日本がSDGsランキングで18位にランクダウン|課題目標は評価を上げる
2021年6月14日にSustainable Development Report 2021が発表されました。
Sustainable Development Report 2021によると、SDGs達成度ランキングで前回17位にランクインしていた日本は、18位にランクダウンする結果に。この結果をもとに、日本の現状の問題を見ていきましょう。
◆SDGsとは2030年を期限とした国際目標
SDGs (Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、2015年に開催された国連サミットにて採択された『2030アジェンダ』に記載された2030年までの国際目標です。
✅2030アジェンダの正式名称
我々の世界を変革する:持続可能な開発のための 2030 アジェンダ
SDGsの目的は「社会問題の解消」と「持続可能な社会の実現」の2つ。
目的を実現するために、「誰一人取り残さない」という宣誓のもと、17の目標と169のターゲットが定められています。
✅SDGsの目標一覧
・目標1「貧困をなくそう」
・目標2「飢餓をゼロに」
・目標3「すべての人に健康と福祉を」
・目標4「質の高い教育をみんなに 」
・目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
・目標6「安全な水とトイレを世界中に」
・目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」
・目標8「働きがいも経済成長も」
・目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」
・目標10「人や国の不平等をなくそう」
・目標11「住み続けられるまちづくりを」
・目標12「つくる責任 つかう責任」
・目標13「気候変動に具体的な対策を」
・目標14「海の豊かさを守ろう」
・目標15「陸の豊かさも守ろう」
・目標16「平和と公正をすべての人に」
・目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」
ターゲットは、目標ごとに複数設定されていて、各目標を実現するために必要とされる行動や改善策などがまとめられています。
◆SDGs達成度ランキングで日本は18位にランクイン
世界全体で取り組んでいるSDGsは、年に1度、持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)と、ベルテルスマン財団(Bertelsmann Stiftung)が発表する、国ごとの取り組み評価をまとめたレポート『Sustainable Development Report』によってランキングが出されます。
今回発表されたSDGs達成度ランキングTOP10をご覧ください。
✅SDGs達成度ランキング2021TOP10
1位:フィンランド(85.9)
2位: スウェーデン(85.6)
3位: デンマーク(84.9)
4位: ドイツ(82.5)
5位: ベルギー(82.2)
6位: オーストリア(82.1)
7位: ノルウェー(82.0)
8位: フランス(81.7)
9位: スロベニア(81.6)
10位:エストニア(81.6)
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18位:日本(79.8)
日本は前回の17位から1ランクダウンとなりました。
上位の国が前回から1ポイント近くスコアを上げていますが、日本は前回の79.17から僅かしかスコアが上がっていません。しかし、目標ごとの評価を見てみると、日本は低評価を受けていた目標の評価が上がっているようです。
◆日本のSDGs取り組み評価
レポートでは、国ごとに各SDGs目標を4つの段階で評価。
自国の課題を客観的に把握することが可能です。
✅Sustainable Development Reportの評価
緑色:達成に近づいている(SDG achieved)
黄色:課題が残っている(Challenges remain)
オレンジ色:重要な課題が残っている(Significant challenges remain)
赤色:大きな課題が残っている(Major challenges remain)
(引用:10年後の未来を作るノート|日本のSDGsはどれくらい達成されているの?)
日本の最新のSDGs取り組み評価は以下の通り。
(出典:Sustainable Development Report 2021)
前回、「大きな課題が残っている」と評価されていた5つの目標のうち、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」と目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」の2つに関しては改善が見られるとの評価が付けられました。
目標15「陸の豊かさも守ろう」に関しては、大きな課題が残っているほか、改善している様子が見られなかったようです。
目標15を除き、前回から改善、もしは維持されている目標も多いですが、依然として日本は多くの目標を達成できていません。
2030年までに、いくつの目標を達成できるのかが注目ポイントです。
◆コロナウィルス蔓延による影響で失業者が増加|世界全体の平均スコアがはじめて低下
コロナウイルスの蔓延により、世界中で失業者が増加し貧困率も上がったこともあり、世界全体を見ると全体の平均スコアが低下しています。
この現象は、SDGsが始まって以来初めてのこと。
コロナウイルスが世界各国の社会・環境・経済に、いかに大きなダメージを与えているかが分かりますね。
Sustainable Development Report 2021では、「新型コロナウイルスが流行している間はSDGsの取り組みや経済回復が望めない」とし、パンデミックを抑制することを最優先事項と明記。
日本もSDGsに関連付ける形で、コロナウイルス対策に取り組むことを中心に『アクションプラン2021』を策定しています。
◆日本は最大の課題である目標15を改善させられるか
今回は2021年6月14日に公開されたSustainable Development Report 2021に掲載されている最新のSDGsランキングと合わせて、日本のSDGs取り組み評価をご紹介しました。
✅今回ご紹介した内容
・SDGsの目的は「社会問題の解消」と「持続可能な社会の構築」
・最新のSDGs達成度ランキングTOP10と日本の順位
・日本の取り組みは目標15を除き改善が見られる
・コロナウイルスにより全体の平均スコアが低下している
ワクチン接種も始まっており、コロナウイルスが落ち着けば、以前と同様、SDGsの取り組みが活発化します。
日本は、現時点で最大の課題である目標15「陸の豊かさも守ろう」を改善させることができるのでしょうか?来年のSustainable Development Reportも要チェックですね。
政府や日本企業の取り組みを合わせて注目してみてください。
▼参考サイト
・TAX JUSTICE NETWORK|Financial Secrecy Index 2020 reports progress on global transparency – but backsliding from US, Cayman and UK prompts call for sanctions
・Yahoo!ニュース|「チーム地球」の一員としての日本の5つの優先課題――SDGs週間に考える
・Yahoo!ニュース|SDGs世界ランキング2021 日本の順位は?2020年にはスウェーデンが1位