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社内SEの情報収集・・・「常に耳、ダンボにしとけ!」

「だ~からお前はダメなんだ!常に耳、ダンボにしとけ!」

IT企業から今の会社に来てすぐに、ある部長に言われた言葉。

※ダンボ・・・周りが話していることに聞き耳を立てること

これまでの私は、仕事はある程度集中してやるもの、そうすれば真面目にやっていると上司から評価され、上司受けがよくなると信じていた。

ところがその姿勢に”NO”を突き付けてきた部長がいた。今思うと、本当に有難いご指摘だった。


■耳をダンボにしておけ!

「だ~からお前はダメなんだ!常に耳、ダンボにしとけ!」

どういう状況で言われたのか・・・

いつものように私がパソコンに向かって仕事していた。そしたらいつの間にか私の周りで議論が始まっていた。私にはおおよそ関係のない話だと思い込んで、全く関心を示さずにいたのだが・・・

突然、ある部長が、

「な!お前もそう思うよな!!」

いきなり私に話しを振ってきた。当然私は、内容を全く分かってない。

「あ・・・え?何ですか?」

と聞いた。

すると、

「ばかやろー!だ~からお前はダメなんだ!!常に耳をダンボにしておけ!いいか~、手は作業していても耳は、誰が何しゃべってるか、常に気にかけとくんだー!」

※因みに言葉はきついけど、優しい、思いやりのある部長だった。

なんつー無茶なことを・・・言われたときはそう思ったのだが、とりあえずこの言葉を信じて実践してみると、聞き耳を立てておく重要性が、日に日に分かってきた。

もちろん最初からうまくできたわけではなかったが、聞き耳を立てておくことで、色々な情報が自然と入ってきて、その情報を利用し、色々な対応ができるようになってきた。


■社内SEの情報収集

以前の記事で話したが、社内SEは知りたくもない情報を知ってしまうことがあると言った。しかし、だから情報収集はしなくて構いません・・・なんてことにはならない。上司や他部署の人から、面と向かって言われた情報だけでは、社内SEとしての業務をスムーズに行うには足りないのだ。

そのため、最低限、自分の周りにいる人達がどんなことを話し、その話をどんな心情で話しているのか(和気あいあいとしているのか、苛立っているのか・・・)、それらの話しから自分自身への影響が出てこないか、この人の心のケアした方がいいかも・・・そういったことを考えながら聞き耳を立て、情報収集する。

そうすることで、作業の準備、心の準備、その人にどんな対応をすれば今はベストなのか・・・そんな風に色々考えて備えることができるようになってきた。

使い方には気を付けなくてはいけないが、情報はたくさん持っていた方がよい。その方が、社内SEとしての自分の身が、間違いなく楽になるんだ。

そんな大切なことを教えてくれた部長(既に定年退職されている)には今でも感謝している。


■耳をダンボの究極系・・・いつかこんな人になりたい

ある時、舌を巻いた出来事があった。

例の部長の直属の”部下さん”の話しなんだけど・・・

部長が壁に何枚も貼ってある資料を見ながら、

「おい、”部下”・・・これまずいよな~?

そうボソリと言った。すると・・・

なんとその部下さん、部長の方なんか見ずに、ずーっとパソコン見ながら作業していたはずなのに、

「あの商品ですか?あの商品は在庫になって4か月なんで、今、売り切っておかないと処分できなくなりますね」

あ・あんたエスパーか!?

本気で思った。

そして部長は、当然のごとく

「そうだよな~」

そう言った。

部長の行動を視野に入れ、部長の発した僅かな情報のみで、部長の思考を理解し、完璧な回答をしてしまった。

”マジかっけー!!!”

いつかこんな人になりたいと思った・・・でもこれは流石に無理だろ



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