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離島で体験した子育ての話し

 今日は子どもの小中学校時代を過ごした離島での暮らしについてお話したいと思います。

 島暮らしをして良かったと思う一番の理由は、子育てしやすい環境だったからと言えると思います。
例を挙げればキリがないほどですが、その中からいくつかの私が良かったと感じる点を紹介したいと思います。

大声出してもOK!

 島で暮らしていた家は渡船場まで歩いて5分という島の中心地にあって、とても便利な場所でした。それでも家の前は海、後ろは小高い山、隣家までは500メートルほど離れており、どんなに大声を出しても誰にも迷惑はかかりません。

 東京で暮らしたマンションのように、子どもに「静かにしなさい」と言う必要がないというだけでも私の子育てにおけるストレスは半減したのではないかと思います。

遊びの豊富さ

 島は海と山に囲まれた恵まれた自然環境にあり、子どにとって島全体が天然の遊び場と言えます。

 春には家の裏山でタケノコを掘り、土筆やフキなどの山菜を探す。
海ではアサリやワカメ、メカブ、タコ、岩牡蠣などを採って、食卓を賑わせる豊かなご馳走となります。

 息子にとっての夏の一番のお楽しみは、クワガタ・カブトムシを捕まえること。
夜、森に入ってお目当ての樹を懐中電灯で照らすと、沢山のクワガタやカブトムシが樹液に集まっています。その樹を思いきり足で蹴ると、虫たちがボトボトと落ちてきます。落ちた虫たちを急いで捕まえて、飼育するのも毎年の大きな楽しみでした。

 時には木の切り株を土俵にして、クワガタやカブトムシを闘わせることもありました。しかしガシガシッとあまりにも大きな音を立てて大アゴで相手を挟んで投げ飛ばすので、最初のうちこそ大興奮したものですが、次第に大事な虫たちを傷つけたくなくて闘わせることもなくなりました。

 一年を通して、最も楽しんだのは魚釣りでしょう。
アジ・スズキ・アラカブ・キスなどたくさんの種類の魚を釣りました。
ワタリガニを獲るために海底に沈めたカゴを、ワクワクしながら引き揚げるのもまた楽しいものでした。


コミュニティーという名の安全地帯

 そして島暮らしの最大の魅力は、何と言っても島中の住人が知り合いであるという安心感ではないかと思います。春から秋にかけての週末や夏休みにはたくさんの観光客が訪れますが、それ以外の平日の夜などは基本的に島には住民しかいません。

 島の住人はほとんどが顔なじみであるため、子どもたちに向けられる眼差しは暖かく、まるで島全体で子どもたちを育てているような安心感がありました。

子どもを放し飼いにできる⁈

 島中の大人達の暖かい眼に見守られているので、島内での子ども達の危険と言えば海で溺れることくらいしか思いつかないほどです。

 海に囲まれているので、一人で島外に出て行くことはないし、島外の人に連れ去られることもまずありません。なぜなら島外に出る唯一の手段であるフェリーの乗組員達もみんな顔見知りなので、知らない大人が子どもを連れ去ることは不可能でしょう。

 そんな安心感に包まれて過ごした島での子育ては、都会の密室での育児とは違う点が多く、とても恵まれていたように思います。

 音楽についての話やライター修業日記の合間に、そんな子育て時代のエピソードなどをこれからも「島暮らしの想い出」と題して時々アップして行きたいと思います。


 












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