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社内SEとなった今もやってる”分からなくなった時”


「分からなくなったら、とりあえず今の状況を誰かに話しな!!」

IT企業時代、とにかく仕事ができなかった私が、ある先輩に常に言われていた言葉。

どういうことか・・・

例えば、トラブルが発生し、客先でトラブルシューティングを行わなくてはならなくなった時・・・

手順としては、お客様のところに行ってトラブルを解決するための情報収集を行い、トラブルを解決するための対応を行う。

言葉にするとものすごく簡単な手順なのだが、実際のトラブル対応は言葉ほど単純な作業ではない。

これかな~という1個の情報収集だけして、これかな~という1個の解決しそうな対応を行って、”はい、OKでした”・・・こんな風に上手く行くことはまずあり得ない。

※いや、そうやって上手く行くケースもあるんだけど、そんな上手く行ったケースは記憶にほとんど残ってない。それくらい、上手く行かなかったときの記憶が強烈に残っている。

たいていの場合、ありとあらゆる情報収集を行い、上手く行きそうな手順を片っ端から試していく。そして、何かひとつの正解に辿り着いた時、”あ!上手く行った”・・・正直に言うと私の場合これが現実だった。

ま~結果としてトラブル解決できたことが多かったんだけど、問題はそこ至るまで、必要以上に時間が掛かってしまったということ・・・

更に問題なのは、それが客先での作業であるということ・・・


■客先のトラブル対応は冷静さを保てない

お客様のところに訪問して行うトラブル対応、当然のことだが、こちらがトラブル対応をしている間、お客様はその業務を行うことはできない。

こちらが対応しているのを待っているお客様の視線は辛い。

こちらが焦る要因のひとつだ。

そしてトラブル対応も一発で最短で解決すればいいが、あらゆる情報を確認しながらトライアンドエラーを繰り返す対応となると時間も掛かる。

複数の情報をもとに複数の手順を試していると、だんだん訳が分からなくなってくる。あれ?この手順はためしたんだっけ?あれ?この順番でやったかな?

そして我に返ると、いつの間にかとんでもない時間が過ぎている。当然お客様はイライラ・・・いよいよこちらの焦りは頂点に達する。

そんな時、私の携帯電話はよく鳴った。

「ねー、対応の予定時間過ぎてるけど、今どんな状況?」

そう、時間が掛かり過ぎ、定期連絡を忘れている私を我に返らせてくれる先輩からの入電・・・

そして、まだ対応できていない、上手く行ってないことを伝えると、決まって言われていた言葉。

「いつも言ってるじゃん。分からなくなったら、とりあえず今の状況を誰かに話しなよ。そうすれば自分の中でも状況が整理されるし、どこで躓いているかヒントを上げることもできるんだからさ」


■今の状況を誰かに話す効果

訳が分からなくなったとき、恐らくそこから自力で立て直すことは、ほぼ不可能だ。例えそのトラブルを解決できる力を持っていたとしても、心と頭が混乱してたら、自分の力の60%とか70%とか、その程度しか出せなくなる。それではトラブルは解決できない。

ただその時、誰かに正しい頼り方をすれば状況は一変する。

そう、誰かに今の状況を話して聞いてもらうのだ。

誰かに話すと次の2つの効果が期待できる。

①相手に分かってもらうために状況を整理して話すので、今起こっていること、ここまで試したこと、行ってきた手順などを自分の中で一旦整理することができる。その流れで冷静になって、案外見落としに気づいたりできる。

②こちらが客先で頭が熱くなっているのに対し、聞き手は至って冷静なので、「ここおかしいよ」とか、「この手順試してみたら」とか、そういった客観的な視点からの解決への糸口、もしくは答えまで導いてくれることがある。

どちらにしても今の状況よりはよくなるし、トラブル対応の時間も短縮できる。

お客様は、トラブル対応でやってきた作業員が、自力でそのトラブルを解決することを望んでいるわけではない。できるだけ早く、トラブルを解決して、早く業務に取り掛かりたいだけなのだ。できる限り早く解決してくれりゃそれでいい。

作業員がカンニングしようが、誰かに助けを求めようがそんなことはどうでもいいことなのである。


■今も分からなくなったら誰かに話を聞いてもらっている

IT企業時代に先輩に叩き込まれたこの方法、社内SEとなった今もしょっちゅう使っている。むしろIT企業時代よりも多く使っているくらい・・・

今はそれを更に応用させ、”5分考えて自分で解決できなかったら、誰かに話を聞いてもらったり助けを求める”ようにしている。

問題や課題が発生した時、私にその解決を依頼してきた人は、別に私自身の力のみで解決することを望んでいるわけではない。

私が、これまで積み上げてきた知識、経験、人脈を駆使して、最短でその問題や課題を解決することを望んでいるだけだ。

以前も話したが、社内SEは全部署と関わる。

必然的に分からないことだらけの状況に陥る。

そんな時、

この人に聞けば自分の頭の中、整理できるかも・・・

この人に聞けば形にできるかも・・・

この人に聞けばヒントをくれるかも・・・

こんな風に誰かを頼ること、自分ひとりの力だけで解決しようとしない考えを持つことはとても大切だ。

そしてもっと大切なのは、私が自分の頭を整理するために私の話しをちゃんと聞いてくれる人、ヒントをくれるような人脈を、日々の活動の中で構築していくこと・・・

こういった社内外の人脈作りは、私が社内SEとして生き残るための必須事項なのだ。

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