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社内SEが考える新人教育について・・・年度が変わるこの時期に考えること

社内SEが増員されることはほとんどない。

IT化、デジタル化、DX・・・世の中色々叫ばれているが、こと人材に関しては、今後もこの流れしばらく続くだろう。

それが現実・・・それには理由がある。

①人件費の問題(お金)

②人的リソースの問題(人材の配分)

③教育の問題(育て方)

・・・etc

今日は③のお話し・・・


■増員が難しい理由のひとつ

人事異動の噂が飛び交うこの季節、どちらかというとIT部門は静かなもの・・・

他の部署と比べると、IT部門はとにかく特殊な部署なのだ(今のところ)。

だいたいにして、人事権を持った人たちの多くが、IT部門の仕事をよく理解していない。

そして、仕事を理解していないものだから、社内SEの人材を育てる方法が分からない。

これは当然と言えば当然の話し・・・

一方・・・

じゃ~社内SEが、社内SEを育てるためのノウハウを持っているかと言えば、それはそれで、”?”だ。

なぜなら社内SEの多くは、

〇自分がどのような毎日を過ごしてきた結果、パソコンスキルを身に付けて来たか、自分自身で説明ができない

〇自分がどのような仕事をこなしてきた結果、会社に貢献できるレベルの人材になったか、自分自身で説明ができない

〇そもそも新人・中途がIT部門に入ってくる機会なんてそうそうないもんだから、教育するノウハウを持っていない。

恐らくこんな状況だと思う。

だから、”習うより慣れろだよ”・・・くらいしか言うことができない。

実際私もそう言ってしまうかも・・・

でもこれじゃ~、社内SEとして新しく配属された新人・中途の人たちは辛いだろう。


■社内SE人生の始まりは・・・

きっと社内SE人生の始まりは大きく2つあって、

〇元々IT業界にいた

〇ちょっと人よりパソコンが得意だったということから、ITの案件を兼務させられ、人よ多くのIT案件をこなすうちに、社内SEとして困らないレベルのパソコンスキルもコミュニケーションスキルも身に付けていた。

大きくはこんな感じだと思う。

そして、この社内SEとして困らないレベルまで達してしまった社内SEは、自分がどのような経緯を経てこのレベルまで達したかを忘れてしまっているのだ。

その上、ITの範囲は広いし決まり切った答えがない。

ひとつひとつを丁寧に教えるだけのノウハウも持ち合わせていないし、また教える社内SEだって業務を抱えている。

これからの社会、そしてこれからの会社において、絶対に必要な人材であるはずの社内SE、しかしこの人材を育て上げるには困難な条件が、かなり揃ってしまっているのだ。

しかし、だからと言って、社内SEの人材教育に対して、無策でいいかというと、もちろんそんなことは許されない。


■いつか来る、社内SEの人材教育の場面に備えて

因みに以前も投稿したが、我が社には社内SEが複数名いる。

ただ・・・その社内SE達みんながみんな、配属された時は既にパソコンスキルもコミュニケーションスキルも既にある程度のレベルに達した状態で入ってきた。

つまり、パソコン・コミュニケーション、どちらも

” 0 → 1 ”

の段階は通り過ぎてしまっていた人材なのだ。

有難いことだが、”0”からの教育の機会を得ることはできなかった。

そして、今後、”0”を”1”にしなくてはいけない人材が配属される可能性がある。

じゃ~どうやって育てるか・・・


■最初は量、とにかく量

以前の記事でも投稿したが、最初は量だ。

最初から、効率やら仕事の質なんてものは、存在しない。

そんなものは、無駄も含めた膨大な何かをこなした人間だけが辿り着ける境地だ。

だからとにかく、パソコン、コミュニケーションの量をこなさせる。

効率も質も最初は全て無視して、とにかく量をこなさせる。

ただ・・・

その経験を積ませるための膨大な何かをどうやって見つけるか・・・

まずは次のことをやってみる。


■膨大な量の準備

その量をどうやって生み出すか・・・

まずは現在いる社内SE達が持っている仕事の棚卸しを行い、作業工程レベルまで因数分解する。

これはテレワークでやったことと全く一緒。

そうすると、きっと、この部分は面倒とか、この部分は自分が持っているスキルに対してもったいない・・・という部分が出て来る。

こんなことやる時間があったら、その社内SEはもっと別なことに時間を使う。

とにかくそうやって、出てきた面倒な仕事、時間が掛かる仕事、とにかくそれをやらせてみる。

今いる社内SE達だって、自分の仕事+教育・・・というのは大変だから、自分の仕事が少しでも楽になるよう、任せられる仕事はどんどん任せてしまう。

じゃ~単純で面倒な作業って何かというと・・・

例えば・・・

〇パソコン設定10台必要、そんな時は1~2台、設定の仕方を見せて、後は基本全部やってもらう。

〇新しい営業ツールが導入された時は、マニュアル配布した後、営業さん1人1人に電話して、目的や使い方など補足説明する。

・・・etc

どれも必要なことだが、かと言って生産性の高い社内SEがやるには少しもったいない仕事。そういうものをどんどん任せて、とにかく量を積ませることだ。


■失敗した時のリスクはなるべく小さく

そしてもうひとつ重要なこと・・・

作業を任せたとき、必ず失敗するしミスもする。

そのため、私達、上位の社内SEが、新人が失敗したとき、リカバリーしたり、責任が取れる範疇のもののみ任せること。

かなり理想で条件も厳しいが、上位の社内SE達にとって、新人がミスをすることは想定しておき、リカバリーまで責任を持つこと。

そしてその時、なるべく優しくリカバリーしてあげること。

そうやって信頼関係を構築していけば、やがて成長性、いずれチームプレーができるような人材になるだろう。

社内SEの人材教育は分からないことだらけで、手探りの状況だが、いざ教育を任された時にフリーズしないように、将来自分自身を楽にしてもらえるように・・・そんなことを考えながら、準備をしておきたい。

・・・と毎年この時期になると思っている。

でも、IT部門増員は、難しいだろうな~(苦笑)

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