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マルケサス諸島Nuku Hiva島に行った
2021年9月に、フランス領ポリネシア マルケサス諸島Nuku Hiva島に行きました。
滞在はたったの3泊で、メインの集落を徒歩で回っただけでしたが、楽しかったのでご紹介したいと思います。
まず、Nuku Hiva島の場所から。
日本からの直行便が就航しているタヒチ島から、北東へ1,400kmほどの場所にあります。タヒチ島とNuku Hiva島を結ぶ国内線が毎日運行されており、3時間少々で行くことができます。
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座席指定が無く、乗った順に座る。
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空港から集落までの道
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写真では伝わらないのですが、断崖絶壁でアップダウンがものすごい道でした。数年前までは舗装もされていなかったそうです。
宿の人に送迎を頼んでおいたほうがよいです。それか、空港から集落までヘリコプターで行くこともできます。
Taiohae
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集落の背後に見える山の向こうに空港があるのです…。
集落の中心にはすごく綺麗な教会があります。
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ほんの少し開いていたドアからこっそり覗いていたら、掃除をしていた方がドアを開けて招き入れてくれました。
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こぼれ話:フレンチポリネシアの島々と信仰
マンガレバ島やヌクヒバ島、ヒバオア島、ライババエ島、ラパ島を訪れたことがありますが、どこも遠隔地でありながらも立派な教会が集落の中心にあり、人々の信心深さを感じます。
いつもお世話になっているヨットのオーナーは、タヒチ島を拠点に活動しており、フレンチポリネシア各地に友人がいます。そんなオーナーは、人々の信心深さゆえの危うさや、土着の宗教が失われたことを嘆いていました。
宗教に関することはデリケートな話題ですし、信仰の自由がありますので、あまりここで言及することはありませんが、多様な信仰が失われ均一化されてしまったのだなとは思います。いっぽうで、かつての信仰も文化の中に息づいていて、復興されたタトゥーやカヌーを大切にしている方々、集落内に残っているティキやマラエと呼ばれる像や遺跡を見ていると、いろいろなものが混ざり合いながら進んでいく、強かさのようなものを感じます。
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太平洋各地から集められたティキが置かれている
Taiohaeでの過ごし方
今回は一人でしたし、ヨットに乗船して海鳥調査へ行く前で体力温存する必要があったので、車やツアーの手配はせずに、徒歩圏内でバードウォッチングをしたり、街をぶらぶらしたりしました。それほど観光地化された場所ではないので、ゆったりとした時間を過ごすことができました。
黒い丸砂利でできた海岸線。波で砂利が転がる音が心地よくて、時間を見つけては海岸に座ってこの音を聞いていました。
集落には小さな商店が二つほどありました。タヒチ島より物価は高めで、飲み物やお菓子、冷凍食材、雑貨など必要最低限の物を買えるといった感じです。
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ど逆光の写真しかない…なぜ。
船着き場のそばに小さな市場があり、野菜や魚はそこで購入するようです。外食は、レストランが一軒と、船着き場に食堂が二軒くらいあるので、そちらを利用することになると思います。
レストランは本格的なピザを提供しているようで、美味しそうでした。食堂は地元の方でいつも賑わっていました。
今回は朝食と夕食は宿にお願いし、昼間は鳥を探しつつスナックをつまんだ程度だったので、残念ながら外食はしませんでした。
宿
Chez Melというところに宿泊しました。
元々はNuku Hiva島滞在後にヨットに同乗する方々と同じ宿を、宿泊予約サイト経由で予約していたのですが、予約後数日してから宿側から一方的にキャンセルされてしまうというトラブルがありました。
予約サイトを通じて問い合わせてもらったのですが、理由はよく分からないが予約を受け付けられないということになってしまいました。
(理由がよく分からなかったのは、英語と仏語でコミュニケーションが上手く取れていなかったのかも?同乗する方々が予約した後に私が予約したので、受け入れられる人数をオーバーしていたか、大人数を受け入れるのがめんどくさくなったのかな~と想像しています。)
そんなゴタゴタを経て、予約サイト経由での予約が信用できなくなってしまった私は、公式サイトで予約を受け付けているという理由でこちらの宿に決めました。
宿の方は仏語しか使いませんが、そこは翻訳アプリでなんとか乗りきりました。
(本当は少しくらい勉強していった方が絶対に面白いし印象もいいとは分かっているんですが、なかなか…。自己紹介とボンジュール、サバ?、セボンの4フレーズ使えただけでしたが、それだけでもほんのちょっとは距離が縮まった気がしました。)
Wi-Fi完備で、シャワーも問題なく使え、部屋も広くて快適な宿でした。
食事は、フルーツ中心の朝食、魚中心の夕食、どちらもすごく美味しかったです!
