SDGs目標16「平和と公正をすべての人に」の取り組み事例をご紹介します!
今回はSDGs目標16に貢献する企業の取り組み事例をご紹介します。
実現が困難とされる平和と公正を実現するために、どのような考えのもと、どのような取り組みを行っているのでしょうか?
■SDGs17個の目標をチェック!
SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、2015年に開催された国連サミットにて採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に明記されている国際目標です。
2030年までに国際社会が抱える問題を解消し、持続可能な世界を作ることを主な目的として、17の目標と169のターゲットが定められています。
【SDGs17目標一覧】
・目標1「貧困をなくそう」
・目標2「飢餓をゼロに」
・目標3「すべての人に健康と福祉を」
・目標4「質の高い教育をみんなに 」
・目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
・目標6「安全な水とトイレを世界中に」
・目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」
・目標8「働きがいも経済成長も」
・目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」
・目標10「人や国の不平等をなくそう」
・目標11「住み続けられるまちづくりを」
・目標12「つくる責任 つかう責任」
・目標13「気候変動に具体的な対策を」
・目標14「海の豊かさを守ろう」
・目標15「陸の豊かさも守ろう」
・目標16「平和と公正をすべての人に」
・目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」
ターゲットとは、目標毎に複数設定される項目のこと。
なにを実現することが目標達成に繋がるのかがまとめられているほか、私たちにとっては、現在世界で深刻化している問題を知る資料にもなります。
以下のリンクにまとめているので、ぜひご覧ください。
■SDGs目標16「平和と公正をすべての人に」|意味と12個のターゲット一覧
目標16は、”持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する”ことを目指した目標です。
世界には、5億人以上の子どもが紛争などの緊急事態化の国や地域で暮らしていたり、2秒に1人が故郷を追われている現状があります。
世界中の人々が安心して暮らせるようにするために必要とされているのが「平和」と「公正」が当たり前の社会。
目標16達成に向けて定められた12個のターゲットをご覧ください。
【目標16のターゲット】
16.1) あらゆる場所において、全ての形態の暴力及び暴力に関連する死亡率を大幅に減少させる。
16.2) 子供に対する虐待、搾取、取引及びあらゆる形態の暴力及び拷問を撲滅する。
16.3) 国家及び国際的なレベルでの法の支配を促進し、全ての人々に司法への平等なアクセスを提供する。
16.4) 2030年までに、違法な資金及び武器の取引を大幅に減少させ、奪われた財産の回復及び返還を強化し、あらゆる形態の組織犯罪を根絶する。
16.5) あらゆる形態の汚職や贈賄を大幅に減少させる。
16.6) あらゆるレベルにおいて、有効で説明責任のある透明性の高い公共機関を発展させる。
16.7) あらゆるレベルにおいて、対応的、包摂的、参加型及び代表的な意思決定を確保する。
16.8) グローバル・ガバナンス機関への開発途上国の参加を拡大・強化する。
16.9) 2030年までに、全ての人々に出生登録を含む法的な身分証明を提供する。
16.10) 国内法規及び国際協定に従い、情報への公共アクセスを確保し、基本的自由を保障する。
16.a) 特に開発途上国において、暴力の防止とテロリズム・犯罪の撲滅に関するあらゆるレベルでの能力構築のため、国際協力などを通じて関連国家機関を強化する。
16.b) 持続可能な開発のための非差別的な法規及び政策を推進し、実施する。
紛争も無く、平和で公正な社会が形成されている日本において、企業はどのように目標16に取り組んでいるのでしょうか?
■企業の取り組み事例①「ヤマハ」|新興国を中心に実施する音楽体験プログラム
2020年の推定人口が約13億人のインドは、人口の増加が続いており、このままのペースで増加していくと2030年には中国を抜いて世界最大の人口を有する国家となることが予想されています。
今インド市場はさまざまな国が注目しているんですよ♪
ヤマハでは、いち早くインドに進出。2008年に現地法人「ヤマハ・ミュージック・インディア」を設立し、2018年にはスクールプロジェクトを始動。さらに2019年には生産工場を設立しました。
新興国市場向けの普及価格帯の楽器製造と販売、教育を一体化することで、インドの子供たちに楽器演奏の楽しさを伝えています。
スクールプロジェクトは、音楽の授業はあるものの座学が中心となっている新興国を中心に2015年から展開していて、現在は5カ国で実施。
地域の文化的な音楽(民族音楽)を取り入れたり、発表会を兼ねたイベントを開催したりと、地域に合った指導と体験を通じて、世界の子供たちが楽器演奏体験に等しく恵まれることを目指し取り組まれています。
■企業の取り組み事例②「薬樹」|リユースで得た金銭を支援団体に寄付
薬樹では、まだ着続けられる衣類に限定して回収し、リユース業者に売却。その収益を、アフリカの内紛に巻き込まれた子ども兵の社会復帰や地雷除去活動をしているNPO法人に寄付しています。
【取り組み実績】
2017年度実績:39箱
■約175㎡の土地の地雷・不発弾撤去を支援(ラオス・カンボジア)
■元こども兵社会復帰支援センター350食分(ウガンダ)
2018年度実績:76箱
■約76の土地の地雷・不発弾撤去を支援(ラオス・カンボジア)
■元子ども兵社会復帰センターの給食152食分(ウガンダ)
2019年度実績:53箱
■約53の土地の地雷・不発弾撤去を支援(ラオス・カンボジア)
■元子ども兵社会復帰センターの給食106食分(ウガンダ)
薬樹は、衣類のほかにもペットボトルキャップと使用済み天ぷら油を回収しています。
ペットボトルキャップはリサイクル業者に販売。そこで得た収益を途上国のワクチン代として寄付しています。天ぷら油は株式会社ユーズと協力して海洋環境や空気の汚染を防止する燃料にリサイクルされていることを報告。
リユースとリサイクルを通じて、人々の健康と社会、環境保全に貢献する取り組みと言えるでしょう。
■SDGs目標16「平和と公正をすべての人に」まとめ
今回はSDGs目標16「平和と公正をすべての人に」について、企業の取り組み事例を中心にご紹介しました。
【今回ご紹介した内容】
・SDGsについて
・目標16の意味とターゲット
・ヤマハの取り組み事例
・薬樹の取り組み事例
目標16に貢献するのがどのような取り組みなのかを判断することは難しい一面があるものの、自社の強みを活かした取り組みやリユース・リサイクルを通した取り組みなど、あらゆる分野からアプローチしているようです。
▼参考サイト
・Manegy|企業ができる取り組みとは:SDGs目標16『平和と公正をすべての人に』
・外務省 JAPAN SDGs Action Platform|取り組み事例
・ノハム|SDGsをわかりやすく丁寧に教えるサイト
・みらいい|「SDGs 16.平和と公正をすべての人に」の取り組み事例5選!