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スポーツとメディア - Introduction
キーワード
・ Golden triangle model
・ 客観的事実 ≠ 主観的解釈
・ Social constructionism - 社会構築主義
・Framing
'メディア’ とは
'Media' という単語は 'Medium' の複数形です。
ニュース、雑誌、ウェブサイト、テレビ、ラジオ、SNS、映画、ビデオゲームなど、、、これらは全てメディアの一種です。
メディアは、情報を伝える方法であり、私たちに何かしらのメッセージを届けます。
Social constructionism
別の記事でもSocial Constructionism について触れましたが、このメディアの授業にも登場しました。
Social Constructionismとは、私たちが知っている物事は、人々が社会の中で互いに関わり合うことで生み出されているという、知識や物事の構築プロセスについての理論です。
学校やSNS、家族や友達、専門家など、私たちの知識のほとんどは他者が関係しています。
そして、メディアも私たちの知識やイデオロギー構築に影響します。
ただこうして考えると、社会の中で何となく信じられていることやイデオロギーは、人々が構築してきたものなので、それを壊し新たな考え方を構築することもできると言えます。
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Framing
メディアから発信されるほとんどの情報には、それを書いたジャーナリストの方の主観的な見解が含まれています。
その主観的解釈は、客観的な出来事・事実に意味や深みを加え、より魅力的な主観的なものにします。
(この過程は Social Constructionism の考え方につながります)
こうした主観的な解釈や意見(バイアス)に基づいて、意図的に出来事を切り取って提示することを Framing と言います。
どのように情報が Framing されるかによって、それに対する受け取り側の感じ方や行動が変わってきます。
情報の発信者によってそもそも主観的解釈が異なること(客観的事実 ≠ 主観的解釈)、メディアがそれぞれの主観的解釈を正当化するために Framing された情報もあることは、情報の受け取り手が常に意識しておくべきことでしょう。
スポーツメディアの現在
スポーツメディア業界は大多数を(白人系の)男性が占めている業界です。
発信される情報も、同じようなグループに向けて作られることが多くあります。
つい最近までサッカーゲームに、女性のサッカー選手が登場していなかったなど、業界内の性別や人種的偏りは、どうしても注目されるものや発信されるものへの偏りやバイアスを起こしやすくしてしまいます。
イギリスでは、EURO 2022でのイングランド女子代表Lionessesの優勝が女子サッカー人気に大きく貢献し、女子サッカーのメディア露出は増えています。
一方、近年広がっているパラリンピックの報道は身体障害をもつ方々のスポーツ参画に本当に貢献しているのか。
誰が誰に発信しているのか。
後に触れますが、スポーツ内の1つの出来事も切り取り方で大きく見方が変わっくるという理解は常に持っておくことが大切です。
The Golden Triangle Model
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このモデルは、現代スポーツの商業的な現実を表した、スポーツ・メディア・スポンサー、3つの関係性についてのモデルです。
スタジアムには広告看板があり、ハーフタイムには広告が流れる。
スポンサーの金銭的支援でスポーツクラブやリーグが成長し、テレビやサブスク制のメディアで、そのクラブやリーグの試合が配信されることが当たり前になっています。
今見ているスポーツは、誰のために行われているのか。
私たち一般のスポーツファンに向けてなのか、スポンサーを惹きつけるために行われているのか。
さらに、この3者の共生関係によって、スポーツメディアで取り上げられること・取り上げられないことがあることへの認識も大切です。
SNSとスポーツ
SNSの普及とCitizen Journalistsの台頭は、スポーツメディアの民主化という大きな影響を与えています。
Citizen Journalists とは、主にインターネット上でニュース記事を投稿したりする一般の人々のことです。
スポーツジャーナリストとして会社で働く人々には、上司や会社の権力によって取り上げたいもの全てを扱えなかったり、出来事の切り取り方を指定されたりするかもしれません。
そういった制限なく、Citizen Journalists は活動できる点がメディアの民主化に繋がっています。
また、最近はアスリートが自身のSNSプラットフォームをもつことが当たり前になってきています。
利点としては、アスリート自らSNSを使って、所属チームの介入なしにお金を稼げることです。
さらに、SNSのプラットフォームは、アスリートが社会的活動家として個人の意見を表現する場にもなり得ます。
一方で、SNS上での直接的なアスリートへの誹謗中傷は深刻な問題です。
また、SNSで投稿されたアスリートの意見が100%アスリートのものかという信ぴょう性は、私たちからは判断が難しいところです。
アスリートとSNSについては、今度詳しい授業があるのでまた深掘りしたいと思います。
長くなりましたが、このnoteから何か学びがあったら嬉しいです!