…
私、ほんとにこの日はついてなかった…
徐脈、血圧低下。とりあえず、点滴の速度を上げてそれからglycopyrrolate (心拍数をあげる薬) を入れたいけど、試験官に言わないといけないのかなと思って試験官を見たところ、ちょうど私の担当のvet techがこの状況を報告しに行ってるのが見えて、私も慌てて確認しに行った。(ここで相手が先に来ちゃっていたら、状況に対応してないという事で退場になってたかもしれない😱)
と、いう事で試験官が私のところに来て、どうするつもり?って聞くから吸入麻酔はもう下げて、点滴の流量は増やしたから、あとはGlycoを入れようと思ってるという事を伝え、半量を静注。血圧は戻ってきたけど、今度は2nd degree 心ブロック。普段、手術してたってこういう事ってそんなにないのに、何で今日⁉️もう私、終わったと思いながら、試験官の前で残りのglycoも入れ、何とか犬の状態を落ち着かせるところまで持っていった。
その後も少し吸入麻酔の量を上げると、余裕で心拍数が70-80まで下がるからiso の量はずっと1.0 - 1.25の間。ちなみに犬が目が覚めても退場になってしまうので、3時間の麻酔の制限時間が終わるまで、生きた心地がしませんでした。ほんとについてない。
何とか “私” が麻酔を生き延びて、試験官が外に連れていってくれた時に “good job managing the anesthesia. It was nice to see a person who knows what she’s doing”というありがたいお言葉をいただいたので、ホッとしました。試験官はanesthesiologistだから、こう言ってもらえて落ちる事はないかな…と期待しつつも、最初の準備の段階でいくつか細かいところのチェックポイントを抜かしてしまったので、それが若干心配です。
もう絶対にanesthesiaのリテイクしたくない!!!!!!!地獄の3時間だった。
そんな感じで悪夢の3日目が終わり、あと残り1日。もう疲れ果てて帰ってからは、ほとんど勉強が出来ませんでした。
世の中にこんな辛い数日に渡る試験、いくつくらいあるんだろう。
ちなみに最終日はradiologyとnecropsyという献立となります💀💀💀