世田谷区議会第2回定例会代表質問  区議会議員 桜井純子

 第2回定例会は、6月10日から19日まで開会された。今回はやはり新型コロナウイルス感染に対する質問が多く、これまでの対応への批判から今後の対応強化など、それぞれの立場から質問がされました。私は会派の代表質問に取り組み、コロナ対策を基礎においた質問を行いました。
◎質問概要
持続可能な世田谷区をめざして
 主要テーマは、「今後取組む事業見直しの基本的スタンス」「保健所機能の強化」「市民活動への支援」などだ。
 コロナの影響は、区の財政にも大きな影響を与えている。2020年度予算は変更を余儀なくされることから、早速23億円規模の事業見直しが行われた。今後は、1年単位ではなく、少し長めの見通しを持った見直しが求められてくる。
例えば、新庁舎建設は大きな規模の財政負担も伴うことから槍玉に上げられやすい。ここで肝心なのは、なぜ、新庁舎建設に踏み切ったのか?という理由だ。
 3・11以降、災害対策の拠点として建替えの必要性に迫られ、数年に及ぶ議論が行われての決断だった。昨年秋には水害による被害を経験し、地震災害もSF的な話ではない。優先順位は高い政策であることから、計画の中止や規模縮小なども言われているが、今後の扱いを慎重にすることを求めた。
 区長は、「従来通りの事業の継続を前提とせず、どう変えていくのか本質的な見直しをする必要がある。単なるコストカットに留まらず、新型コロナウイルス対策とともに生きる地域社会づくりを展望し、感染症の拡大防止、区民の生活と民間、NPOとの事業の活動の維持・活性化、高齢者の社会参加の支援、子どもの育ちと学びの保障を柱に区民の参加と協働によって最優先で取り組んでいく」と答弁した。
また、保健所機能の強化については、今夏までに計画を示すと答弁している。

誰もが暮らし続けられる福祉都市世田谷をめざして
 主要テーマは、「介護現場への支援」「障害者施設への支援」。コロナ対策についてマニュアルを示すこと、障害者施設への経済的支援をすることなどを求め、前向きな答えを得ている。

学校教育のあり方と子どもが育つ環境について
 主要テーマは、「コロナ以降、世田谷区が目指す公教育のあり方」「対面が難しい状況を踏まえた虐待対応」など。公教育のあり方では、休校状態だった時に強く求められたのが、オンライン授業だった。
 今後は国が示すGIGAスクール構想などもあり、オンラインの活用は進んでいくだろう。しかし、子どもが育つ環境はどのようなものがいいのか?と考え、学校環境を考えることが重要だ。子どもは集団の中で成長していくことを保障することが求められる。
 教育長は、「学校教育の基本は、教科による学習や様々な活動を通じて、集団の中で共に学び合い、多様性を尊重しあう、インクルーシブな視点を大切にすることであると認識している。(オンライン学習を進めるにあたっては)家庭による通信環境の格差などの課題に配慮し、子どもたち一人ひとりを尊重し、様々な事情を抱えた子どもたちが、同じ場でともに学ぶことを支援するためのツールとしてICT環境も効果的に活用し、子どもたちにとって、より豊かな学校生活が実現できるよう、支援していく」と答弁した。

ジェンダー平等の社会をめざして
 主要テーマは、「DV被害者の現状認識と支援」「心のケア体制の充実について」など。外出自粛要請によるDVや子ども虐待の増加について、懸念について私から予算特別委員会で指摘したが、自民党中心にざわつき、その指摘が受け入れられないようだった。
 しかし、国連からはDVの増加に対し警鐘が鳴らされ、内閣府はDV相談の増設をし、実際に各自治体のDV相談センターの相談件数は1.3倍になった。世田谷区も相談事業の回数を増やすなど対応をとった。
 区のDVの現状について尋ねたが、「特別定額給付金の相談ではこれまで繋がっていなかったDV被害者から相談があり、多くのDV被害者が行政の支援もなく暮らしていることがわかった。今後も相談事業などの強化に取組む」とした。また、心のケアでは保健所を中心に、グリーフサポート事業などの強化に取組むと答弁があった。

感染症対策を視野に入れた災害対策を
 主要テーマは、「ボランティア受け入れの課題」「感染症対策を含む避難所運営の徹底」など。
 避難所運営では感染症拡大防止の対策が不可欠になった。避難所の数の拡大などに取組むとともに、ダンボールベッドなどの利用も検討することを求めた。
また、防災訓練などが中止になっている現状で、どのように災害対策を徹底していくのかが課題。また、ボランティアの受入れも感染予防の面では課題が多い。被災後の復興にはボランティアの存在は欠かせないが、これまでのような体制では不十分だ。
 区は、感染症対策を視野に入れた災害対策を作成し、避難所運営マニュアルに加えるとともに、小規模での訓練などを検討していくとのことだった。

環境都市世田谷をめざして
 主要テーマは、「気候変動非常事態宣言に拡大生産者責任の視点を」。SDGsの目標12は、「つくる責任つかう責任」を示しているが、環境配慮の行動は、レジ袋有料化やエコバッグや水筒持参など、消費者の行動変容に頼るものが多い。区が目指す宣言では、「つくる責任」についても求める必要がある。区は、宣言に生産者の責任を盛込むことについて前向きな姿勢を見せた。
*質問の詳細がお知りになりたい方は、ご連絡ください。質問と答弁をまとめたものをお渡しします。

◎代表質問とコロナ
 私たち会派では2人1組で代表質問に取組みます。今回は羽田議員が質問をお休みし、私の持ち時間10分と羽田議員の持ち時間10分。
 質問づくりは、社民党として代表質問を行うという意気込みを持って2人で相談をしながら作ります。
 ということで、今度羽田議員が代表質問の時は、私がお休みし、質問づくりを一緒に行います。こんな風に作っている質問です。ぜひ、一般質問も代表質問も傍聴にいらしていただければと思います。ちなみに、今回は20人くらいの方が傍聴にいらしてくださいました。
 現在は、議場ではマスク着用、というルールがあり、マスクをしたままの質問。息苦しくて、気が遠くなりそうでした(笑)!実際、質問時間をオーバーしてしまう人も数人出るなど、いつもと少し違う状況でした。本会議場も半分は控室で視聴するという対策もとりました。これがいつまで続くのか?早く終息してほしい、というのはみんなの願いです。

次回 第3回定例会 9月15日〜10月16日

(せたがや新報 第143号(2020年6月25日発行)より)

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