【0296】目標4:質の高い教育をみんなに
SDGsの17の目標、169のターゲット、232の指標を改めて今の知識で振り返ってみるシリーズ。目標とターゲットの参考は、一番分かりやすい(と思っている)Think the earthさんのサイトからお借りします。
目標4 全ての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する
SDGsの達成度合いの中でも、日本の現状では数少ない「達成見込み(2019年時点)」ですが、そのうちの一つがこの目標4です。
のように、日本の義務教育の状況からするとほぼ達成できていることが、ターゲットの多くに設定されています。
○教育の目的は当たり前だけど職につくためのもの
識字率の向上なども指標に入っていますが、質の高い教育の目的のほとんどは「手に職を持って仕事につけること」という想いがあるようです。例えば
というものもあり、識字率的な本当の基本的な教育と同様にICTスキルというものが位置づけられています。
日本は、この辺の分野では遅れをとっているところもあると思いますが、今後はオンライン学習のための小学生全員へのタブレット配布など、ICTスキルやリテラシーの向上も進んでいくかもしれませんね。
○SDGsについて教えることもターゲット
他の目標にはない特長として、SDGsや地球市民とはなんぞやという教育そのものを教育するということもターゲットの中に含まれています。
持続可能な平等・人権について教えるということがすべての教育段階で要求されている内容。最近は高校や大学でもSDGsのカードゲームファシリテーターをしますが、若い世代ほどSDGsについての知識があるという状況も普通になっていくかもしれません。
バリには、こんな施設があったり
日本国内でも徳島県上勝町にゼロ・ウェイストを学べるホテルというものができたりしています。
※GWにあわせたオープン予定でしたが、5月末オープンに延期中。
○教育市場は世界に広がったのでは?
この目標からわかる通り、日本では当たり前な義務教育も世界に目を向けるとまだまだ到達していない国はたくさんある。という状態です。
日本の中でもオンライン授業というのはまだ普及していないところがありますが、今後その動きは加速し、プレイヤーも大量に出てくると思います。ここ、多言語の字幕をつけるだけで、一気に対象が世界に広がることになるので、日本国内だけだと儲からなくてストップしてしまうような教育事業も、世界への配信を前提に実施すると、可能性がかなり広がるのでは。と思います。
○教育の問題は教育では解決できない
これも有名な話ですが、教育の目標達成は特に、「教育機会を提供する」というストレートなソリューションだけでは達成が難しいものです。
有名な広告ですが、水を(それも衛生的じゃない)汲みに行くために、学校に通えないという状態があります。水のため以外にも、畑仕事や食料確保、ゴミの中からの資源探しなど、労働力として使われてしまうことによって、せっかく作った学校などの教育機会を得ることができない。という問題。
まずは、飢餓を。まずは、貧困を。という固結びになった紐をほどくようにアプローチしていかないといけない課題。せっかく日本は達成状況にあるテーマ、根気よく紐ほどきをするアプローチで貢献していけるといいなと思います。