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2024年の海鳥振り返り

気がつけば10月も終わり…、
え、カレンダーあと2枚で終わりなんですか?
え…???

…2024年に見た海鳥を振り返りたいと思います。

1月~2月

マダラウミスズメ
ウミバト

西遊旅行さんとタイアップしてのツアーに加え、個人的にも船をチャーターし、例年以上の頻度で仙台湾の海鳥調査を行うことができました。
関係者の皆様には厚く御礼申し上げます。
マダラウミスズメは例年以上に数が多く、最大6羽とかの群れを見つけた時にはシビレました。
ウミバトは仙台湾ではかなり珍しく、超ラッキーでした!

マダラウミスズメ5羽(2024/2/24)
マダラウミスズメ(2024/2/18)
ウミバト(2024/1/20)

3月

オガサワラヒメミズナギドリ

毎年恒例となってきた、オガサワラヒメミズナギドリ繁殖期洋上調査で、約二週間、小笠原諸島父島に滞在しました。
今年は6日間チャーター船を出すことができ、ついにオガヒメの繁殖地である東島の沖でオガヒメを確認することができました!!
しかし、もっとたくさん観察したい。近距離で観察したい。まだまだ挑戦は続きます。
こちらの調査は、クラウドファンディング「海鳥の分布を調べ、保全に活かしたい!」で一部ご支援を頂いたものです。本当にありがとうございました。改めまして、厚く御礼申し上げます。
また、調査に参加してくださる凄腕バードウォッチャーの皆様、船長さん、乗組員さん、家族…たくさんの方々の協力で成り立っている調査です。みなさま、いつも本当にありがとうございます。

オガサワラヒメミズナギドリ(2024/3/11)
オガサワラミズナギドリ(2024/3/16)
アホウドリ(2024/3/12)
オガサワラヒメミズナギドリの繁殖地 東島(2024/3/12)

3月〜4月

大西洋の海鳥

アルゼンチンの南端ウシュアイアから、赤道を北へ少し越えた先にあるカーボベルデまで、30日間の船旅に参加して大西洋の海鳥を満喫しました。
私の大好きな、キタオオフルマカモメ、ミナミオオフルマカモメはもちろんのこと、憧れのススイロアホウドリやメガネミズナギドリ、ケルゲレンミズナギドリを見ることができ、大大大満足の旅でした。腹の白いクロハラウミツバメと、シロハラウミツバメを見比べられたのもよかったですね。
大西洋のクロコシジロウミツバメをたくさん見ることができたのも、大きな収穫でした。

キタオオフルマカモメ Northern Giant Petrel(2024/3/31)
ミナミオオフルマカモメ Southern Giant Petrel(2024/3/29)
ススイロアホウドリ Sooty Albatross(2024/4/7)
メガネミズナギドリ Spectacled Petrel(2024/4/7)
ケルゲレンミズナギドリ Kerguelen Petrel(2024/3/31)
腹が白いクロハラウミツバメ
Black-bellied Storm Petrel 亜種F. t. melanoleuca(2024/4/10)
シロハラウミツバメ
White-bellied Storm Petrel 亜種F. g. leucogaster(2024/4/7)
セントヘレナ島のクロコシジロウミツバメ
St. Helena Storm Petrel(2024/4/19)

5月

セグロシロハラミズナギドリ

フィジーミズナギドリは、フィジーのガウ島で繁殖すると推定されていますが、ほとんど調査が行われていません。洋上での観察事例はかなり少ないのですが、近年益々観察事例が減少しており、絶滅がかなり心配されている種です。
私たちは2年前にフィジーを訪れ、一週間船をチャーターし、フィジーミズナギドリを一羽だけ観察することができました。しかし、その時は鳥までの距離がかなり遠く、日没頃で光線状況も悪く、いつか絶対にもう一度見たい!!と思っていたのでした。
そして今回の再チャレンジとなったわけですが、結論から言うと、フィジーミズナギドリを見ることはできませんでした。海況が悪く、目的の海域に行くことができなかったのが敗因かもしれません。カタマランという双胴のヨットに乗って行ったのですが、荒れた海だと胴の間に波が当たって、めちゃくちゃうるさいし揺れるしほとんど寝られないということが学べました笑
セグロシロハラミズナギドリは、かなりたくさん観察することができました。フィジー沖では、体が大きいタイプと小さいタイプが観察されていて、今後の研究の進展が楽しみです。

