社内SEに欠かせない存在・・・”生き字引さん”
「社内SE君、こんな感じの資料作ってくれないかな~」
社内SEやっているといろんなオーダーが来るが、そのうちのひとつに資料作成がある。
初めて作る資料となると流れはこんな感じ・・・
①必要なデータを集める
②自分ひとりでデータの在りかを突き止められないときは、知っていそうな人に聞く
③データ集計
④基本的にA4 1枚の資料として体裁を整える
④一旦、発注者に見てもらう
⑤駄目出し、訂正、追加要望を受け、修正・再提出を繰り返す
⑥OK出れば、会議で利用できる形にして完了
①~⑥を期限内にできれば成功。
問題は②だ・・・
各部署に1人はいるキーマン
どんな部署にも、その部署特有の情報を広く深く知っている人がいる。
そしてたいていの場合、それは部署長レベルの人間ではない。部署長がその部署に滞在する期間は案外短い。その部署のマイスターとなる前に、別部署への異動を繰り返し、出世街道まっしぐらだ。
そんな上の出世争いとは一線を引き、ある意味ひっそりと、目立たずに、その部署に長く在籍する人がいる。特に異動するわけでもなく、出世するわけでもない。しかし、あらゆる無茶振りなんだかんだ答え、特に失点もなく業務をこなす・・・ある意味、生き字引のような存在。
頼まれた資料を完成させるためには、結局、どんな場所にどんなデータが眠っているのかを完璧に把握した彼らの力が必要となるのである。
なぜ発注者は直接その”生き字引さん”に頼まない?
なぜ発注者は社内SEに頼むのか?
それは発注者が、その生き字引さんの能力を分かってないからだ。
自分はこんなことができる、こんな能力があるとアピールすることをあまりしない生き字引さんは、だからこそ長く同じ部署に留まれる。自分の力をアピールできれば、出世街道を突っ走る可能性がある。
ま~、上の人はきっと、私が想像している以上に余裕がないのだ。ひとりひとりがどんな能力を持っており、それを組織としてどう生かせるかなんて、考える余裕はないのだろう。
社内SEはひとりでは何もできない
資料をいくら格好よく作れたって、元データがしっかりしてなきゃ、ただのゴミ。結局、この資料を作るには、こういうデータが必要、このデータはこういう意味を持ち、ここに格納されている・・・そういう情報を持つ人間の力が最後は必要となるのだ。
社内SEは仕事柄、全部署と関わる。つまり各部署と広く浅い付き合いとなる。各々の部署の業務を、深く知ることは難しい。結局社内SEは、ひとりの力では完成度の高い資料は作れないのだ。
そのために、この部署のこの人はどんな能力を持っているのだろう?・・・と、常にアンテナを張っておく必要がある。だからこそ、生き字引さんの存在にも気づくのである。
困った時に助けてもらうには・・・
じゃ~どうやったら生き字引さんの力を借りれるのか・・・
これはもう日ごろの積み重ねしかない・・・それに尽きる。
①生き字引さんが愚痴を言ってきたら思いっきり共感しながら聞く(15分くらいは余裕で聞く、一緒に対象者の悪口も言う、なりふり構わず)
②助けてもらったときは、結果を伝え、必ず感謝の気持ちを伝える(ごく当たり前のこと、ただし絶対に忘れない)。
③パソコンで分からないことがあれば、全力で対応する(借りを作る、こいつは役に立つと思ってもらう)
④あなたは絶対に、何があっても、この部署には必要な存在です・・・ことあるごとに言葉・メールで伝える。
日頃から①~④を繰り返す。
簡単に言うと、私と話したときは心地よくなってもらう。こいつと話せば自分の心がプラスになる。ストレス発散にもなる。生き字引さんにとってそんな存在になれたとき、私は彼ら・彼女らから力を借りることができるようになるのである。むしろ私が困っている時、積極的に力を貸してくれるようになる。
生き字引さんから信頼を得るのは地道で時間が掛かること・・・しかし社内SEの自分がこの会社で生き残るには、必要不可欠なことなのだ。