【0304】目標11:住み続けられるまちづくりを
SDGsの17の目標、169のターゲット、232の指標を改めて今の知識で振り返ってみるシリーズ。目標とターゲットの参考は、一番分かりやすい(と思っている)Think the earthさんのサイトからお借りします。
目標11 包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
目標11はまちづくりのお話。目標9でも道路などのインフラ整備はありましたが、それは産業基盤を固めるという発想のターゲット。こちらは、人が住むのに「安全かつ強靭(災害から復活しやすい)」まちづくりという発想の目標です。
なので、最も基本的な身体の安全という意味で、
全てのスラムの改善・災害対策・汚染対策というものが掲げられています。
他には、あらゆる人が使いやすい交通網の整備や、都市計画、文化遺産の保護、公園等の公共施設の安全化などがターゲット化されています。
◯日本は最先端の防災の現場
土地柄、日本は災害が非常に多い国。台風は毎年くるし、地震も多く、大規模に都市を復興させてきた経験とその都度見直される基準や家づくりの技術によって、非常に災害への技術・知見がたまっているとも言えます。
そのおかげもあってか、災害や「レジリエンス」という言葉がつく目標・ターゲットの指標として複数の場所で採用されているのが、
こちらの仙台防災枠組み2015-2030。
東日本大震災の被害の大きかった仙台で行われた国際会議で決められたもの。この前身にあたるのは「兵庫行動枠組み2005-2015」で、こちらは阪神・淡路大震災のあった兵庫で決められたもの。
数十年に渡って、防災のことを決める現場として日本の都市が選ばれています。
◯スラムの改善を何からはじめるのか
エリアがスラム化していく原因には、経済の問題・人口増加など様々あると思います。道路を整備すれば、物流が加速してヒトとモノが動き、経済が活性化してスラムが改善するかもしれないし、増えた人口に対してキチンと職があれば、スラムが改善するどころか国全体の富につながるかもしれないし、教育が改善すれば安定した職につける人が増え、スラムが改善するかもしれない。いろんなスタートがあると思いますが、それを「食」ではじめているアメリカのとある街の事例があります。
食(農業)を通じて、教育や地域経済に貢献し、土地の力があがっていくという取組。こういうところから地道に住む土地をよくしていくというやり方は、民間でも(むしろ民間の方が)実現に向けて動きやすいことかもしれず、地域の中での関係性というものは、街の経済に貢献する可能性を秘めているとも言えます。そう思うと、おばさんの井戸端会議や近所のカミナリオヤジも、実は長い目で見ると経済貢献の一つなのかもしれません。
◯創造的過疎やゆるやかな移住も都市計画
持続可能な都市計画というものもターゲットの中にありますが、世界では人口が増加することが課題となっていて、その中での都市計画という課題がありますが、日本はその逆の人口減少。
都市化にむけた計画だけじゃなく、過疎化していくエリアの都市計画や、過疎化エリアを含む(都)道府県の全体での都市計画が必要という、これまた世界に先んじた課題対応の実現が求められています。
徳島県の神山町の「創造的過疎」は2030年以降の次世代での世界の課題への一つの姿かもしれないし、
オンラインでの関係構築からはじまる、ゆるやかな移住や関係人口のマッチングというカヤックさんのSMOUTなども、その解決策の一つかもしれません。
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