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世界で一番注目されている企業「エルステッド(オーステッド)」
デンマークにある企業「エルステッド(オーステッド)社」
この企業が実は世界中から注目を浴びているのはご存知でしょうか?
そこで本日は「デンマークにある企業エルステッド(オーステッド)社」を徹底リサーチ!
・エルステッド(オーステッド)社ってどんな企業なのか?
・なぜ世界中から注目を集めているのか
といった2つの疑問に解決できるように詳しく解説をするので、ぜひ最後までご覧ください。
◆まずは企業のある国「デンマーク」から調べてみよう
アンデルセン童話「人魚姫」などで有名なデンマークですが、まずは「エルステッド社」を知るためにも本拠地であるデンマークから調べてみましょう。
【デンマーク王国】
首都:コペンハーゲン
国土面積:約43,094km
人口:約581万人(2019年デンマーク統計局)
国土や人口はそれほど大きくないのが特徴ですが、日本とデンマークを比較した時にどうしても異なるポイントが3つあります。
①デンマークの税金の高さ
②マイノリティに理解のある国民性
③福祉の充実度
といった3点が日本とは大きく異なります。
税率は日本が10%なのに対して、デンマークは25%です。
日本の2.5倍だと考えるととても高額に感じますよね。
しかし税金の使い道もしっかりとしているのがデンマークの特徴です。
軽減税率も導入されていますが、徴収した税金はきっちりと国民へ還元されます。
たとえば医療費の無償化や大学までの学費が無償化など…
日本は福祉が整っている方ではありますが、デンマークはそのさらに上を行くのが特徴です。
さらに、国民性の特徴としてマイノリティに悩む人々に対しても寛容のため同性婚なども可能なのがデンマークの魅力のひとつ。
セクシャルマイノリティに悩む人たちもデンマークへの旅行の満足度が高いのは、国民のマイノリティ者への理解があるからかもしれませんね。
◆デンマークはSDGsにも積極的な国
デンマークの特徴としてあげられるのは「SDGs」に積極的な企業という点にもあります。
2020年7月に国連が発表した「The Sustainable Development Goals Report 2020」では、SDGsの目標別で世界での達成度を点数化してランキングで見事2位にランクイン!
日本でも積極的に取り組まれているSDGsですが、デンマークは日本の日ではありません。
《SDGsとは》
SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは「サスティナブル・ディベロップメント・ゴールズ(sustainable development goals)」の略称で、持続可能な開発目標という意味。
2015年9月の国連サミットで採択された。
2016年から2030年という期間のなかで、SDGsで定められた目標に対して国連加盟国は主体的に取り組まなければいけない。
《SDGsの目標》
テーマ 『誰も置き去りにしない世界』を目指して
目標1 「貧困をなくそう」
あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
目標2 「飢餓をゼロに」
飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する
目標3 「すべての人に健康と福祉を」
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
目標4 「質の高い教育をみんなに 」
すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
目標5 「ジェンダー平等を実現しよう」
ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを図る
目標6 「安全な水とトイレを世界中に」
すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
目標7 「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」
すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
目標8 「働きがいも経済成長も」
包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
目標9 「産業と技術革新の基盤をつくろう」
強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
目標10 「人や国の不平等をなくそう」
各国内及び各国間の不平等を是正する
目標11 「住み続けられるまちづくりを」
包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
目標12 「つくる責任 つかう責任」
持続可能な生産消費形態を確保する
目標13 「気候変動に具体的な対策を」
気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
目標14 「海の豊かさを守ろう」
持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
目標15 「陸の豊かさも守ろう」
陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
目標16 「平和と公正をすべての人に」
持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
目標17 「パートナーシップで目標を達成しよう」
持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
SDGsについての詳細はnoteでも発信中なのでこちらもあわせてチェックしてみてください。
デンマークについてはnoteでも詳しく取り上げているので、こちらも参考にしてみてくださいね☆
◇エルステッド(オーステッド)社ってどんな会社?
それでは実際に、デンマークにある「エルステッド(オーステッド)社」についても詳しく確認をしていきましょう。
《エルステッド(オーステッド)社》
本社所在地:デンマーク
設立:2006年
業種:電気事業
【参考:オーステッド Wikipedia】
「エルステッド(オーステッド)社」は、風力を中心に太陽光エネルギーや水素エネルギーなどの再生可能エネルギーの開発や建設、運営をしている企業です。
デンマークのフレゼリシアに本拠を構え、デンマークで生活する人々のエネルギー供給を行なっています。
設立を見るとここ最近に感じるかもしれませんが、実は1972年から設立はされていました。
では、設立の秘密もかねてエルステッド社についてさらに詳しくみていきましょう。
◇エルステッド(オーステッド)が注目されている理由を取り組みから読み解く
それでは実際にエルステッド(オーステッド)社が注目されている理由をひとつずつ確認していきましょう。
◆事業転換をして再スタート
日本でも起きた「オイルショック」
この記事を読んでいる方の中には、トイレットペーパーを手に入れるために苦労したという方もいらっしゃるかもしれませんね。
1970年に二度発生したオイルショックは、原油の価格高騰に伴い世界経済が大きく混乱した事件です。
そんなオイルショックでダメージを受けたのではなく、エルステッド社のあるデンマークも同様です。
元々、エルステッド社は石炭火力に依存をしている企業でした。
現在の電力発電とは異なる発力事業を展開していました。
しかし、オイルショックを受けてデンマークでは「石炭火力に依存をするのをやめよう」といった取り組みが行われます。
原子力発電にするのか電力発電にするのかといった二極化にわかれましたが、原子力発電の危険性を考慮してデンマークでは「電子力発電を主流にする」といった動きがはじまりました。
その結果、石炭火力発電に依存していたエルステッド社も事業転換をしようと足を踏み入れる結果に…
現在では、風力発電などを中心に再生可能エネルギーに力を入れる企業として見事に転身!
