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社内SEは通訳係④・・・4月、この時期に気を付ける伝言ゲーム

「レイアウト変更の件、自分の頭でちゃんと考えろ!って、B部長に言っといて!」

社内SEである私がA部長から受けた指令。

・・・どうして一介の社内SEである私が、こんな無茶な要求を別の”あの部長”に伝書バトしなきゃなんねーんだ?

頭の中はクエッションを通りこして、煮えたぎっている。

しかし、そんなことはおくびにも出さず、

「承知いたしました!」

と、しっかりと受け答える・・・振りをする。

全ては自分の身を守るため・・・



■ちょっと愚痴ると・・・

それにしてもいくら4月だからって、A部長、言葉端折り過ぎの上、思ったこと言葉に出し過ぎでしょ~。もし私がそのまんまB部長に言ったらどうするつもりなの・・・?

もっとも、私はきっとそんなことはしないと、分かっているのだろう。

その上で、自分の体力を極限まで温存するため、必要最小限、オブラートに包まない言葉で私に伝言ゲームをよこしたのだ。

因みにこの話しはレイアウト変更の件だった。

この4月、人事異動も結構あったものだから、人の入れ替えも起こり、当然席の移動がある。

そして当然我が社は、フリーアドレスなど導入されていない。

しっかり個人毎に席が用意されている。

そしてパソコンはデスクトップ・・・しっかりLANケーブルが突き差さっている。

レイアウトなんて当然、総務の管轄だろ~と思いたいが、今の世の中、パソコン中心に動いている。

人間よりも偉いパソコンさん。

だからレイアウト変更に関しても、総務よりもなぜか上位にIT部門が来てしまい、”あんたらが調整して”・・・となってしまうわけだ。

そんな名誉、こっちは要らないのだけれでも・・・

頼むから窓口部分・調整部分はせめて総務で請け負っておくれよ・・・と言いたいところなのだが


■通訳の力量

例えば、今回の件、私がA部長から受けた言葉、一文一句違わずそのまんまB部長へ正確にお伝えしたら、その瞬間、色々なものがぶっ壊れる。

「レイアウト変更の件、自分の頭でちゃんと考えろ!って、B部長に言っといて!」

・・・とA部長から言われたのですが~

ま~そんな風に正確に伝えたらおしまいである。

ここは、結論は変えずに、まわりくどーく伝える道を探すしかない。

こんな能力必要なのか・・・と疑問に思う人はたくさんいると思うが、間違いなく必要なのだ・・・我が社で社内SEとして働くためには。

そして、色々なものを壊さないようにするには、それ相応の通訳力を身に付ける必要があるのだ。

A部長が口にした内容を思い返し、

〇結局の落としどころは何なんだ?

〇どうすれば、B部長は納得して動いてくれるんだ?

〇どうすれば、ハードランディングをソフトランディングに切り替えられるんだ?

そんなことを必死に考える。

ま~たいていは、

〇A部長が更に上のS常務からの指示で動いているのですが~

※A部長、B部長の共通の敵(頭上がらない人)を持ち出したり・・・

〇A部長はこんなことを考えていらっしゃっているようなのですが、それにはどうしてもB部長の力を借りたいと言っているのですが~

※肉付けをし過ぎて、限りなく嘘になってしまったり・・・

〇このレイアウトについてはB部長しか考えることができないからお願いしたいと言っているのですが~

※A部長が言ってもいないことを作文してB部長に吹き込んだり・・・

そんな風に最後は口八丁でB部長に拝み倒す。

ま~きっとB部長も本当は違うんだろうなと勘づいているとは思うが、私が必死にペコペコするもんだから、たいていは、

「うん、ま~分かったよ」

と言ってくれる。

通訳の力量とは、結局、誰かに指示を受けたことを、滞りになく進めるために、必要な人と調整すること。

言葉の使い方ひとつで、全てが決まるのである。


■誰とでも、自分の言葉を聞いてもらえる関係は作っておく

2人の人が同じ事を言っているのに、片やちゃんと聞かれ、片や全く聞かれない・・・なんていうことがある。

ちゃんと話を聞いてもらえる人は、日頃からそういう人間関係を築いている人。

そして、ちゃんと話しを聞いてもらえない人は、日頃からそういう人間関係を築いている人。

通訳係になるには最低限、自分の話しはちゃんと聞いてもらえるよう、あらゆる人との人間関係を構築しておく必要がある。

私は、IT部門にいるので、それを強みとし、こいつは使える人間だと思われた上で、普段から可能な限り、色々な人との人間関係を構築する。

そういう積み重ねを行うことのみが、いざ、無茶振りとも言える通訳を指示された時、強引に通訳を実行し、組織が得たい結果に導く・・・そう信じて、日々人間関係を構築することを心掛けている。

これも立派な社内SEの仕事・・・なのか?

・・・と疑問に思うこと、実は日常茶飯事だ(苦笑)

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