国際会議旅行記 in オーストリア・グラーツ(THERMEC’2016)

少し古い記事ですが、旧Webサイトのブログから移植しました。

私は2016年5月29日から6日間、オーストリアのグラーツで開催された2016- International Conference on Processing & Manufacturing of Advanced Materials (THERMEC’2016)という国際会議に参加し、研究発表をしてきました。

当たり前のことですが、国際会議での発表はすべて英語なので、英語が話せないと話になりません。しかし、私は昔から英語が苦手だったので、参加することが決まってから英語を一から勉強し直しました。そして、研究発表に向けて事前に何度も発表練習をして臨みましたが、実際にはこちらが説明している途中で質問をされたり、説明を聞かずにいきなり質問をされたり、予め質問を予想しそれに対する答えを用意していましたが、予想外の質問も多々あったりと、臨機応変な対応が求められました。また、なんとか質問の内容が理解できても、研究の複雑な説明を英語で答えることはとても難しかったです。

ところで、ポスター発表の雰囲気は私が考えていたものとは大きく異なりました。ポスター発表の時間になっても開始の合図がなく、各自勝手に開始してくださいというフリーダムな感じでした。それどころか、お酒を片手に発表を聴くという私としてはまったくの予想外のスタイルにとても驚きました。ちなみに発表者もお酒を飲みながら発表して問題ありませんでした(私は飲んでいません)。そのため、セッションが始まってすぐは聴講者がいないどころか、発表する人さえもちらほらいない状況でした。正直に言えば、英語に自信がなかったこともありあまり来てほしくないという気持ちと、せっかく世界中の専門家・研究者が集まっているこの場所で自分の研究を聞いてもらい、どれだけ自分がこれまで取り組んできたことが通用するのかを試したいという気持ちがありました。相手から話しかけてくるというよりはこちらから話しかけていかないと話を聞いてもらえない場合が多く、こちらから話しかけるのはとても緊張しました。とはいえ、後半になると人がたくさん来たのでそんなことも忘れ必死で応対をしていました。はじめての国際会議ということを考慮すると自己採点ではぎりぎり及第点といったところでしょうか。

学会の合間には観光もしてきました。ヨーロッパの美しい街並みを眺めながら、馬が馬車を引く音を聞き、おしゃれな石畳の上を歩いているだけでとても新鮮で充実した気持ちになりました。現地の食については、とにかくビールとソーセージが美味で、昼間から飲むビールは格別でした(朝食のパンとコーヒーもおいしかったです)。また、ドイツやその周辺の国では白ワインが有名ですが、学会のディナーで飲んだ赤ワインもとても印象的でした。また、なぜかグラーツにはケバブのファストフード店が多数あり、気になって入ってみたところ、量・味・価格の三拍子そろった素晴らしいお店でした。ただ、英語が通じなかったのでドイツ語で注文してみたのですが、こちらも通じなかったようで、最終的にお店の人がカウンターから出てきてくれて、看板に書いてあるメニューを指差して無事注文できました(ドイツ語を履修していたので多少の自信はあったのですがダメでした)。グラーツはトルコ人の労働者が多いため、トルコ料理であるケバブのお店がたくさんあるとのことです。観光名所については、オペラハウスや武器博物館の歴史や文化を感じさせる煌びやかさには胸を打たれました。また、エッゲンベルグ城の城内と周囲の庭ではクジャクが放し飼いになっており、とてもかわいかったです。(個人的には、宿泊したグラーツのホテルにいた猫が一番でした)。遊びで行く海外旅行もいいですが、国際会議に参加するというような海外旅行もそれならではの経験ができてよかったです。

国際会議に参加し、研究発表はもちろんのこと、それ以外でも貴重な経験がたくさんできました。みなさんもこのような機会があれば積極的に参加してみてはいかがでしょうか。

2016.7.9 池内 岳仁(当時M1)


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