2021年企業ランキング『Global 100 Index』TOP10と常連企業の取り組み事例
SDGsに取り組む企業は多くありますが、その規模は大小さまざま。SDGsアイコンが表示されているものの、その効果や透明性が低い企業も少なくありません。
実際に社会問題に多大な貢献をしている企業がどこか気になりますよね。
そこで今回は、企業ランキング『Global 100 Index』をもとに、世界でトップクラスの評価を得ている企業2社の取り組み事例をご紹介します。
SDGsとは?|基本内容と目標内容をおさらいしよう!
SDGs (Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、社会問題の解消と持続可能な社会の実現を目指し、2015年の国連サミットで採択された『2030アジェンダ』を実現するための国際目標です。
目的を果たすため、SDGsは17個の目標と169個のターゲットが定められており、2030年を期限に取り組まれます。
✅SDGsの目標一覧
・目標1「貧困をなくそう」
・目標2「飢餓をゼロに」
・目標3「すべての人に健康と福祉を」
・目標4「質の高い教育をみんなに 」
・目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
・目標6「安全な水とトイレを世界中に」
・目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」
・目標8「働きがいも経済成長も」
・目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」
・目標10「人や国の不平等をなくそう」
・目標11「住み続けられるまちづくりを」
・目標12「つくる責任 つかう責任」
・目標13「気候変動に具体的な対策を」
・目標14「海の豊かさを守ろう」
・目標15「陸の豊かさも守ろう」
・目標16「平和と公正をすべての人に」
・目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」
▼ターゲットはコチラ
ダボス会議にて毎年ランキングを発表している|2021年Global 100 Index
SDGsに取り組んでいる企業は、毎年開催される世界経済フォーラムの年次総会、通称『ダボス会議』にて、取り組み評価がスコアリングされ、ランキングとして発表されています。
それが『Global 100 Most Sustainable Corporations in the World (世界で最も持続可能性のある企業100社)』。
ダボス会議で公表され、カナダの出版社Corporate Knights(コーポレート・ナイツ)社が発表します。
このランキングはGlobal 100 Indexと呼ばれており、サステナブルの観点からランキングされているもので、社会問題・環境問題に取り組み、実際に成果を上げている企業を知れるため、ステークホルダーからの関心も高いです。
2021年最新のGlobal 100 Index TOP10、及び日本企業の順位は以下の通り。
✅Global 100 Index
1位:シュナイダーエレクトリック(フランス)
2位:エルステッド(ノルウェー)
3位:ブラジル銀行(ブラジル)
4位:ネステ(フィンランド)
5位:スタンテック(カナダ)
6位:マコーミック(アメリカ)
7位:ケリング(フランス)
8位:メッツォオートテック(フィンランド)
9位:アメリカンウォーターワークス(アメリカ)
10位:カナディアンナショナル鉄道(カナダ)
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16位:エーザイ(日本)
32位:シスメックス株式会社(日本)
41位:コニカミノルタ(日本)
51位:積水化学工業(日本)
71位:武田薬品工業(日本)
Global 100 Indexは、SDGD勧告による透明性も重要なものとなっています。
SDGD勧告は、『ガバナンス』『戦略』『マネジメントアプローチ』『目標とパフォーマンス』の4項目をテーマに開示するフレームワークのことで、投資家や監査機関が中心となって作成され、2020年1月にIIRC・ACCA(公認会計士協会)・ICAS(公認会計士による専門機関)などが公表しました。
SDGD勧告による情報開示を適切に行い、ステークホルダーや投資家からの信頼を得ている企業は社会的な評価が高まる傾向があります。
エルステッド社の取り組み事例|洋上風力発電所を世界で始めて建設!東京電力とのパートナーシップも!
1972年に国営の電力・ガス会社として創業した後、2009年にデンマークでCOP15(第15回気候変動枠組条約締約国会議)が解されたことをキッカケに再生エネルギー事業にシフトしたエルステッド社。
同社は、2020年のGlobal 100 indexで1位を獲得しました。
エルステッド社は、2025年までにカーボンニュートラル実現を掲げており、2006年比で80%以上のCO2削減を達成しています。
✅カーボンニュートラルとは
CO2排出量をエコ活動や自然のCO2吸収量でプラスマイナスゼロにすること。
現在の主な事業は洋上風力発電所の建設。
世界初を含め、これまでにヨーロッパを中心に洋上風力発電所を建設してきたエルステッド社は、2019年から東京電力とパートナーシップを締結し、日本の洋上風力発電所建設に尽力。
日本の洋上風力発電所『銚子沖洋上風力発電所』の商用化を実現しました。
クリスチャン・ハンセン社の取り組み事例|「食」を通して世界共通の課題に対処する
クリスチャンハンセン社は、乳酸菌をはじめとするプロバイオティクスの先駆者として知られる世界的企業です。
同社では、「Our purpose is to deliver natural innovative solutions that address global challenges by advancing food, health and productivity.」と公表。食、健康、生産性を向上させることで世界の課題に対処していくとしています。
SDGsにも積極的な取り組みを見せる同社では、目標だけでなくターゲットまでも分析し、自社の取り組みがどんな社会問題に貢献しているのかを示しているのが特徴です。
意外と思われるかもしれませんが、ターゲットまで分析し、ステークホルダーに対して明確にレポートを報告している企業はほとんどありません。
✅レポート:Let’s grow our future. Naturally.
例えば、同社が貢献するとする目標12については、ターゲット12.3”2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。”に貢献するための取り組みとして、ヨーグルトの廃棄量を70万トン削減するとしています。
また、クリスチャンハンセン社では、国際ガイドライン『ISAE3000』に基づいた第三者機関による保証を実施。
これにより、SDGsに取り組んでいるという事実とその貢献度の高さをステークホルダーにアピールしています。
まとめ
今回は2021年のGlobal 100 index TOP10と日本企業の順位、そしてランキング上位常連企業2社の取り組み事例をご紹介しました。
✅ご紹介した内容
・SDGsとは『2030アジェンダ』実現に向けた国際目標
・2021年版Global 100 index上位10社と日本企業の順位
・エルステッド社|洋上風力発電所建設事業
・クリスチャンハンセン社|食を通した幅広い取り組み
▼参考サイト
・CSR Communicate|「SDGD勧告」 SDGs情報にも、開示のフレームワークが。
・CSR Communicate|世界のトップ企業に見るSDGsへの取り組み方
・ノハム|SDGsに取り組む企業TOP100まで大紹介!