SDGsを地方創生に活かすための取り組み
都心を中心に回っている印象のある日本。一見、今のままでも良さそうに感じますが、日本全体で成長していくためには地方創生の取り組みを実施し、地方を活力のあるものにしていかなければなりません。
近年、SDGsが採択されて以降、地方創生に励んでいる地域が増えています♬そこで今回は、SDGsを地方創生に活かすため取り組みを見ていきましょう!
■社会問題を無くして持続可能な社会を築くSDGs
現代社会の問題を解消し、サステナブルな社会を築くことを目的としているSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、2015年に開催された国連サミットにて採択された17個の目標と169個のターゲットで構成されている国際目標です。
【SDGs17の目標一覧】
・目標1「貧困をなくそう」
あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
・目標2「飢餓をゼロに」
飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する
・目標3「すべての人に健康と福祉を」
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
・目標4「質の高い教育をみんなに 」
すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
・目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを図る
・目標6「安全な水とトイレを世界中に」
すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
・目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」
すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
・目標8「働きがいも経済成長も」
包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
・目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」
強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
・目標10「人や国の不平等をなくそう」
各国内及び各国間の不平等を是正する
・目標11「住み続けられるまちづくりを」
包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
・目標12「つくる責任 つかう責任」
持続可能な生産消費形態を確保する
・目標13「気候変動に具体的な対策を」
気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
・目標14「海の豊かさを守ろう」
持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
・目標15「陸の豊かさも守ろう」
陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
・目標16「平和と公正をすべての人に」
持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
・目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」
持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
SDGsは2030年を取り組む期限としています。
世界中の国や企業、自治体などが一丸となって17個の目標をクリアすることを目指し取り組みを実施しているんですよ♪
■地方創生とは|人口の東京一極集中を緩和し将来に渡って活力ある地域を目指す取り組み
人口の東京一極集中を緩和させることは、過疎化を防ぎ活気のある地域にしていく上で重要なこと。
国土交通省の資料「国土交通白書 2020」によると、バブル崩壊以降東京圏の転入が続いていて、日本の人口のうち約30%に当たる約3,700万人が東京圏で暮らしているんだとか・・・!
北海道、石川県、山梨県、静岡県、京都府、沖縄県は、全転出超過数に占める東京圏への割合は9割を超えているんだそうです。
とくに問題とされるのが若者の転出。
若い働き手が地方を離れることにより、活気が無くなり地域経済も悪化、新たな人材を迎い入れるための雇用創出もままならなくなり、最終的には過疎化してしまう恐れも。
こうした事態を回避するため、各自治体で地方活性化のための取り組みや転入者を優遇する施策などで地方創生を図っています。
政府による地方創生支援と合わせて取り組まれているのがSDGs!
SDGsに根差した取り組みによって、一貫性を持って地域・住民・環境にとって、よりよい町作りを進めることが可能に!さらに、政府からの施策によって地域のアピールと補助金による支援も受けることができちゃいます★
■政府による取り組み「SDGs未来都市」
政府によるSDGs普及活動のひとつに「SDGs未来都市」があります。
SDGs未来都市は、SDGsを活かしたまち作りに取り組んでいる自治体を政府が選定するもの。
SDGs未来都市に選ばれた中から、さらに優秀な取り組みをしている自治体は「自治体SDGsモデル事業」にも選定され、補助金による政府からの資金援助を受ける資格を得ることができます♬
2020年に自治体SDGsモデル事業に選定された自治体は以下の通り。
「自治体SDGsモデル事業(2020年)」に選定された自治体と事業名
・宮城県石巻市:コミュニティを核とした持続可能な地域社会の構築
・東京都豊島区:国際アート・カルチャー都市 実現戦略実施事業
・石川県金沢市:市民生活と調和した持続可能な観光の振興~「責任ある観光」により市民と観光客、双方の「しあわせ」を実現するまち金沢~
・三重県いなべ市:グリーンクリエイティブいなべ~グリーンインフラ商業施設「にぎわいの森」から、カジュアルなSDGs推進を世界へ~
・京都府亀岡市:「かめおか霧の芸術祭」 x X(かけるエックス)~持続可能性を生み出すイノベーションハブ~
・大阪府・大阪市:大阪発「大阪ブルー・ オーシャン・ ビジョン」推進プロジェクト
・大阪府富田林市:富田林発!「商助」によるいのち輝く未来社会の実現プロジェクト
・岡山県倉敷市:多様な人材が活躍し,自然と共存する“持続可能な流域暮らし”の創造事業~高梁川流域圏の発展は倉敷市の発展~
・愛媛県松山市:“観光未来都市まつやま”推進事業
・沖縄県石垣市:石垣SDGsプラットフォームを活用した「離島におけるSDGs課題解決モデル(=石垣SDGsモデル)」構築事業
これらに選定されることで、地域のアピールにも繋がります★
■企業の取り組み事例|カードゲームで地方創生を学ぶ「SDGs de 地方創生」
「SDGs de 地方創生」は、SDGsと地方創生について学べるカードゲーム。2020年から2030年までの10年間のまちづくりをシミュレーションできるゲームとして注目されていて、全国でイベントも開催されています。
SDGs de 地方創生の特徴は4つ。
①実際の自治体の取り組みを題材にしている
②プレイヤーが行政担当と役割が与えられた住民に分かれる
③「人口」「経済」「環境」「暮らし」の4つの指標でまちの状態を表す
④アクションカードによって、まちの状態が良くも悪くもなる
カードゲームをしてみると、かなり頭を使います。しかし、SDGsを地方創生にどのように活かしていくのか、そしてその難しさを知ることができます♬
■地方に足を運んでみよう!
今回はSDGsを活かした地方創生の取り組みを2つご紹介しました。
リモートワークが普及したこともあり、東京を転出する人も増加中です。
もし、地方での暮らしを経験してみたい方がいたら、体験宿泊や移住支援金なども豊富に用意されているので、自治体のホームページをチェックしてみてください★