パターンランゲージでSDGs事業のコツを広める サスパタへの道(4)
PMI日本支部SDGsスタートアップ研究会の三木章義です。CSVのリファレンスカタログ作成に向けた活動 ~サスパタへの道~ 第4回です。どうぞ最後までお付き合いください。
持続可能な開発の促進が目的のサステナビリティ・パターンランゲージ、略してサスパタ
持続可能な開発を正しく理解して欲しい、そしてぜひ持続可能な開発の実現を一緒に目指して欲しい、といつも思っています。
持続可能な開発は、エコ活動や社会貢献活動と誤解されがちです。その誤解を解きたいと色々と発信しており、このnoteもその1つです。
先日も『SDGsオワコン説に負けず、持続可能な開発を実現するには?』というテーマで、3月16日開催のSDGsスタートアップセミナーで講演しました。本当はサスパタのドラフトが出来ていて大々的に宣伝をしたかったのですが、noteでお伝えしているとおり進捗が無くそれは出来ませんでした。
持続可能な開発を広めるには「何か」が必要です。「何か」はサステナビリティ・パターンランゲージと考えており、略してサスパタと呼んでいます。
パターンランゲージは、新しい「知恵の伝承&学び」の方法
2011年に、CSVの3原則を含む「資本主義を再発明する方法」と主張する記事をハーバード・ビジネス・レビューにマイケル・ポーターは投稿しました。そのタイトルが『Creating Shared Value』、略してCSVです。
それから10年以上経っても、CSVの成功事例はさほど聞こえてきません。先日のセミナーでも事例探しにメチャクチャ苦労し、結局紹介したのは2013年という大昔の記事から抜粋しました。
成功事例の公表が少ないから成功していない、は短絡的と言われそうです。しかし、成功事例だけでなく、CSV推進のガイダンスやフレームワークも増えていないことに鑑みると、停滞と見て間違いないでしょう。
何かを始めようとして、原則だけを聞いて実行できる人はそうは居ません。具体的な進め方が分からないと、多くの人は始める気にもならないからです。
そこで目を付けたのがパターン・ランゲージです。
社会課題を解決しつつ利益も出してるビジネスの事例から特徴的なパターンを抽出し、それをパターン・ランゲージにして提示すればとっても有益では、と考えました。
サスパタが世に出て多くの人に読んでもらえれば、CSVに挑戦する人がもっともっと増えるはず、と信じています。
賛否両論のCSVだが、持続可能な開発実現への最も現実的な解
今回はCSV普及のキーの1つと考えているパターン・ランゲージの利用について書きました。
CSVは持続可能な開発と無関係で、単に利益を強欲に追求する資本主義にお墨付きを与えただけ、という意見が欧米で多いのも事実です。けれども民主主義が最善でなくても他に良いシステムが無いのと同様、現状において持続可能な開発実現の最も現実的な解はCSVだと思います。
サスパタ、早く完成させたいですね。