そして2006年に風力発電事業に力を入れている企業と合併したため、設立がここ最近になったというわけです。
◇事業転換だけではない意識の高さ
CO2の排出量の多さは日本だけではなく世界でも問題視されています。
エルステッドではそんなCO2の排出量問題にも積極的に取り組んでいるのが特徴です。
たとえば、
・2050年までにCO2ゼロの鋼材を使用率を100%にする
・2050年にカーボンエネルギーとは断絶を目指す
といった志しの高い目標を掲げています。
そんな目標を掲げるのも、エルステッド社の所在地がデンマークであることと深く関わりがあるかもしれませんね。
◇千葉県銚子にエルステッド社の拠点がある
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、実はエルステッド社は日本にも進出しています。東京電力との共同出資をきっかけに「銚子洋上ウインドファーム株式会社」を設立しているんですよ♪
日本は再生可能エネルギーよりも原子力発電に依存しがちです…
原子力発電のすべてが悪いわけではありませんが、依存しすぎてしまっては危険意識が低くなるためあまり良いことではありませんよね。
そこで再生可能エネルギーの技術が高いエルステッド社と協力をすることで、日本の電力発電にも新しい波を取り入れていこうとしています。
エルステッド社の高い技術的指導は日本をはじめ世界各国でも注目されているのが特徴です。
◆世界でもっとも持続性のある企業3年連続1位
毎年1月に行われるダボス会議では「Global100 Most Sustainable Corporations in the World(Global100Index)」という、サスティナビリティな活動をしている世界企業を評価するセッションがあります。
そこで「世界でもっとも持続可能性のある企業100社」として発表されているランキングで「エルステッド(オーステッド社)」は3年連続1位という素晴らしい結果を残しています。
世界で多くの企業がSDGsに対して取り組んでいる中でも、1位という順位を3年も連続で受賞できることはとてもすごいことだというのは理解できますよね。
ランキングの結果を受けて、世界からはエルステッド社の取り組みを真似したり技術的指導をもらおうと日本のように企業が協賛しているんです。
日本のほかにも、ベトナム、バルト三国、ポーランドでも大規模洋上風力発電所を建設することで再生可能エネルギーを広めていくという活動も評価されています。
ただ自分たちの企業だけを大きくするのではなく、他社に技術的指導を行うことで世界全体を良くしていこうというエルステッドの姿勢は日本でも取り入れていきたいですね。
◇エルステッド(オーステッド)社から見習うべきこと
デンマークにあるエルステッド社は、世界でももっとも持続可能性のある企業として選ばれるほど世界中から注目されている企業です。
その理由には、
・デンマークがSDGsに積極的な国である
・事業転換が成功した
・エルステッド社の目標の高さ
・他国への貢献
といったものがあげられます。
そんなエルステッド社の取り組みを私たちは「へぇ、そうなんだ」と終わらせるのではなく、日本ではどのように取り入れられるのかどこを真似していけばいいのかを考えていくことに意味があるのではないでしょうか。
また、一個人である私たちも「ひとりでは何もできない」と考えるのではなく企業の取り組みを支持できるような消費活動が大切です。
SDGsに対してわたしたちが取り組めることについてはnoteでも発信をしています。ぜひこちらもあわせてチェックしてみてくださいね。
◇まとめ
いかがでしたか?
今回は「エルステッド社」をピックアップしてご紹介してきました。
世界中から注目されている企業でもある「エルステッド社」のSDGsへの取り組みについてぜひ自分なりに考えてみてくださいね。
そして、この記事がみなさまのSDGsへの考え方のきっかけになれば幸いです。
今回ご紹介したデンマークにある企業に関わるデンマーク関係のSDGsや北欧エリアのSDGsについての取り組みや事例が気になる方はこちらの記事がおすすめです。
【参考サイト】
・世界の消費税ランキング
・オーステッド、ハーバードビジネスレビューの「事業転換に成功したグローバル企業トップ20」に選定
・オーステッド は世界で最も持続可能なエネルギー企業にランクインしました-3年連続
・The Top 20 Business Transformations of the Last Decade
・Sustainable Japan|オーステッド