【0295】目標3:すべての人に健康と福祉を
SDGsの17の目標、169のターゲット、232の指標を改めて今の知識で振り返ってみるシリーズ。目標とターゲットの参考は、一番分かりやすい(と思っている)Think the earthさんのサイトからお借りします。
目標3 あらゆる年齢の全ての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
健康に関する目標。これはめちゃくちゃ広いです。
妊産婦に新生児、マラリアやエイズ、糖尿病だって、アルコール依存だって薬物だって、出生率もだし、たばこ規制もだし、小さな島国の医療従事者数、大気汚染や水質汚染まで。もっというと、交通事故まで。
ターゲットの数も多いし、そのカバー範囲も非常に人生です。
○指標など数値が明確
保健・医療関係の目標ということもあって、ターゲットや指標に規定されているものが他の目標に比べると「このラインをクリアしましょうね」という基準線が数値でしっかりしているものが多い印象です。例えば、
こんな感じ。医療の現場でここが一つの目指すべき線だ。というのがあるのだと思います。
○日常に潜む健康などの被害も
健康という言葉ひとつとっても、途上国での健康課題と先進国での健康課題は全く異なると思います。前者であれば、マラリアやエボラなど熱帯地域での感染症というものがよく問題に上がりやすいと思います。顧みられない熱帯病NTDsについても以前少しとりあげましたが、
こういった撲滅すべきだけどちゃんと見られていない病気もあれば、
というターゲット・指標もあり、慢性の病に関する課題まであります。
健康"など"の被害と書いたのは、この目標のターゲットには交通事故の被害を減らすというものまであるし、アルコール・薬物依存を減らすというものまで。
解決方法も医療の充実だけでなく、レベル5の自動運転まで広く必要になりますね。アルコールに至っては、明確にこの目標内でアルコール飲用量まで指標に記載があるため、アルコールメーカー各社の社会的責任を問う内容にもなっているなと思います。
○世界に貢献できうる日本メソッド
SDGsの中では、「達成すべきこと」としてターゲットに規定されているもので、日本はすでに達成していて、その方法が世界に貢献できるものがあります。
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(Universal Health Coverage : UHC)というもの。
といういわゆる国民皆保険状態の達成。これによって日本の平均寿命が世界的に見ても高い状態だそうです。
他には「母子手帳」についても同じく日本のメソッドが世界に輸出できているそうです。
(余談ですが、最近は"母子"手帳ではなく親子健康手帳と呼ぶと思っていたら自治体によるようです。)
目標1貧困→目標2飢餓ときて、目標3健康。日本人感覚の「健康」というと貧困や飢餓に比べると課題感がマシな分野なのかな?と思いきや、これもさらに広い課題と解決策の必要なチャレンジングな目標です。
・ヘルステック
→しかも医療現場から日常の問診、日常生活での健康管理も
・自動運転
・MaaS
・生物多様性
・気候変動
・栄養課題
などなど、関連するテクノロジーやテーマもたくさん。たくさんのステークホルダーが認識しておくべき目標だと思います。