【絶景】キルギス🇰🇬のソンクル湖でゲルに泊まった話・後編
前日はあいにくのお天気での滞在でしたが、この日は気持ちがいいくらいの青空。
馬に乗って次の宿泊先に向かいます。
(次の乗馬の記事でまた詳しく書きますね、この間にドライバーさんが荷物を乗せて次のゲルに届けてくれてました、甘やかされてる笑)
ドライバーさんの車が見えてきました。
いやはや、この景色ですよ…圧巻です。
大自然の中に、車がぽつんと異質なような、はたまた映えるような、どちらとつかずな不思議な気持ちになります。
本日泊まるのはこちらのゲル。
まだ寒く本格的な遊牧シーズンに入っていないため、組み立て中のゲルを見ることもできました。
お散歩ですぐそこの湖畔まで、地面がでこぼこしているのは長い長い時間をかけて家畜が踏み慣らした跡だそうです。
ああ、なんて綺麗なんでしょう。あまりの美しさに、自分がここにいることが信じられなくなります。
日本人の方にも会えてほっこり、まさかソンクルで日本人にお会いできるなんて。
再びゲルに戻ろうとすると荷物を引いたロバが。
別のロバもやってきました。仕事を終えたロバは逃げないように前足同士をくくられていることが多いです。かわいそう、と安直に思ってしまうのは私たち日本人の感覚なのでしょう。
私たちが、かわいい!と声を上げそうな生き物たちは全て家畜として、遊牧民たちと共に生きています。
チャボたちも檻なんてありません。しかし夜になると自分たちが目が見えないのは分かってるので暗くなる前に家に帰ってくるそうです。
あれ…?チャボ?コーチン?
奥にちょこんと写ってるのはトイレ。トイレはないかと思ってたので少し驚きましたが、ここが観光用ゲルだからでしょうか。
トイレもそうですが、ゴミ問題など、ゲルの観光化は課題もまだまだ多そうです。この美しさを知ってもらいたいけれど、多くの人に来て欲しいというわけではない、とキルギスのガイドさんも語っていました。
ぼーっと座っていたら、ゲルに向かう時、一緒に騎馬トレッキングをした犬が遊びにきました。思わず撫で回してしまいましたが、こちらでは犬は番犬、猟犬。愛玩動物ではありません。触るといい顔をされません。
その国に入ればその国のルールに従うべきだし、うっかり可愛がってしまったことへの罪悪感と、文化の違いに対するショックのようなものは犬を見るたび抱えてしまいました。
犬は一緒にトレッキングをしてくれた馬方さんと隣の集落のゲルに帰っていきました。一日中お供してくれてありがとう。
晩御飯は今日もお母さんの遊牧民的料理をいただきます、写真を撮るのを忘れる痛恨のミス。
隣のゲルに泊まっていた国際カップルの一人がスペイン人だったので、スペイン建築の話で盛り上がります。
お腹いっぱいになったら夕方のお散歩へ。
夕日に照らされたゲルの、なんと美しいことでしょう。
轍がどこまでものびています、果てしない。
白い雪が夕日で赤く照らされると、なぜか馬たちも寂寥感に捉われたように見えてしまいます。
どこまでも静かな湖畔に月と一番星が。
ゲルに到着するともうすっかり日暮れ
昼間はお行儀よく並んで見えたゲルたちも、肩を寄せ合っているように見えてしまう夕焼けマジック。
この日は月が眩しかったため、月が沈む3時に起きて星空を眺めました。星がありすぎて、落ちてくるかと思うような空でした。
朝までぐっすり眠って最後のソンクル湖を見納め。朝凪、なのでしょうか…鏡のような水面には山が綺麗に反転していました。
たくさんの思いや考え、もやもや、素敵な出会いを抱えてソンクル最終日を迎えました。これからもきっと、旅をするごとにこういう思いは増えていくのでしょう。
それを、電波も電気も人もいない、この静謐な空間で身に刻めたことは、後にも先にもこの瞬間だけかもしれません。
ソンクル編、お付き合い頂きありがとうございました。