セグロシロハラミズナギドリ(左)と北半球へ渡る途中のハイイロミズナギドリ(右)
Tahiti Petrel, Sooty Shearwater(2024/5/12)
セグロシロハラミズナギドリ Tahiti Petrel(2024/5/13)

6月

一生懸命働いたのと、手術療養。

病院からみた夕焼け

6月後半〜7月

オオミズナギドリ、オナガミズナギドリ、ヒメクロウミツバメ

トカラ列島で繁殖するオオミズナギドリが近くで見たくて、上ノ根島や小宝小島付近を訪れました!!トカラ遠征を受けてくださる釣り船を1年前から予約し、どきどきわくわくしつつ待っていました。二泊三日船!!日本で船上泊はなかなかできる機会がないですよね。めちゃくちゃ楽しかった…!!!
オナガミズナギドリとヒメクロウミツバメも最高でした。
天気が心配でしたが、なんとか目的を果たせてよかった…。(まあまあ波はあって船はまあまあ揺れたが…)

オオミズナギドリ(2024/6/30)
オナガミズナギドリ暗色型(中央)とオオミズナギドリ(2024/6/29)
ヒメクロウミツバメ(2024/6/30)
繁殖地(上ノ根島)に夕方集結するオオミズナギドリ(2024/6/29)
上ノ根島(2024/6/29)
小宝小島(2024/6/30)
船上焼肉~!!!

7月~8月

ヒメクロウミツバメ

毎年行っている、ウミツバメを探す試み…。今年も仕事の合間を縫って頑張りました。
京都府沖のヒメクロウミツバメが例年よりよい条件で観察できて、最高でした。くそ暑かったけど。ヒメクロの繁殖地である沓島に近づいて眺めることもできて、最高でした。船上で熱中症になりかけたけど。
それ以外は、一生懸命働きました。

ヒメクロウミツバメ(2024/8/4)
群れで休むヒメクロウミツバメ(2024/8/3)
沓島(2024/8/4)

9月

鳥学会に参加!オオミズナギドリの形態の地域差を検討したポスター発表に挑戦しました。
それ以外は、一生懸命働きました。

ポスター完成間に合ってよかった~!

10月

アカアシカツオドリ、カワリシロハラミズナギドリ

硫黄島3島クルーズに参加しました。私は7年ぶり2回目、配偶者は7年ぶりたぶん8回目、とのことでした。何回でも行きたくなる、それが硫黄島クルーズ。
この7年間で海外で海鳥を見る機会に恵まれ、硫黄島クルーズで見られる海鳥(カツオドリ、ネッタイチョウ、アジサシ類)は海外でもっと簡単によい条件で見れるし…とすれた思いを持っていたのですが、北硫黄島・硫黄島・南硫黄島を見る、その島々を背景に海鳥を見る、このスペシャル感は他では味わえませんね。
カワリシロハラミズナギドリは父島発東京行きのおがさわら丸二日目に出現。なんかこの、八丈島南側の海域で見ることが多い種類な気がしますね。2個体は翼上面初列風切の白い羽軸が見えなくて、え…?ヘラルド…?みたいな個体でした。検討中です。

南硫黄島のアカアシカツオドリのコロニー(2024/10/20)
アカアシカツオドリ 黒尾白色型(左)と白色型(右)(2024/10/20)
アカオネッタイチョウ(2024/10/20)
シロアジサシ(2024/10/20)
朝焼けの南硫黄島(2024/10/20)
カワリシロハラミズナギドリ(2024/10/23)

11月〜12月

死ぬ気で働きます!!!

今年も振り返ってみれば、たくさん海鳥が見られたような気がします。
金銭的・休み的に厳しくて諦めた航海や、天候海況不良で思ったように海鳥を見に出かけられないこともありましたが、できる範囲でよく頑張ったと、自分たちを少しは褒めたいような気もします。
海鳥の観察は一人ではできない(できないことはないけど可能性は狭まる)なあと実感する日々です。船を出してくださる船長さん、一緒に船に乗ってくださり、鳥を見つけてくれたり識別論議してくださる仲間の皆さん、東京滞在時にいつも快く迎えてくださる義実家の家族たち、本当にいつもありがとうございます。

来年はまた新たな出会いもたくさんあることでしょう。
とりあえず、2025年は、小笠原とオーストラリアと台湾とインド洋行きを予定しています!
海鳥を求める旅は、まだまだ終わりません🤟!

フィジー ガウ島沖の夕焼け(2024/5/12)

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