【0234】SDGs✕Tech:TOAワールド・ツアーTOKYO⑤
TOAワールドツアーTOKYOに行ってきたお話のの続き、最後です。
その④はこちら
その他にも気になった取り組みがいくつかあったので、紹介させていただきます。
発酵技術でつくるゴミゼロの循環型社会
産業廃棄物のりんごの絞りカス等からつくるサステナブルアルコールを作っている会社「FERMENSTATION」さん。
未利用資源やフードウェイストだけを資源にアルコールを作っているそうです。
実は日本では数社しかアルコールをつくれないそう。しかも原料から作れる会社は実はここだけなんじゃないかとのこと。
普通、アルコールと聞くと、消毒とかに使われるあの匂いを想像すると思いますが、あれは工業的に作っているためにあの匂いのみのものが流通しているそうで、このFERMENSTATIONさんが作るアルコールでは、原料に使ったりんごなどの香りが残っているそうです。もちろん消毒とかそういった機能は持ち合わせたまま。
HPのトップにも紹介がありますが、米からつくったアルコールは、米のカスも飼料として使ったり、石鹸としても使うなど。飼料を食べた鳥のフンはもちろん、その後米を育てる肥料になるそうで、サーキュラーエコノミーがデザインされた状態。
トレーサビリティもあり、オーガニック認証もとれているアルコールはこれくらいしか見当たらない。そんな事業をされているそうです。
SEX, FOOD & SPECULATIVE
アーティストであり、東京大学大学院 特任研究員の長谷川愛さんと今回のイベントの主催のインフォバーンの小林さんとのパネルセッション。
いきなり「SEX」についての議論からスタートでしたが、これからの時代に変化しうる「性」についての話。技術的には女性と女性から子供を作ることができるようになるよね。というところから性を考えるという、長谷川さんの作品からのお話でした。
想像の話だけからビジュアル化しているのではなく、学術的な研究もベースに本当に実現したらどうなるかをビジュアルにしている。という点では、オープンミールズとも通じるところはある内容でした。
ここから、じゃあ「たくさんの親を持つ子供:シェアドベイビー」というのも可能ってこと?という話にも広がり、これも作品があるそう。
デザインベイビー等もこれと同様のところがあると思いますが、遺伝的にたくさんの親を持つ状態、つまりはたくさんの大人が「この子は自分の子どもだ」と言える状態。そうなった時に、全員が生まれてくる子どもに対して愛情を持っていたら、「名前は何にする?」という話し合いが、「いや、そもそも名字からじゃないの?」という話し合いになり、名字さえ異なる子供の名前を考えるという話にまで発展したそうです(たぶんそんなワークショップをしてみたという話だったと思う。)。
技術的に可能だけど、やらない。で終わらずに、
もしやったとしたら、どんな議論をするんだろう?という問いから、自分たちの価値観と価値観のスキマを埋めるような深い気づきを促す作品だと思います。
ライフテック
今回のイベントに参加してみて。
テクノロジーやビジネスは世界の変容を受けながら色々と進む。進みまくる。めちゃくちゃポジティブに受け取られるものもあれば、賛否両論のものもあるし、その状況も外部環境が変容すれば、また捉え方も変わる。
思考停止せずに色んな可能性に対してホントのところで考えるようにしなきゃなと、色々考えさせられました。