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社内SEは通訳係①・・・担当部署とIT業者

社内SEは通訳係だな・・・最近よく思う。

例えば・・・

総務で人事システムを刷新することになったとして・・・

システム導入にあたり、IT業者と人事担当者、担当者の上司が打ち合わせをすることになるのだが、同席して話し合いを聞いているとよく感じることがある。

お互い、本当に言いたいことを伝えきれてない。


■どっちも相手に上手く伝えられてない

〇担当者 → IT業者

・自分が今、どんなIT環境で作業しているのか伝えられない

・自分が現在やっている作業をうまくまとめて伝えられない

・普段ITのことを考えていないので、IT業者の質問の意味が分からない

・現状こんな問題・課題があるから、新システムではこうしたい・・・そんなこと普段考えてないから、どうしたい?なんて聞かれても何を伝えればいいのか分からない

・新システムを導入するにあたり、自分は何をしなければいけないのか、自分はどうなるのか、不安な気持ちをうまく伝えられない、またIT業者はそのことをまるで分かってくれない

〇IT業者 → 担当者

・担当者に対して質問するが、本当に聞きたい内容の答えが返ってこない


IT業者も頑張って、なるべく簡単な言葉、事例を用いて話してくれるが担当者には伝わらないことが多い。ただIT業者も気の毒なのだ。その担当者がどの程度のITスキルを持っているのか、実際のオペレーションはどのようなことをやっているのか、その業務にどの程度の労力を割いているのか、基本情報がまるでないところからヒヤリングを始める訳なのだから・・・

一方担当者だって、大変だ。システム変えるから現状のヒヤリングさせて、そしてどんなシステムになればいいか意見を言って・・・急にそんなこと言われても、そんな訓練してないから、IT業者に上手く伝えられない。

自分の思っていることを上手く伝えられない担当者、担当者の基本情報を持っていないIT業者、この2者だけでは上手く進めるのは難しい。

だからこの両者の間に立って、お互いが言いたいこと、伝えたいことを社内SEが通訳すればいいのだ。


社内SEは通訳係り


■社内SEは通訳係

じゃ~社内SEは特別な何かをしなければならないかというとそうでもない。なんせ、IT業者も担当者もその道のプロだ。自分の力は自分が1番よく分かっている。

この話合いのとき、注意していることは・・・

①担当者の表情
IT業者が説明しているとき、明らかに担当者の表情が困惑しているときがある。その時は一旦ストップを掛ける。私自身が理解してようが理解してまいがどうでもよくて、「今のってこういうことですかね~?」と私がかみ砕いて聞く。トンチンカンでも構わなくて、「いや、そうではなくて~」とかなってもよい。とにかく、担当者に咀嚼の時間、もしくは質問できる雰囲気を作ることが目的。

②担当者が伝えきれないことをフォロー
ITのことに関しては担当者は上手く伝えられないことが多いので、「こんな感じですよね~」と担当者に確認しながら、IT業者に伝える。

③質問の意味を担当者が理解していない時
IT業者が本当に聞きたいこと、なぜそんなことを聞くのか、担当者が理解できず、トンチンカンな回答をしている時がある。その時は、IT業者側の立場になり、「今の質問って、こういうために聞いたんですよね~、担当者さん、因みにそのあたりってどうですかね~?」とIT業者の質問を分かりやすくして担当者に再度答えてもらう。

④担当者の不安の代弁
システムが刷新する場合、担当者は自分がどうなるか、想像以上に不安を抱えている。ただそのことを、IT業者も同席している担当者の上司も、案外理解していないことが多い。費用はどれだけ掛かる~とか、こんな便利なことができるようになる~とか、そんな話しが多い。しかし担当者が考えていることは費用のことなんて二の次だ。切り替えまで自分が何をしなければならないのか、切り替えの時は何をしなければならないのか、運用後はどんなことをしなければならないのか・・・そんなことで頭がいっぱい。そしてたいていの場合、そのことをその場で口に出すことができない。なので・・・「これって担当者にどれくらいの負担が掛かるか、何をしなければならないのか、もう少し教えてもらっていいですか~」・・・と、軽い感じで話は出すようにしている。軽い感じだが、絶対出すようにしている。その機会を逃したら、担当者の負担を担当者の上司が知る機会は、運用後、後戻りできない状況になったときだからだ。

当たり前と言えば当たり前だが、通訳なので、かなり集中して話し合いの場には望んでる。そうしないと、細かい情報を察知できない。

※因みに細かい情報を知るのに、Web会議は不向き・・・残念ながら


■通訳係は割と楽しい

社内SEとしての通訳係、割と楽しんでいる。お互い伝えきれない思いを、お互い理解できるようにするのは楽しい作業だ。

それに、システム刷新する際に、1番大変なのは実務を担う担当者。上層部は費用や効果のみ気にして判断する。そして上層部は人材リソース、心の体力に関しては割と無頓着だ。そのことが、担当者にとってはきっと1番辛いことだろう。

そのことを社内SEの私は理解してますよ~と、担当者の方にアピールし信頼を得ることができれば、この会社の社内SEとして生き残りやすくなるのだ。

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