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一人で宿泊な上、この宿の宿泊者自体私一人だったので、誰ともこの美味しさを共有できないのが少し悲しかったです。
もしNuku Hiva島に行かれる方がいたら、ペンションChez Melさんお勧めです!
バードウォッチングへ行く
徒歩で行ける範囲で鳥も見ました。
Northern Marquesan Reed Warbler (Acrocephalus percernis)
キタマルケサスヨシキリ
ポリネシアには(諸)島ごとに固有のヨシキリがおり、本種はマルケサス諸島北部のEiao島、Ua Huka島、そしてNuku Hiva島でのみ見ることができます。
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庭や公園、道端の茂みで普通に見られ、警戒心が薄いので比較的近くで観察することができました。
Marquesan Swiftlet (Aerodramus ocistus)
マルケサスアナツバメ
マルケサス諸島固有のアナツバメです。川沿いや海岸沿いの林縁を飛び回っているのをよく見かけました。私はカメラが下手くそなので、小さくて速いアナツバメの撮影は難しかったです。コロニーを見に行くツアーもあるようです。
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White-capped Fruit-Dove (Ptilinopus dupetithouarsii)
シロボウシヒメアオバト
ヨシキリと同じようにポリネシアには(諸)島ごとに固有のヒメアオバトがおり、こちらはマルケサス諸島でのみ見られます。マルケサス諸島北部のものと南部のものでは色が異なっており、Nuku Hiva島では北部のタイプを見ることができました。
ヨシキリよりは見かける頻度は少なく、飛び去る姿ばかりであまりよく観察できませんでした(残念)。
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↓はTahuata島で撮影した南部のタイプ。南部のタイプは頭部から胸部が黄緑っぽいとのことです。
Wandering Tattler (Tringa incana)
メリケンキアシシギ
海沿いでカニを採っていました。ポリネシアはじめ太平洋の島々には越冬にきています。
(Little) White Tern (Gygis alba microrhyncha)
シロアジサシ
マルケサス諸島に生息するシロアジサシは嘴が細く全体に黒い、初列風切羽根の羽軸が黒くない、尾羽の切れ込みが浅く寸詰まりに見えるといった形態的な特徴があり、別亜種として扱われています。確かに見た目がタヒチ島やハワイなどで見たものとは異なり、非常に面白いと思いました。
集落内の大木で繁殖しており、複数羽がフワフワと飛び交っていたり、子育てをしている様子も観察できました。
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Lesser Frigatebird (Fregata ariel)
Great Frigatebird (Fregata minor)
コグンカンドリ
オオグンカンドリ
外洋から島へ餌の小魚を運ぶシロアジサシから横取りしたり、市場の上空でおこぼれを狙っていたりしたほか、干潮時には湾内で自ら小魚を捕らえる様子も観察できました。
成鳥雄、成鳥雌、若鳥と色々な個体が入れ替わり現れ、様々な羽衣が見られるので、ずっと眺めていても飽きませんでした。夜間は集落の背後にある山にねぐらをとっているようで、夕方に山の上空を飛ぶ多数のグンカンドリを見ることもできました。
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さらばNuku Hiva島!
ゆったりした時間が流れ、荒々しい雄大な自然に囲まれたNuku Hiva島、いかがでしたでしょうか。
Air Tahitiでは複数の島にお得に行けるMulti-islands Passが発売されていますので、ぜひNuku Hiva島をはじめマルケサスの島々を訪れてみてはいかがでしょうか?
さて、あっという間に3日間が過ぎ、ヨットに乗り込み2週間の海鳥調査に出発です!いってきまーす!!
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