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トランプ政権がスポーツにもたらすかもしれない影響

授業の内容ではないのですが、トランプ氏のアメリカ大統領就任から考えられるスポーツへの影響についてまとめようと思います。

【参考にした記事】
BBC:What impact could Trump's return have on sport?
Sportcal:What does a Trump Presidency mean for the US sports industry
WSN:Opinion:Trump's playbook sidelines female athletes


'移民政策' と 'FIFA W杯 2026'

対移民強硬派のトランプ氏。
1月20日の大統領就任後は、不法移民の逮捕・拘束に関する執行権限の拡大や、アメリカ・メキシコ国境沿いの壁建設の再開など、移民規制強化に取り掛かると言われています。

この移民政策は、アメリカがメキシコ、カナダと共同開催する2026 FIFA W杯にどんな影響を及ぼすのでしょうか。

まず、指摘されているのがスポンサー、大会パートナーについてです。
企業は、アメリカで行われるこれらの大会をサポートすることが、単にイベントやスポーツへの貢献と位置付けされるだけではなく、トランプ氏の移民規制などの政策を黙認していると意味づけされる可能性を憂慮するかもしれません。

次に、アメリカ・メキシコ間の移動についてです。
カナダと共にW杯を共同開催する2国ですが、トランプ政権の国境強化は、大会に関わる人々のアメリカ↔️メキシコの行き来を難しくするのでしょうか。

参加国が48チームに拡大されたり、アメリカの建国250周年記念日がW杯の最中にあったり、アメリカとしてもFIFAとしても大きな意味を持つ大会になることは間違いありませんが、カタールW杯に続きサッカー外でも議論が巻き起こりそうです。

'2028 ロサンゼルス五輪'

'トランスジェンダー・女性の権利'

トランプ氏は、タイトルナイン(性差別撤廃のための連邦法)で保証されている、トランスジェンダー女性の女子スポーツ競技への参加を禁止することを公言しています。
女子スポーツ界の公平さと安全のためと主張していますが、パリ五輪で性別騒動で話題になったイマネ・ケリフ選手のオリンピック参加に疑問を示し続けたトランプ氏の姿勢は、IOCの男女参加資格に対するスタンスと対立するかもしれません。

また、トランプ氏の人工妊娠中絶を規制する姿勢(*全米一律でなく各州の判断、母体に危険がある場合などは例外として中絶を容認する姿勢も示している)に対し、女性アスリートが望まない妊娠を余儀なくされるリスクを非難する声も出ています。

'ロシアのスポーツ界復帰…?'

プーチン大統領との親交も知られるトランプ氏は、ロシアとウクライナの和平交渉を仲介する意向を示しています。

戦争終結の交渉は簡単なものではないことが容易に考えられますが、もしそれが実現すれば、2028 ロス五輪でロシアが国際スポーツ界に復帰することにつながるかもしれません。

そのほか

上記以外の面でも、トランプ政権のロス五輪への影響について指摘されていることがあります。

例えば、オリンピックの計画は、カリフォルニア州で力をもつ民主党の政治家とトランプ氏の食い違いや摩擦に影響されるかもしれません。

そして、2018平昌パラリンピックを「見るのが辛い」と発言したことがあるトランプ氏。
ロス五輪が近づいてくるごとにパラリンピック委員会との関係も注目が集まるでしょう。

'サウジアラビア' と 'ゴルフ'

アメリカ PGAツアーと、サウジアラビア公共投資ファンド(PIF)は合併をめぐって長く交渉を続けています。

トランプ氏とPIFの責任者の密接な関係、サウジアラビアのアメリカに対する影響力、トランプ氏のゴルフに対する愛。
これらを考えると、ゴルフ界でサウジアラビアの存在感がトランプ氏の次期大統領就任とともにさらに高まってくるかもしれません。

'アスリートアクティビズム'

片膝をついて人種差別に反対を示すColin Kaepernickとチームメイト

トランプ大統領の就任1期目では、スポーツと政治の関わりがアスリートアクティビズムから顕著に見られましたが、今回の就任ではどんな変化があるでしょうか。

2017年に元NFLコリン・キャパニック選手が人種差別への抗議として国歌斉唱中に膝をついた行為は、コロナ禍に 'Black Lives Matter' 運動の広がりとともに多くの国内外のアスリートに広まりました。

当時トランプ氏は、この抗議を支持したレブロン・ジェームズやメーガン・ラピノーをはじめとするアメリカのトップアスリートたちを「愛国心の欠如」だと強く批判しました。

今回特に気になるのは、アメリカスポーツリーグ・チームのスタンスです。

近年にアメリカ主要リーグのチームオーナーから寄付された数千万ドルのうち、95%が共和党の選挙活動や候補者への寄付であったと言われています。
特にNFLチームのオーナー達は、トランプ氏の大統領選挙運動を積極的に支援していたことが知られています。

NFLはもちろん各スポーツリーグがトランプ新政権下で、アスリートアクティビズムに否定的な態度をとるのか、フランチャイズの売り上げ価値を押し出していくのかは注目です。

最後に

ここでまとめた以外にも、トランプ氏が導入するであろう関税の引き上げが、NBAなどビジネスを国外にさらに広げたいスポーツリーグやチームにとってマイナスであるなど、トランプ政権がスポーツに及ぼす影響は多岐に渡りそうです。

ただ、アメリカ主要リーグのオーナーの共和党への寄付を見ると、アメリカ国内のスポーツ界のトップにいる人々はトランプ氏の政権復帰に満足しているのではないでしょうか。

自分自身、特に政治については無知なため、誤った情報や勘違いしていることがあったらすみません。

このnoteが何か学びになったら嬉しいです!




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