【0302】目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
SDGsの17の目標、169のターゲット、232の指標を改めて今の知識で振り返ってみるシリーズ。目標とターゲットの参考は、一番分かりやすい(と思っている)Think the earthさんのサイトからお借りします。
目標9 強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
目標8に続き、経済発展系の目標。目標9はその中でも「道路」などの基本的なインフラ普及や、産業の持続可能性の向上(ものづくりの付加価値化と環境負荷低減の両立)、研究者を増やす。という基盤づくりのターゲットが多い目標です。
例えばこんな感じで道路増やそう的な話とか、
こんな付加価値の増加とか(主に製造業の)。
そうやって高めた付加価値あたりのCO2排出量とか。
こういう、研究開発資金とか研究者の数をちゃんと増やそう。というターゲットです。
この中でも研究への投資というのが、その他すべてのイノベーションに関わることなので、非常に重要なところですね。
○リープフロッグなアフリカで言うと
物流が進めば産業の基盤になる。という観点からの道路整備がターゲットになっていますが、例えばそれが揃っていないアフリカで言うと、一足飛びに(リープフロッグ)ドローン物流が整備されていくということもありえそうです。
この辺は非常に有名です。
そう思うと、この「付加価値」や「インフラ整備」という部分では、研究者の存在もさることながら、アントレプレナーの存在も非常に大事ですね。Ziplineの例で言うと、技術はすでに存在している。だけど社会実装がされていなかったという状態だと思うので、それを実現してしまう実行者の存在が不可欠だと思います。
○クリーン技術と製造の付加価値は研究が必要
ものは作るんだけどCO2を排出しない。とか、排出したCO2を再利用する。とかそういった環境負荷低減のクリーン技術や、それをもって製造物に付加価値をつけるという分野には研究者の存在が大事ですね。
こういった、CO2そのものを素材や燃料や、果ては肉にまで変換する。というのは、普及時にはアントレプレナーの存在が必要だと思いますが、まずは研究開発が必要。このあたりには、すぐにはお金になりにくい基礎研究も必要だと思うので、民間に期待するのではなく、国などの単位で推進する必要がありそうです。
そう。基礎研究も大事。
○オープンイノベーションはホントか?
この目標内では、研究開発と付加価値の話が一緒に出てきます。ただ、付加価値をつけるということは他者には無いものをつけるということでもあると思います。その発想は、もちろん研究開発内容は極秘裏に進められるし、独占したくなるし、まあ、とにかく、「基盤化」と呼べるほどの普及には阻害要因な気がします。
↑トヨタやダイキンやデンソーの特許の無償開放による、産業の普及の話。
企業としても国家としても、囲い込みによる収益化は重要ですが、大きな産業や基盤をつくるという視点で、オープンイノベーションを進められると良いなと思います。またその時の目的も「自社に大きな利益をもたらす産業を作るぞ」は、実は中盤の目的で、本当の最終の目的はその先の「世界が幸せになりますように」というところにあることを認識しながら、進んでいくと良いですね。
まさにこれ。
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