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社内SEから見たすごい業者・・・エンドユーザーの支離滅裂なアウトプットを綺麗にまとめる
社内SEをやっていると、ITの力を利用し業務効率化をはかるため、現場の方の話しを聞き、現状をまとめるという作業がある。
ただ・・・
我が社の現場の方というのは、作業の流れが頭の中に入っていることが多々ある。
そして、それをアウトプットするということに慣れていないものだから、聞き取りをしても、話しがあっちに飛びこっちに飛び、とにかく情報量は多いのだが、話しに一貫性がないものだから、資料に落とすのに大変な苦労を伴うことがある。
・・・きっと、説明してくれている現場の方だって、最後は”俺って結局何をどこまで話したんだっけ?”となっていることだろう。
■毎朝システムから出している資料の数字が合わない
先日、ある部署で問題が起こっているので、対応して欲しいという依頼がシステム部門に持ち込まれた。
その部署、工程管理や売上管理をするシステムが入っているのだけど、どうやら、毎朝出て来る数字があきらかにおかしいらしい。
きっと運用の仕方に問題があるのでは・・・
そんなことを考えながら、私ではない別の社内SEがその部署の担当者に話しを聞いてみたのだが、正直何を言っているのかよく分からない。
ま~、元々その担当者の方、感覚と勢いで説明をする人なので、そもそも聞き取りが難しい人ではあるのだが・・・
聞き取りをした社内SEもお手上げ・・・という感じ。
私たちシステム部門も正直、余裕がなかったこともあり、苦肉の策として、そのシステムを提供している業者さんの力を借りることにした。
依頼内容は、
システムから毎朝出て来る数字がおかしいのでその原因を探って改善して欲しい。多少費用が掛かっても構わない。
システムの問題ではなく、運用の問題だろうと気付いてはいたが、こちらも余裕がないため、助けて欲しい・・・という体でお願いした。
システム業者の担当者は快く引き受けてくれた。
そして数日後・・・業者さんから1通のメールが送られてきた。
■綺麗にまとめられた資料に驚愕
メールを確認すると、図解付きで3ページにまとめられた資料が添付されていた。
こ・これは何の資料?これが、あの部署の話し?
・・・そう思うほど、綺麗にまとめられた資料だった。
いったいどんな聞き取りをして、どんなテクニックを使えば、あの支離滅裂な説明から、こんな資料をまとめられるんだ?
そう思うほど完璧な資料だった。
私は思わずその資料をまとめてくれた担当者の方に電話をして、ひとしきりお礼を言った後、あんな支離滅裂な話からこんな資料をまとめられるなんて、あなたはすごいです!・・・みたいなことを伝えた。
ま~当の業者の担当者は、
「もう少し詰めないといけないと思うんで、もう1度だけこの資料を持ってその部署の担当者様のところに行く予定なんですけど・・・」
のほほ~んとそんな返答をしてくれた。
あきらかに、自分のすごさを自分で理解していない、人間の答えだった。
■人の頭の中にある情報をアウトプットする重要性
誰かの頭の中に入っている情報を、アウトプットして他人が理解できるレベルの資料にまとめる・・・これって非常に難しい。
だからこの能力を身に付けることができれば、それだけでお金を払う価値のある能力となるのだ。
私は業者さんが作ってくれた情報を見たとき、この資料だけで10万円の価値があると思った。
聞き取りをしてその資料をまとめる・・・その業者さんにとっては数時間の仕事だったと思うが。
情報共有の必要性が叫ばれている我が社において、見える化、可視化は最重要事項。
そして、どんな支離滅裂な情報からでも、誰が見ても分かる資料を作り出すことのできる人材は、我が社においてきっと重宝されるだろう。
私もこの業者さんのように、社員の頭の中を綺麗にアウトプットできる能力を身に付けたいと強く感じた。