1 どこの人類も似たようなこと考えるよね~
あと2週間程で舞踏会という今日この日、とうとう物語の主人公になれる機会が巡ってきた。
「コフッ」
「あれ? これまだ着たことない?」
「クー」
「あーこっちか、着たことあるの」
「フォーン」
「そうだよね~。結局似たような服ばっかり買っちゃうし着ちゃうよね~」
どっしり控え目組と女子みたいなやり取りをしながらクローゼット内を整理整頓する。
普段からヴァーちゃん達がたくさんワンピースをプレゼントしてくれてるのに、更にクダヤの領主から舞踏会に着るドレスの貢物が大量に届いたからね。
クダヤ名物『多ければ多いほど良い』精神の表れ。
でもごめん。ドレスは過保護者(過保護+保護者)が用意してくれたの着るんだ。
淡いレインボーなグラデーションのふわっふわのきらっきらの本気のプリンセス系のやつ。
小さい子がハロウィーンコスプレで着そうなやつの最高級品バージョンみたいな。
この年齢でも全然着るし~。
「キャン」
「そうだね。じゃあ着てない服の中から毎日みんなに1着選んでもらってそれ着ようか」
「ぴちゅ」
「明日はこれ?」
「キュッ」
「ふんふん、靴はサンダルね。――ボスはこの髪留めがおすすめ?」
最強スタイリスト達、心強い。
「はる」
「はーい」
「神の使いがやって来る」
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