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昔話を聞く社内SEがいつも思うこと

「パソコン遅せーんだけど、何とかなんね~?」

みんな仕事が終わり、ちょっと雑談が始まったあたりで、ある部長が冗談交じりに言った。

「いや~、今のところしょうがないんですよ~、システムの仕様に合うパソコン、それしかないんで~」

私はいつもの通り、ペコペコしながらお伝えする。

「ま~、そうだよな~。次のパソコン入れ替えの時はハイスペックな奴頼むぞ~・・・それにしても、もし今、会社からパソコンが1台もなくなったらどうなるんだろうな~?」

そんなことを言いだした。

すると別の部長が、

「その時は、人、たくさん雇うしかないんじゃない?」

笑いながら言ったのだが・・・理論上は全くその通りだと思う。


■もしも今、パソコンがなかったとしたら・・・

実はそれ、私も時々考えることがある。

ま~、今の会社でパソコンがなかったら、社内SEの私は当然お払い箱なのだけど・・・

ただ、私の場合はもう少し具体的に考えている。

”世の中はみんな普通に、パソコン・スマホを利用してビジネスを展開している中で、もし自分の会社だけ、時代の流れに取り残され、パソコン・スマホをビジネスで利用していなかったとしたら・・・

恐らく、我が社は倒産しているだろう。

人を大量に雇用するとかそれ以前の問題だ・・・



■パソコン導入を決めてくれた当時の責任者の方に感謝

我が社が一般社員の誰でもパソコンを利用して仕事ができる環境構築をしたのは、恐らく2,000年前後のこと・・・

例えば、見積書・注文書・請求書なんて手書きだった世代の人達が、会社命令で一気に、パソコンで作るよう強制された。

それだけの資金を投入する決断も相当な勇気が必要だったと思うが、社員に利用するよう徹底させるのも、大変な作業だったに違いない。

ただ、当時の経営者や導入責任者は、これからの時代、パソコンは絶対に必要だと考え、それだけの資金と人材を投資する価値があると、判断したのだ。

その結果、今現在、我が社は、社員全員がパソコンを使って効率的な仕事を行えている。

もちろん、

パソコンのせいで仕事が増えた・・・

パソコンのせいで仕事が複雑になった・・・

色々文句を言う社員はいるけれど、どんなに文句を言う社員だって、いざパソコンが利用できなくなったら、真っ先に文句を言うに決まってる。

”パソコン使えなくて仕事になんねーんだけど!”・・・と。

パソコンが導入され、普段は気付かないかもしれないが、色々な恩恵は受けているのだ。

だって会社も社員も、今更手書きには戻れないし、そろばんにも戻れないでしょ・・・



■昔話を聞く社内SEがいつも思うこと

年配の部長さんたちがよく話すこととして、

〇昔はそろばんで給与計算やってたな・・・それこそ給与専門の経理担当者が何人もいて、給与支払い終わった次の日から翌月の準備始めて・・・なんてやってたな・・・今は給与担当1人で3日くらいでやってるけど

〇昔はフロッピー、何枚も入れ替えながら、パソコン起動していたな・・・あんた知ってるか?(知らないです)

〇支店の売上の実績は郵便で送られてくるんだ。だから実際に数字が分かるのはたいてい3日後・・・それからどうすっかな~と考える。今はリアルタイムか、遅くても日次だからな。昔はのんびりしてたんだ。

〇昔はみんな数字が頭の中に入っていたんだ。だから売り上げのことを聞くと、何も見ずに答えが返ってきていた。でも今は、ボタンひとつで数字が全部出てきてそれを読むだけでいい。だから昔の社員に比べると、今の社員のそういう意味ではレベルが落ちてるんだ。

・・・こんな当時の話をしてくれる。

私は昔話、嫌いじゃないから、楽しく聞いているのだが・・・

昔は大変だったんだな~と思うと同時に、逆にスピードを徹底された今の方が大変なんじゃないかと思うこともある。

ただひとつ言えるのは、世の中、色々なことが少しずつ動いていて、その動きについていけない会社というのは、結果として不要となって倒産していくわけだ。

会社の資金や人材をどう使うかを判断するのは経営者の仕事、だから経営者は常に世の中の動きを勉強し続ける必要がある。自分の業界や社内のことだけ勉強していればいいわけではない。だから経営者は大変なのだ。

なんせ、自分の判断が間違っていたら、資金も人材も無駄に浪費し、誤った方向へ会社や社員を道連れにしてしまうのだから・・・

一方社員はというと、勉強している経営者の言うことは基本、”はい”と聞かないといけない。経営者が必死に勉強して判断したことを、素直に受け取らず、

”自分はこのやり方でやって成果を上げて来た、だから変わる必要なんてない”

こんなことを言う社員がいたら、さっさと会社を辞めて独立して自分のやりたいようにやってもらうしかない。

だって、世の中変化しているのだから、会社も社員も変化をしていかなければならない。

変化するというのはすごく疲れること、特に最初のスタートは心も身体もボロボロになるが、継続していればいずれ慣れるし、それによって成長もする。

変化と成長は常にワンセットなのだ。

私は年配の方の昔話、楽しんで聞いているのだが、最後はいつもぞっとする。

もし昔のままの状況が今現在も続いていたら・・・この会社はなくなっているよな・・・と。

だからこそ、辛いけど変化というものは必要で、常に受け入れなければならないものなのだと、改めて気付かされる機会になるのだ。

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